市原真のレビュー一覧
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春になると悩まされる「花粉症」は果たして「病気」なのだろうか、という疑問から手に取った本でしたが、著者の文章が軽快で(たびたび挟まれる毒のあるセリフも小気味良く)スラスラと読み進めることができました。
現役の医者としての「医学」の視点と、患者が求める「治療」という視点の双方から「病気(と健康)」を見つめるというスタイルは真新しく、興味深く読み進めることができました。
一貫しているのは、人体のしくみは「複雑系」であり、病気の原因を一つに特定しようとしたり、すべての病気を解決する万能薬のようなアイテムはないということだったり。
「病は気から」という言説も丁寧に解説されていましたし、そこで触れられ -
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ネタバレ(要約しか読んでないので読み直す)
メモ
・医療とは、医学というサイエンスと医術という実学が融合したもので、言い換えるなら「正しさ」と「お役立ち」の両輪で成り立つ
・アプリ「Q助」
・生物の耐用年数は「子孫を残してある程度育てられるまで」。人間=50年。
・外付けエンジンで人間は長生きできるようになったが、ライフラインは追いついていない。パイプのメンテが重要。
・メンテには、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠が大切。
→バランスの良い食事=少数の材料NG。少しでも多くの食材に参加してもらって登場人物の多い食事
→適度な運動=過剰に一箇所NG。複数の場所が同時に動き、軽く汗ばむようなウォ -
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Twitterでお馴染みのヤンデル先生。
今回のこの騒動になった時、わかりやすくヤンデル病をツィートされていて、読んでみたいなーと思った本。
さすがです。
群像劇や、都市など、一般の人がわかりやすいような例えで、体内構造や、病を開設する。
これを読んでおくと、病に対しての怖さ、不安は、単なる恐怖、不安ではなく、冷静な恐怖、不安に変わるかなと思う。
怖いけれど冷静に怖がる。
無闇に怖がらない。
『病気かどうか、それは未来予測!』
これだけ言われると、なんじゃそりゃ。かもしれないが、本を読めば納得。
言われてみれば!!!
『(中略)「詰将棋のように一歩一歩テキの逃げ道を潰していく医療(専門的 -
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序盤、ツイッターで培われた文章力が鈍色の火を噴く。中盤、血を吐くような軽い文体の心中記はサーカスのクラウンのよう。後半第3章、がんの解説から鳥瞰の落ち着いた記述。最終4章、ニセ医学への根本対策ではアーク溶接のような温度と火花。
書きながらさすらい、エリートが市井の読者を信頼して医療という舞台のタネを発信する宣言に至る。
一人の真摯な人間の、心の旅路を垣間見た。
・標準医療の信頼性と、断言する医師の非信頼性
・ワクチンの当り前さ
・医師を選ぶポイント
・現代人がガンになる理由
など記述はきわめて「まとも」でバランスを感じる。
「医療シアター」の喩えは発明と言っていいくらいの分かりやすさ。
イ -
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Twitterの人間の文章は面白いんだけど本題に入るまでが長えな!入るまでの過程も面白いからいいけど!
医療に対して患者が期待してしまう事
(早く! 確実に! 単純に! 簡単に!)を、
医療の側からそいつは無理があるよ
(診断のために適切な"様子見"が必要だよ、
疑いという状況で処方して後日確定のためにまた通院してほしいよ、
複合的要因があるよ、
万物に効く水みたいなもんはねーよ!!)
と優しく諭してくれる本。
かなり最後の部分へのアツい忸怩たる感情を感じました。誠実に書いたものは悲しい事に「そういう層」には届かないかもしれない、それでも書くという祈りめいた気持ち、伝わり -
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ネタバレ「熱量と文字数」のえぴいろ記者が「いんよう!」というポッドキャストを配信しているが、えぴいろ=ようさんの相手がこの人。
いっちー=いん=ヤンデル先生=市原真。
本質的なことが書かれている本。
様子を見る=時間経過。未来予測。医療シアター。複雑系。群像劇。都市の譬え。
病気とは「こないだまでの自分がうまく保てなくなること」
健康とは「こないだまでの自分がうまく保ち続けていること」
などなど。
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プロローグ 「病気と平気の線引きはどこ?」
第1章 病気ってどうやって決めるの?
1 病気だと決める人は誰?
自分で決める?/病気かどうか、それは未来予測!/病気を決める最後のファクター
2 す