【感想・ネタバレ】自炊者になるための26週のレビュー

あらすじ

さっと買って、さっと作って、この上なく幸福になれる。
「トーストを焼くだけ」からはじまる、日々の小さな創造行為。

おいしさと創造力をめぐる、全くあたらしい理論&実践の書!

“面倒”をこえて「料理したくなる」には、どうしたらいいでしょう。
“ほぼ毎日キッチンに立つ”映画研究者が、その手立てを具体的に語ります。

・大方針は、「風味の魅力」にみちびかれること。
「風味」=味+におい。自由に軽やかに、においを食べて世界と触れ合う。
そのよろこびで料理したくなる。人間のにおい解像度は犬並み?
最新の科学研究だけでなく、哲学、文学、映像論の重要テクストを手がかりに、知られざる風味の秘密に迫ります。

・目標は、素材から出発して、ささっとおいしいひと皿が作れるようになること。
1週に1章、その週の課題をクリアしていけば、26週=半年で、だれでも、すすんで自炊をする人=自炊者になれる、がコンセプト。

蒸す、煮る、焼く、揚げる「だけ」のシンプル料理から、「混ぜる」「組み合わせる」、さらに魚をおろして様々に活用するまでステップアップしていきます。
日本酒とワインの新しいあり方、買い物や献立てに悩まないコツ、家事分担も考えます。

・感覚を底上げする、「名曲」のようなレシピを40以上収録しています。
「ヤンソンの誘惑」「鶏肉とパプリカ」「山形のだし」「麦いかのフリット」等々、素朴だけど、素材と出会いなおすような感動のあるものばかり。古今東西の料理書を読みこんだ著者ならではのベストチョイスです。
より先へ進みたくなった人のための懇切丁寧なブックガイドつき!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

自炊の良さを布教するためのオリジナルな内容。
自炊による季節、食材の使い方、自分好みの発見という感動>自炊に関わる面倒さを実現するためにメニューやTipsを載せている。
スープの塩分濃度は0.6%から増やしていく。
調味だし:だし:醤油:みりん 20:1:1 から10:1:1に増やしていく。
魚は全部こぶ締めなどの保存法でゆっくり食べることができる。柳葉包丁はあった方が良い。
しめ鯖:策を手に入れ、塩を両面に真っ白になるくらいかけ20分億。流水で洗い流し米酢をかける。キッチンペーパーでくるんで40分-2時間冷蔵庫。

0
2025年07月06日

Posted by ブクログ

自炊は面倒臭い。サイゼリアのミラノ風ドリアも信じられないくらい安くて美味しいし、回転寿司に行けば洗い物なんて気にせず美味しいお寿司もポテトも食べれる。自炊をすれば洗い物も発生するし、割高になることもあるし、おいしくできる保証もない。それでも、自炊をすると言うことは、毎日を少しだけ味わい深くする手段であり、自炊では得られない、食材本来の自然な香りと、その変化を楽しむことであると筆者はいう。いつも同じ味が食べられる、その安心感を指す意味でのおいしさを「C嗜好」つまり、コンフォタブルなおいしさである一方、調理方法や食材の質によって、可変性のある個々の味わい深さを楽しむのが「F嗜好」、フレーバー嗜好というわけである。筆者が提示してくれる毎週の課題をこなしながら、自炊者への一歩を踏み出し、料理の醍醐味を味わいたいものである。

0
2025年04月06日

Posted by ブクログ

個人的に最高すぎる本。
写真がない料理本とも言えるが、文章だけで食欲をそそる!いくつかレシピを作ってみたし、肉も焼いてみたが美味しかった。肉に関しては、家で初めて納得が行く仕上がりになった。ここからは好みを極めていく世界なんだろうと思うとワクワクする。
作るだけでなく、旬の食材を選ぶ、調理器具を愛着持って揃える、より使いやすい台所を目指すなど、考え方によってはめんどくさく感じるだろう工程が愛しくて、光り輝く。また少し、自炊が好きになった。

0
2024年08月13日

Posted by ブクログ

映画批評者が風味について語った本ということで、五感を研ぎ澄まされるような感じで読み進めることができた一冊。

なるほどと思ったのは、F感覚とC感覚という風味の前提となる認識の話が興味深かった。美味しい、という一言に差が大きい理由も理解できる。

書名から高尚な内容かもしれないと感じたが、無理せず、一方こだわりも大事にしつつ、ちょっとしたこだわりを自炊に見出していくという印象を受けた。

共働きや在宅勤務で、家族のために食事を作るようになった男性には特にオススメ。価値観がグッと広がると思う。

0
2024年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こういう本が大体10年に一回出る。かなり今様で、とてもよい。中庸の感覚とか、最後の家事負担の話とかこの十年ならでは。この手の本は文才が要るんだなあ。丸元も魚勝も文章がよかった。この人の文章は今風だが古風で品がある。

0
2024年07月20日

Posted by ブクログ

丁寧な自炊生活だけを追求する本ではありません。サイゼやマックなどのジャンクフードも愛する著者が両者を「ギアチェンジ」できる豊かさを解いてくれます。また、ロベール・ブレッソンを引用して、風味のモンタージュ論を解いたり(凄く分かりやすい!)、映画批評家でもある著者ならではの少し変わった食本。

0
2024年03月15日

Posted by ブクログ

「風味の魅力」で料理をしたくさせる。
入門書ではなく、より豊かに自炊を捉え直す本。

・目的によるトーストの焼き方。違いを楽しむ。

・レトロネイザル経路のにおいを味わう。

・風味は映像
①風味インデックス:香り物質が直接移動する。ある地域、ある季節に固有のにおい物質が食べ物に含まれていて、それが食べ手のところに届くとき。
②風味パターン:においの組み合わせによって、遠くの何かが映る。ある地域の伝統料理。
③風味シンボル:情報消費

