神島裕子のレビュー一覧

  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    現代正義論の歩みについて、かなりわかりやすく解説されています。特にロールズの正義構想については丁寧にまとめられていると感じました。

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    2026年04月23日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    哲学史入門シリーズの最新刊。

    各シリーズ同様、倫理学の主要な理論の第一人者へのインタビューによるライブ感のある哲学史入門講座となっている。同時に、倫理学を学ぶことの意義を探究する構成だ。今回は倫理学がテーマであり、隣接する分野も含め功利主義、正義論、徳倫理学、ケアの倫理を扱う。

    特に徳倫理学が興味深かった。
    正直倫理学の中でも馴染みのない分野で、実際に比較的新しい学問分野であるという。
    要するに、功利主義や義務論などのように最大多数の最大幸福や規範への遵守という倫理の評価を外部へ依拠するのではなく、「徳」を備えた人格そのものに照準を当てる理論である。理想を追求する姿勢を感じられ、さわやかな印象を受ける。

    しかしながら、この理論を達成することの困難さは日々私たちは痛感している。
    立法国家で暮らす日本国民としては、大前提として規範がありその下で個人的な暮らしを営んでいるという感覚がある。「徳」が個人の行動原理として影響を及ぼせる範囲には、一定の限界があるのではないか。そもそも「徳ある人」とはどのような人物を指すのだろうか。

    本書には「徳」に基準を設ける方針も紹介されており、例として日本における道徳教育の内容項目が紹介されている。そこに挙がっている項目に「公正」や「国にへの愛する態度」が含まれていることに、違和感を感じる。

    朱 喜哲「〈公正(フェアネス)〉を乗りこなす」で指摘していたように「公正」という資質を個人に過剰に依拠する姿勢は問題含みである。この観点から見ると、日本教育における「徳」項目には、個人の内面的資質として育まれるもの(これが本書の定義における「徳」)と、本来は社会的規範として共有されるべきものが混在しているように思われる。これは、誤った個人非難に繋がりかねないと危惧する。

    その他理論についても、各研究者の視点と理論における問題点を詳らかに説明してくれている。決して自分の研究分野を単に称揚するのでなく、批判的な指摘も含まれていることに本書の信頼性の高さを感じた。

    過去シリーズとあわせて、最前線の研究動向に触れたい人や、用語の暗記中心の学習に物足りなさを感じている哲学初学者におすすめである。

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    2026年04月09日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    正義論を6つの観点から整理した良著 難しい政治哲学を、非常に簡潔に1冊でかなり網羅的に扱っている。多少筆者の主張はあるが、説明と主張の区別は明確。ロールズの正義論を軸に、リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムという現代正義論の6つの立場がどう関わるかを説明している。ですます調の文章で、話し掛けられながら読んでいけるのも読みやすかった感じ。講義を受けているみたいだった。

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    2026年01月18日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    ロールズの正義論をベースに、「正義とは何か」を考える。議論はリベラリズム、リバタリアニズム、コミュリタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムの6つの思想へ展開されていき、現代社会における位置付けが説明されている。

    ロールズの考えがこのグローバル社会においても重要視されていると感じたし、これを批判的に捉えてきたのちの思想家たちの持論も、数多くの政治行動、政策に影響を与えているのがよくわかった。

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    2021年05月04日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    正義論を、リベラリズム・リバタリアニズム・コミュニタリアニズム・フェミニズム・コスモポリタニズム・ナショナリズムという6つの立場から纏めている。終章が、名言の塊で熱い。
    「社会に生きる哲学者は民主的決定を受け入れなければならない」「社会に生きる哲学者は普遍主義を諦めなければならない」「人間の脳は生まれつき正義のアルゴリズムが実装されているわけではありません」
    ここでの哲学者とは、職業としての哲学者だけではなく、社会の中で生きる我々自身のことを指していると思われる。
    民主主義をケア・点検しつづけるという視点を持ち続けながら、皆で学びながら「正しさ」を見つけていくことが重要そうだ。

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    2021年01月15日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    本書は、政治哲学の大テーマである「正義とは何か」について、ジョン・ロールズをベースにしながら(著者はロールズの『正義の理論 改訂版』2010年の共訳者の一人)、リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、そしてナショナリズムそれぞれの思想から平易に論じたものである。

    6つの思想潮流がすべて西欧起源の思想であり、その点、現代のグローバルな諸問題にアプローチする限界がありはしないかという疑問は湧くにせよ、ロールズやノジック、サンデル、セン、ヌスバウムなどの思想がとてもわかりやすく書かれており、ポスト・ロールズの思想について勉強になった。

