三浦哲哉のレビュー一覧
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自炊は面倒臭い。サイゼリアのミラノ風ドリアも信じられないくらい安くて美味しいし、回転寿司に行けば洗い物なんて気にせず美味しいお寿司もポテトも食べれる。自炊をすれば洗い物も発生するし、割高になることもあるし、おいしくできる保証もない。それでも、自炊をすると言うことは、毎日を少しだけ味わい深くする手段であり、自炊では得られない、食材本来の自然な香りと、その変化を楽しむことであると筆者はいう。いつも同じ味が食べられる、その安心感を指す意味でのおいしさを「C嗜好」つまり、コンフォタブルなおいしさである一方、調理方法や食材の質によって、可変性のある個々の味わい深さを楽しむのが「F嗜好」、フレーバー嗜好と
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フード系のエッセーって初めて読んだけどこんなにおもしろいのか…!
自分自身ここ数年でかなり食への好奇心と興味が出てきたので、好き嫌いがないことを武器に色々なものを食べたり、サーチしたり、食べ物のことを話題にあげたり、作ったり、ってしてるけど、記憶の襞、レイヤーで味覚と体験と興味が形作られるのはほんとうにわかります!!!!となった
はじめて凝ったネパール料理やさんでスパイスカレーをたべたとき、美味しいとかとはべつに色んな味がする!!!!!とおもったのをおぼえている。
いろんなものを食べて、実家を離れて自分で料理したり、という経験を経てから母のご飯を食べたときのわかりの深さもすごい感動したし -
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「風味の魅力」で料理をしたくさせる。
入門書ではなく、より豊かに自炊を捉え直す本。
・目的によるトーストの焼き方。違いを楽しむ。
・レトロネイザル経路のにおいを味わう。
・風味は映像
①風味インデックス:香り物質が直接移動する。ある地域、ある季節に固有のにおい物質が食べ物に含まれていて、それが食べ手のところに届くとき。
②風味パターン:においの組み合わせによって、遠くの何かが映る。ある地域の伝統料理。
③風味シンボル:情報消費
・自炊の風味のレンジ
・基礎調味料のノイズキャンセリング
例 生魚の生臭みの原因となるトリメチルアミンを抑えるしょうゆ
「蒸す」
・失敗が最も少なく、簡単 -
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“各章に設定された課題に取り組みながら26週かけて読む”という想定で書かれているが、パンのトースト、青菜のおひたし、蒸し料理程度は実践しつつ1週間で読み切った。また時間をかけて読み返しながら全てのことを試してみたい。
自炊することの意義をたいへん痛感し、自分の中で“面倒”との決闘をさせたが、さすがに揚げものや魚を捌くことは敗北した。これは厚切りジェイソンの投資法を読むような感じで、自分のやれること、やりたいことを実践すれば良いのだと思う。読み切ってみると著者も行きすぎた食の思想を批判しているし、そんな軽薄な気持ちで読めばいいのだろう。いつか勝つかもしれないし。
インターネットを中心に政治的なイ -
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はるか昔、「丸元淑生のシステム料理学: 男と女のクッキング8章」という文春文庫にどハマりしたことを思い出しました。まだ実家にいて親の作る食事を食べていた時代です。就職して一人暮らししたら、こんな食生活してみたい!と強く願ったものです。ところが、いざ自分でアパート暮らしを始めると、仕事の忙しさか、飲み会の多さか、外食の楽しさか、台所のプアさか、コンビニの面白さか…まあ、一番は自分の自堕落さ、なのでしょうが、真逆の生活に突入し体重もどんどん増えて、といった人生でした。伴侶が出来ても彼女の価値観に合わせるだけだったし、実際、家庭で夕食をゆっくり、みたいな仕事ではなかったので、食材を活かし、調理を見つ
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講談社
三浦哲哉 「LAフードダイアリー」
1年間のロサンゼル(LA)生活を通して、食文化からアメリカの多様性を紐解いた良書。異なる社会環境の併存が多様性をもたらすことを伝えている。読みやすく面白い。
LAを アメリカにやってきた植民者たちが 解放を求めて 西へ進み、最後に辿り着く「終着駅」とし、異なる社会集団ごとの食文化が併存している場所と位置づけている
さらにLAは 「ゴールドラッシュ」「石油」「映画」「シリコンバレー」と 時代ごとに 解放を求める人々を招き寄せて 多様性を保っているとのこと
名言「多様な食文化を知り、多種の美味を味合うことは、寛容な精神を滋養することである」