・自炊の風味のレンジ

・基礎調味料のノイズキャンセリング
 例 生魚の生臭みの原因となるトリメチルアミンを抑えるしょうゆ

「蒸す」
・失敗が最も少なく、簡単・確実においしくなる
・野菜、魚
・バーニャカウダー
・たちうおの清蒸魚

「焼く」
・表面に焼き目をつけて香ばしくする(メイラード反応)
・グラデーションをつけられる
・アロゼ

「煮る」
・水に風味とうまみを移す。
・スープの塩分濃度は0.6%から(1リットルに小さじ1杯)
・調味だし:だし:しょうゆ:みりん=20:1:1

「揚げる」
・バット3つで動線確保

0
2025年03月09日

Posted by ブクログ

“各章に設定された課題に取り組みながら26週かけて読む”という想定で書かれているが、パンのトースト、青菜のおひたし、蒸し料理程度は実践しつつ1週間で読み切った。また時間をかけて読み返しながら全てのことを試してみたい。
自炊することの意義をたいへん痛感し、自分の中で“面倒”との決闘をさせたが、さすがに揚げものや魚を捌くことは敗北した。これは厚切りジェイソンの投資法を読むような感じで、自分のやれること、やりたいことを実践すれば良いのだと思う。読み切ってみると著者も行きすぎた食の思想を批判しているし、そんな軽薄な気持ちで読めばいいのだろう。いつか勝つかもしれないし。
インターネットを中心に政治的なイデオロギー、善や悪、世の中に転がるさまざまな事象を極端に考える傾向がある。まさかこの自炊に関する本から、世の中にあるものはあるんだと認め、その全てを好きなように享受する姿勢を学べるとは。この豊かな時代を普通に楽しんでいきたい。

0
2024年09月28日

Posted by ブクログ

どういうアプローチかと思ったら、風味を中心にして料理をしたいと思わせる自炊のレッスン。
この、料理をしたてみたい、食べてみたい(感動>面倒)と思わせる文章の技量が、映画評論家の面目躍如という感じですごい。
途中から結構ハードル高い料理も出てくるけど、なんとなくできるかもと思わせてくれる。

0
2024年08月02日

Posted by ブクログ

自炊が苦手で正直実践は難しそうな章もあったけど、とりあえずご飯を美味しく冷解凍するタッパーを買いました。
自炊はもちろん外食テイクアウトもあっていいという姿勢や、行き過ぎな思考であるべきでないという主張がよかった。

たしかに風味で思い出す情景ってあるよなあとも思った。

0
2024年06月20日

Posted by ブクログ

はるか昔、「丸元淑生のシステム料理学: 男と女のクッキング8章」という文春文庫にどハマりしたことを思い出しました。まだ実家にいて親の作る食事を食べていた時代です。就職して一人暮らししたら、こんな食生活してみたい!と強く願ったものです。ところが、いざ自分でアパート暮らしを始めると、仕事の忙しさか、飲み会の多さか、外食の楽しさか、台所のプアさか、コンビニの面白さか…まあ、一番は自分の自堕落さ、なのでしょうが、真逆の生活に突入し体重もどんどん増えて、といった人生でした。伴侶が出来ても彼女の価値観に合わせるだけだったし、実際、家庭で夕食をゆっくり、みたいな仕事ではなかったので、食材を活かし、調理を見つめ、食べることを豊かにする、みたいなことのプライオリティはとても低かったのかも。基本的に「自炊者」ではなくずっと「他炊者」として生きてきたのでした。でも親元を離れる前に丸元淑生に出会った時の気分がこの本を読みながら蘇りました。実際にこの料理本(?)は「システム料理学」の40年の時を経た後継なのかもしれません。(実際に丸元淑生の本からの引用も多々…)丸元本より圧、強くないし。とにかく作りたくなる、というより食べたくなること請け合いです。著者のキーワード、風味がページの間から漂ってくるな気がしました。2冊の本の間に流れた時間で「食」を取り巻く環境は大きく変わったのかもしれませんが、食べるというシンプルな行為については「科学的に正しい」から「サスティナブルに美味しい」ぐらいしか進化がないのかも。いや、それって大きな進化でもあるような。

0
2024年06月03日

Posted by ブクログ

実用書というよりは、理屈っぽい人向け料理本、というか料理を楽しみたい理屈っぽい人向けかなあ。しかしさすがにあちこちよくできてるとは思う。

0
2024年04月30日

Posted by ブクログ

食べるときに感動できるようなものを作ることで、自炊を豊かにすることを目指す。日々忙殺されている人には難しい話だが、丁寧な自炊は確実に人生を豊かにすると思う。

0
2025年05月03日

Posted by ブクログ

26週かけて章ごとに読んで実践する、というのが前提にある本だけれど、せっかちな性分が顔を出し一気に流し読みしてしまった。それでも作りたい料理が増えたり、料理すること自体のモチベーションは上がったので良しとしたい。

0
2025年01月28日

Posted by ブクログ

自炊自体はとても好きなので色々作りたいですが、それほど融通の利くタイプではないのでこの本に出てくるような、柔軟で素材を楽しむような料理をサッと作れるのは憧れます。不完全を楽しむというのも趣が有っていいです。終盤言ってる事が高尚になってしまう辺りが少々辛ろうございました。

0
2024年07月09日

「暮らし・健康・美容」ランキング