    経済学を勉強する我々にとっても馴染みの深いアマルティア・センは、「人間のアイデンティティはたしかに共同体のなかで形成されるけれども、人間は文化的伝統から離れて合理的判断を下しつつアイデンティティを形成してゆくこともできる」(p.143)とコミュニタリアズムを批判し、また「ロールズの契約説が「閉ざされた不偏性」を伴うものであるとして、それよりもスミスの「開かれた不偏性」にこそ、地域的偏狭性を反省する可能性があるとしています」(p.144)とロールズ批判も展開する。センはスミスを高く評価しているらしいが、まさにその通りだと思う。

    しかし、現実のグローバル社会にはたして「公正な社会」は可能なのか(正義は実現されるのか)、その哲学的な基盤はまだまだ確立されたものとはなっていない。

    余談:もう17年前になるが、2003年にケンブリッジ大学に遊びに行ったとき、散歩しているセン(当時、トリニティカレッジの学寮長)を偶然見かけてちょっと感動したことを思い出した。

    センはインド出身なので、上記に書いたような西欧哲学の本流から少し離れていることもプラスに働いているのではないかと思う。

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    2020年05月25日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    そもそもこの本がそういう作り方をしているというのもあるけれど、それを抜きにしてもやはり現代の正義論はロールズを大きなエポックとして捉えて、ロールズ正義論に賛成または反対することを通して自らの主張を訴えてきたのだと思う。
    内容は多岐に渡るので一言では言い表せないけれど、コスモポリタニズムはなんとなく理想郷的なことを言っているのかと思い込んでいたけれど、他国の正義と自国の正義の関係をどう捉えるかという点だけでも難しい問題をはらんでいるのだなあということを感じた。
    ロールズに対する批評の蓄積はだいぶ進んできた。個人的にはヌスバウムに共鳴する部分が大きかった。とはいえ、彼女にもたくさんの批判があるはず。むしろ、そうしてああでもないこうでもないと言っていることこそが哲学のあり方としてふさわしいんじゃないかと思う。

    内容は少なくとも初心者向けではない。多少哲学の素養がないとちょっと辛いかな?という気はした。ただ、内容が理解できるととても面白い。

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    2018年11月29日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    哲学史入門シリーズの4巻目で、「倫理学」を取り上げた巻。「功利主義」「正義論」「徳倫理学」「ケアの倫理」を解説している。これまでの各巻同様、各章で編者の斎藤哲也氏が基礎知識と読みどころを紹介して、指南役の研究者にインタビューするという形式。個人的に興味を持って読んだのは、「功利主義」」と「正義論」。近年テック長者」などが語る「効果的功利主義」への流れも理解しやすい。また「ケアの倫理」は耳慣れない言葉だったが、倫理学を実践に移すにはこういう考え方のほうが有効かもしれないと思わせられた。入門書として、わかりやすく、全体像が把握できる。
    【目次】
    序章 倫理学に入門するとは何をすることなのか(古田徹也)
    第1章 現代に生きる功利主義―誰もが幸福な社会を目指して(児玉聡)
    第2章 義務論から正義論へ―カントからロールズ、ヌスバウムまで(神島裕子)
    第3章 徳倫理学の復興―善い生き方をいかに実現するか(立花幸司)
    第4章 なぜケアの倫理が必要なのか―「土台」を問い直すダイナミックな思想(岡野八代)
    特別章 「地べた」から倫理を考える(ブレイディみかこ)

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    2026年05月03日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    『哲学史入門4』を読みました。
    今回は哲学史の中でも、倫理学史や心理学に近い内容が多く扱われているのが印象的でした。確かに哲学科は女性が少ないイメージがありますが、心理学科には女性が多い印象があり、その点とも重なる話だと感じました。

    ケアの倫理の説明で出てきた「ハインツのジレンマ」は特に興味深く印象に残りました。また特別章では、2024年のイギリスの「今年の言葉」に「脳腐れ」が選ばれたことや、ユーザーのプロファイリングによってSNSが質の低い内容に偏っていく問題などにも触れられており、やや強い表現を使いながら現代社会への批評も展開されている点が印象的でした。

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    2026年03月13日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    倫理学の功利主義、正義論、徳倫理学に関して朧気ではあるが理解できた。

    加えてケアの倫についても少し分かったような気にもなれた。

    この本を入門として他の書籍で勉強する事が必要ではありそう。

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    2025年12月18日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    「ケアの倫理」の章で、「人が正義を求めるのは、相手との向き合い方、自分との向き合い方が分からなくなったとき」というアリストテレスの言葉が刺さった。正しさを考えるよりも前に向き合い方を考えることは大切だ。

