あらすじ
現代日本映画を牽引する映画監督・濱口竜介と三宅唱、そして同時代を並走してきた映画研究者・三浦哲哉の3人による「映画の勉強会」が発足!
映画の「演出」とは何か?
ロベール・ブレッソン、ビクトル・エリセ、トニー・スコット、侯孝賢──
巨匠たちの作品の「演出」に焦点を当て、
つかまえようとしては逃げていく、目には見えない「演出」のありかを探す。
見れば見るほど発見があり、考えれば考えるほど面白い「演出」の魅力に迫る、
映画の演出をめぐる、終わりなき学びのドキュメント。
画面に映る映像になぜ心が動かされるのでしょうか。
そこに張り巡らされている「演出」とは、いったいどういうものなのでしょうか。
本書は、映画監督の濱口竜介と三宅唱、映画研究者の三浦哲哉という気心の知れた3人が集い、2018年より続けてきた映画の演出についての勉強会の「第1集」です。
3人がそれぞれ手にした地図とアイテムを持ち寄り、共に旅に出る、映画の演出をめぐる冒険の書です。
映画から受け取った驚きや喜び、問い、そして戸惑いを、共有する。
3人の勉強会だからこそ見つけられる(ひとりでは見つけられなかったかもしれない)発見がある。
見つける人と見逃す人が交代していきながら、その発見をバトンにしてリレーしていく。
そんな「映画の勉強会」の面白さ、興奮、熱気を存分にお楽しみ下さい。
【言及される主な作品】
ロベール・ブレッソン『ブローニュの森の貴婦人たち』『ジャンヌ・ダルク裁判』『やさしい女』『ラルジャン』
ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』『エル・スール』『ミツバチのささやき』
トニー・スコット『ハンガー』『ザ・ファン』『エネミー・オブ・アメリカ』『デジャヴ』『アンストッパブル』
侯孝賢『ミレニアム・マンボ』『百年恋歌』『童年往事 時の流れ』『悲情城市』
*
濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』
三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』
──映画を勉強するということは、いったいなんなのでしょうかね?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんてぜいたくな勉強会なんだ!濱口竜介監督/三宅唱監督が今好きな邦画監督二大巨塔なこともあるけれど、脳が焼き切れるくらいおもしろかった。
まずは、映画監督が映画を観る際に受け取っている情報量とその解像度に圧倒された。さらに、監督ならではの視点(「顔選び」「自分がこのテーマで撮るとしたら」「参考にしたシーン」「全部オンで切り返すだけのつなぎ、できなくない?」などの話)がおもしろすぎる。
また、お互いによく褒め合っている通り、言語化がうますぎる。ビクトル・エリセ作品を評して「ものの肌理に感覚が伸びていく感じ」!
とくに、濱口監督の勉強家ぶりはすさまじく、「ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書』をフランス語までタイプして写経」「平倉圭・砂連尾理との勉強会」などのエピソードは、その脳の容量に気が遠くなった。
最後の二章では、そんな二人の監督がお互いの作品について質問をぶつけ合うのだからたまらない。主にどこまで意図的なのかという話。印象的だったのは、お互いに緻密な計算の内と思っていたシーンが、意外と現場での偶然の集積によって生まれているところ。三宅監督の「監督の仕事ってほんと見えづらい」という言葉が沁みる。
黒沢清や蓮實重彦の話も多く、「かつて東京のさまざまな映画館で見かけた観客としての西島秀俊」の話もとてもおもしろかった。
Posted by ブクログ
トニスコ以外の章を読んだ(トニスコだけぜんぜん観てないので) 3人の勉強会の文字起こしはオンラインで見かけては食い入るように読んできたので書籍化とてもうれしい ブレッソンは特に去年全作完走したところ&ラルジャンをスクリーンで見返したばかりだったのでアツかった エルスールや非情城市も大好きだ 話が深く鋭く面白いというのは言うまでもなく、3人のフラットで遠慮がなくアクセルを踏むタイミングも意見を交換するタイミングも限りなく自由なやりとりの公平さが不思議な癒し効果を生んでいる この形式でこの世の全ての名作たちについて語り合ってほしい
わたしの映画人生は濱口竜介『ハッピーアワー』を2018年に観たことから始まっていて、その5時間17分ある映画をそれぞれ違う友人と計7回観たこともあるくらい、映画の原点を(それは監督としても鑑賞者としても)濱口竜介に置いているのだけど、映画のつくり方に対する姿勢や振り返り方は三宅唱の方がずっと好きで、その違いを改めて噛み締めるラスト2章もよかった 濱口作品は裏話を聞いても見方があまり変わらない(というか自分の人生の写し鏡としてしか見れない)けど、三宅唱作品は裏話を聞けば聞くほど自分がその作品と親密になっていくように感じる どっちも好きだけど好きの方向がてんで違う 三浦さんも文章好きだし、改めてすごい3人だ あと100冊出してほしい
Posted by ブクログ
映画監督の濱口竜介、三宅唱、映画研究の三浦哲哉の三人による映画制作、演出の対談集。
ロバート・ブレッソン
ビクトル・エリセ
トニー・スコット
候孝賢
濱口「ドライブ・マイ・カー」
三宅「ケイコ 目を澄ませて」
ほとんど観たことのない作品ばかりだが、演出に関わる逸話が面白い。これから少しずつ作品を観ていこう。
Posted by ブクログ
濱口竜介監督と三宅唱監督、映画研究者の三浦哲哉さんの3人が集う映画の演出についての勉強会の第1集。題材になる作品とその監督は初めて知るものばかりだったけれど、プロの表現者が巨匠の演出をどう捉え、どこに心が動いたのかを語るプロセスがとても興味深い。カット割り、光、エキストラ、カーテンの色… 「そんな細部まで見ているのか」と驚かされる深掘りされた考察の連続で、これから映画を見る時の視界がガラリと変わりそう。題材になった作品も観ようと思った。