三浦哲哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画批評家、かつ食と料理本批評も行うというマルチな方が、LAのフード文化を考察し、まとめ上げた一冊。数ヶ月前、私は初めての渡米を果たしているはずだった(が、そこでコロナである)ので、タイトルと、表紙のポップさに惹かれて軽い気持ちで手に取ってみた。しかし前半、軽いテンポで進んだフード紹介から、後半はかなり骨太な考察に突入していく。自分の足では踏み入れることのできなかったディープな世界に、美味しい「えさ」を撒かれて、あれよあれよと引き摺り込まれていった感じ。
LAの交通文化と、アメリカ的食文化の関連の結びつきから始まり、LAの多様性が「自然」ではなく「社会環境」によってもたらされること、自分自身 -
Posted by ブクログ
大学のサバティカル期間に家族でLA暮らしをすることにした著者が、"旬のない土地"LA独自の食文化を発見するまでの1年間の記録。
日本とのギャップに戸惑いながら「ハッピーターンの粉のような」味付けのフライドチキンや、旬の概念が存在しない寿司などと向き合っていく前半は面白い。Trader Joe'sはアメリカに移住した日本人がみんな好きなイメージあるけど、サラダがそんなにも心をすくい上げる食べ物だとは。
北米人の食とイズムの関係に関する考察も面白かった。アメリカやカナダでのバーベキューは日本のラーメンと同じく「ガレージの美学」を持つ料理だというくだりとか、ヒッピー