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    2025年11月10日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    4冊目もとても読みやすく重要なポイントがまとまっているので、現代の西洋での倫理学を理解したい方には良い内容である。
    個人的には徳倫理学の章が興味深かった。カントなどの義務論は、行為の是非を問うが、徳倫理学は人格を問う。それはそうだと思うのだが、人格を重視するのであれば、例えば、西洋ではゲーテやシラーなど、教養を高める教育思想があるし、日本の報徳思想や心学など、人間性を高める伝統的教育がある。それらを学ぶことの方が有意義だと思えてきた。
    また、徳を重視し過ぎると軍国主義になるや、慰安婦の国家賠償の問題からケアを考えるなど、事実を無視した左翼思想が出てくるところは残念である。

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    2025年10月10日
  • 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで

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    面白かった。
    哲学の本を読んでると「そんなこと延々と考えてどないすんねん」と思うことが多いけど、まあ倫理学は考える価値があると思う。万が一、皆が納得できる形で正しさをルール化できたら、立法やらなんやらがすごくスムーズになると思うので。そんな夢を追って思考を深めているならカッコイイと思う。

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    とはいえ、やっぱり倫理は何かしらの理屈で説明できるものではないのでは、というのが読み終わっての感想かもしれない。
    徳のある人物を目指す徳倫理学や、現場レベルの判断を問うケアの倫理は、結局「皆が心に手を当ててやっていくしかない」的な発想やと思うし、まあ実際そうよな、という気持ちもある。

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    2025年10月02日
  • 平等ってなに? 歴史と身近な不平等から考えよう

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    子ども向けだけれどあなどれない、しっかりした教科書。特に前半は小学生には難しいので中学生向け。公民で習う資本主義・社会主義などの用語について、本書を読むことで授業では理解不十分になりがちなところを補える。
    後半は様々な平等について列記されており、学びやすい。
    大人が読むのにもよいと思う。

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    2024年05月19日
  • 逆境に克つ力~親ガチャを乗り越える哲学~(小学館新書)

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    面白かった。第5章「明日から実行!幸福になる力を高めるヒント」に自力でたどり着ける子は逆境に克てる。たどり着けない子に、届けれるか否か。
    こと自分に関しては、他人(同じ環境で育ったのに「親ガチャに外れた人の結果」みたいな人生を歩んでる人への疑問、不信感。)に注意が行ってたが、自分はどうか?と問いかけるきっかけになった。私は私で価値を想像できているか。人のことばっか言ってて、全然なれてないな、と反省。

    ■アマルティア・セン ケイパビリティ(何かをしたりなにかになったりするための実質的な自由。)アプローチ
    貧困=ケイパビリティの剥奪
    ■ニーチェ 超人=自分で新たに価値を創造できる人


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    2023年05月16日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    ソクラテスの無知の知
    論敵トラシュマコスの主張=ポリスの国制を取り上げて、どの国制においても「正義」は支配階級の利益になることだと豪語している。
    「支配階級というのは、自分の利益に合わせて法律を制定する。これこそが被支配者たちにとって正しいことなのだと宣言し、これを踏み外した者を法律違反者の犯罪人として懲罰する。したがって強い者の利益になることこそが、正しいことなのだ」

    ソクラテスは「国家」でこう述べている。
    「そのものが何であるかを知らずに、そのものについて語るもので、大衆自身の集合に際して形作られる多数者の通念以外の何物でもなく、それを詭弁家達は知恵と称している。」

    ソクラテスは真理を追求する生き方が正しい生き方であり、また善い人生だと考えた。


    ロールズ

    「格差原理」=「最も不遇な人々」の最大の便益に資するものであることを要求
    逆に言えば最も不遇な人々の最大の便益に資さない社会的・経済的な不平等は認められない。

    「正義にかなった貯蓄の原理」=世代間正義のこと。
    後世代の人々の便益も考慮して、現在のソーシャルミニマムの水準を調整することを要求している。

    アマルティア・センの主張
    平等であるべきは基本財でなく「基本的ケイパビリティ」である。

    「ケイパビリティ」とは、ある人が何かを行ったり、何かになったりするための、実質的な自由のこと。
    個人的選択の自由に価値を置くセンは、各人の財や機能ではなく、ケイパビリティを個人的福利を評価する際の情報的基礎としている。

    アダム・スミスの重商主義批判

    重商主義とは金銀の蓄積によって国富を増やそうとするもの。
    外国から支払われる金銀を目当てにして、自国の輸出業に補助金を出してテコ入れ。
    それによって適正な資源配分と価格決定が阻まれる。

    スミスの社会的分業の考え方
    社会において必要とされる「協力と援助」を誰かの慈悲心ではなく、不特定多数の自愛心に基づく行為の集積場(市場)によって確保することができる

    コミュニタリアン(共同体主義者)の主張
    →広義のリベラリズムでは人々の善い生を可能にする正義は構想できない。人々の生活に固有の道徳性を与えるとされる共同体の物語に則った政治によって、善い生を再興させるべき。

    サンデルによると、どの目的からも独立した自我を想定(無知のヴェールのような)して正義を考えることは誤りであり、それによって正当化される正義は意味を持たない。
    想定されるべきは、文化や伝統などの文脈を持たない「負荷なき自我」ではなく、特定の共同体の中で特定の生を生きている人間、つまり人生に意味を付与している「位置付けられた自我」

    リベラリズムは善い生を個人的選択の問題としており、中立を気取っている。
    手続きの確かさだけを追求する「手続き的共和国」であると批判している。
    政治はアリストテレスの目的論に倣って、諸制度をその目的に照らして評価するのが正しいと。

    「政治的リベラリズム」=人びとの生の全体をカバーするのではなく、公共的(政治的)事柄にかかわる部分のみをカバーするという意味で、包括的ではなく、政治的である。
    政治的にリベラルな社会では、人々は私的事柄に関しては各々の包括的世界観に浸っているかもしれないが、公共的事柄に関しては政治的リベラルとして振る舞う。 

    マッキンタイアの善い生
    →物語の提供者として彼が持ち出すのは理性でも運命でも自然でもなく、共同体である。
    Xにとっての善い生は、その人が属する共同体の伝統の中にある。
    そのため、個人の善い生のために、伝統を保守することになる。

    アマルティア•センのコミュニタリアニズム批判
    →人間のアイデンティティはたしかに共同体のなかで形成されるけれど、人間は文化的伝統から離れて合理的判断を下しつつ、アイデンティティを形成することができる。

    コスモポリタニズム

    ポッゲの主張→グローバルな貧者はらグローバル•エリートからの積極的な関与によって、彼らが本来あるはずの状態に危害を加えられている。
    そのため彼らは貧者を本来あるはずの状態に戻すために、賠償しなければならない。

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    2022年08月05日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    かなり面白く読んだ。
    ロールズのリベラリズムを大きな軸として、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズムを俯瞰する。

    シンプルに、こういう人たちが今の正義論界隈でのメジャープレーヤーなんだ、というのを知ることができ、それぞれの考え方を整理するのに役に立つ。

    他方で、正義とは何か、正義はどうあるべきか、という問いは、社会がどうあるべきか、あるいは、どのように私と他者が共に生きていくのか、を問うことであるという「正義論」の意義を語りかけてくるところに温かみがある。神島は、私たちがこの答えの定まらない問いに対して議論を重ねていくこと、考えることを通して、社会で生きていく希望を持ち続けられるとするが、どうだろうか。

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    2021年07月23日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    ロールズの正義論を軸に、正義とは何かを論じている。先行研究史にも近い印象をもった。

    恥ずかしながら、ロールズの正義論は初めて読んだため、半分以上分からずに終わってしまったが、全体を見渡すという事に於いては良書だと感じた。

    勉強しても勉強しても知らない事がある。

    悔しいような、楽しいような。

    知的好奇心を満たしていきたい。

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    2021年07月12日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    ロールズ「正義論」を訳した著者が、ギリシア哲学を確認した上で、6つのアメリカ政治哲学(リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム、フェミニズム、コスモポリタニズム、ナショナリズム)をジャンル別にわかりやすく解説した著作。

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    2021年04月01日
  • 正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点

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    本書は現代政治哲学の概要本である。これまで、現代政治哲学に関してはキムリッカの『現代政治理論』と小川仁志『はじめての政治哲学』を読んだことがある程度だが、それらと比較すると少し違った観点からのまとめ方や考察があり、新たな発見も多かった。
    一方で、全体的にまとめ方に関してはもう少しシンプルに分かりやすくまとめる術があったのではないかと思う。
    また、(新書だから仕方ないと思うが)現代政治哲学について網羅性という観点からもいささか不十分にも感じる。
    ただ、本書で正義論を中心とした現代政治哲学の基礎的な思想は習得できると思う。

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    2020年05月03日