高木瑞穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高木瑞穂+YouTube「日影のこえ」取材班『事件の涙 犯罪加害者・被害者遺族の声なき声を拾い集めて』鉄人文庫。
2022年発行の『日影のこえ』を加筆・修正、文庫化。
中野劇団員殺人事件、千葉小3女児殺人事件、大阪21歳女性刺殺事件、前橋高齢者強盗殺人事件、京都アニメーション放火殺人事件、八王子中2女子いじめ自殺事件、三島バイク交通死亡事件、目黒5歳女児虐待死事件、大阪姉妹殺人事件の9つの事件の被害者遺族と加害者の裏側に迫るノンフィクション。
鉄人文庫にしては硬派な内容だった。
毎日のように殺人事件や虐待事件、交通事故、性的暴行や猥褻事件、いじめ事件のニュースばかりが目に入るような気がする。日本人のモラルの低下なのか、以前では考えられないような事件の報道に慄く毎日だ。
中野劇団員殺人事件。馴染みの無い事件だった。美人劇団員の女性が自宅で全裸状態の絞殺遺体となって発見される。彼女と同じ劇団に所属し、付き合って2ヶ月という男性が自らも警察に疑われながら事件の真相を追う。加害者は被害者の近隣に住む37歳の男で事件後に実家の福島県矢吹市に逃げていたと言う。加害者は事件について詳しく語らぬまま、無期懲役の刑が確定する。
千葉小3女児殺人事件。ベトナム人の女児が保護者会の会長の男に殺害されるという悲惨な事件だ。加害者の男は殺人を否認したまま無期懲役となる。今の世の中、LGBTQとか多様性とか言うものだから、幼児性愛者のような異常者がこうした犯罪を犯すのだろう。被害者遺族の両親は現在、福島県二本松市の岳温泉でベトナム料理店を営業している。
大阪21歳女性刺殺事件。多重人格、解離性同一性障害などと言う精神疾患は本当に存在するのだろうか。少なくとも自分の身の回りでは見聞きしたことが無い。重大事件の犯人が心神耗弱や多重人格といった精神疾患の類を訴えるのはよく聞く話だ。この事件の加害者も多重人格を訴え、理不尽な殺人を犯していながら懲役16年という軽い刑が言い渡されている。
前橋高齢者強盗殺人事件。高齢者2人を殺害し、現金7千円とリンゴ2個を奪った加害者の男は死刑判決を受ける。加害者の男は26歳の発達障害で産まれてから不遇の境遇にあったと言う。最近、高齢者を狙った特殊詐欺や強盗事件が増えている。弱者を狙った卑劣な犯罪者の増加は社会の歪んだ変化とモラルの低下によるものなのだろう。
京都アニメーション放火殺人事件。記憶にも鮮烈に残る36人もの生命を奪った無差別殺人事件。加害者の男の歪んだ動機には驚いた。アニメやゲームにのめり込み過ぎると現実と虚構の境目が見えなくなるのだろうか。自らも重度の火傷を負い、九死に一生を得た加害者には死刑判決が下されている。色々な意味で遣る瀬無い気持ちになる。
八王子中2女子いじめ自殺事件。最近のいじめはSNSなどまで使い、より陰湿で過激になっているように思う。いじめによる自殺した被害者の遺族が幾ら司法に訴えようとも学校側が謝罪をするに至るまでで加害者当人までは罰せられない場合が多いように思う。
三島バイク交通死亡事件。信号無視の乗用車とバイクの衝突事故。バイクの男性は死亡し、乗用車の運転手はバイクが急に右折して来たことが原因と主張する。被害者遺族は死亡した男性に過失が無かったことを主張するが、SNSによる誹謗中傷を受ける。嫌な世の中になったものだ。
目黒5歳女児虐待死事件。幼い子供は親に頼るしか無いのは当たり前のこと。それにも関わらず、ネグレクトや虐待事件も最近はよく耳にする。大人になり切れていない男女、或いはシングルマザーの彼氏による虐待事件というパターンが多いように感じる。マスコミがそういうイメージを抱かせるような報道をするためなのか、それが事実なのか。
大阪姉妹殺人事件。姉妹を強姦し、殺害した加害者に被害者の関係者が自らの手で復讐したいと思うのはよく理解出来る。しかし、YouTubeやテレビドラマや小説で事件を題材に歪んだストーリーに仕立てるのはおかしい。酷い話だ。
定価946円
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Posted by ブクログ
ネタバレ覚醒剤がどこから日本に来ているのか想像もしたことなかったが、韓国・フィリピン・タイ・米軍様々にルートを変え戦中から日本に流れ続けているというのは衝撃だった
小型船舶での瀬取りには沖縄や九州の漁師が関わっていたり、外国人が関わっていたり、きっと思いもよらない人数が覚醒剤という犯罪には関わっているんだなと思う
覚醒剤を買うっていうことは、その裏にある魑魅魍魎の犯罪全部を支えるってことで、改めてダメ、絶対って思った
筆者も情報の確信を掴むことには苦慮していたが、全部ではないにしろ一部は覚醒剤の真実なんだろうという、一歩引いた目で読むのが良いと思う -
Posted by ブクログ
風俗産業の体験談としてではなく、“どう生まれ、どう拡大し、時代と一緒に形を変えてきたのか”という視点から追ったルポです。
欲望の世界を描いているのに、どこか経済史や日本裏面史みたいな読後感がありました。
性ビジネスや夜のビジネスなど、一見バラバラに見える業態も、“時代ごとの孤独”や“男たちの欲望”に合わせて変化してきた流れが見えてきます。
特に印象に残るのは、風俗を単なる猥雑な世界として切り捨てず、“社会の歪みや寂しさが流れ込む場所”として描いているところでした。
バブル崩壊、不景気、ネット社会など、その時代の空気が風俗の変化と妙に直結していて、人間の欲望って結局かなり景気や孤独に左右されるんだなと感じます。
“風俗は社会の鏡”という感覚が強く残り、下世話な話を読んでいるはずなのに、気づけば日本社会そのものを覗き込んでいるような妙な感覚が残る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
過去に日本で起こった凶悪事件の現場やその犯人が生まれた場所を訪ね、写真と共にその犯罪、犯行、犯人の生い立ち、動機等を振り返る一冊。
流石に50年以上も生きているので、掲載されているほとんどの事件に記憶がある。
犯人に同情する訳ではないが、やはり犯人には出自に問題があるケースが多い。「貧困」「偏見」「ハーフ」「外国人」「朝鮮人」「村八分」「家庭崩壊」等々。
まれに、金持ちのボンボンの犯行もあるが、やはり尋常ではない幼少期 を送ったことで、異常な性格になってしまった事件が多い。
この国の歴史の闇である。
その闇をつくったのは、政治だ。
やはり、ここにも急速な高度経済成長を戦後するために無理を国民にさせた政治の影響が少なからず散見される。
「勝ち組」に苛められる「負け組」。金持ちが、貧乏人を足蹴にして生きているこの社会。それを随所に感じられる一冊である。
写真がぼやけて写っているのが、またかえって薄気味悪さを醸し出している。
最近も凶悪犯罪がこの国でやむことがないのだが、 我々は何か成長しているのだろうか。 -
Posted by ブクログ
交通事故、殺人、子供への虐待、学校でのいじめ等々。日々、様々な
事件が発生している。
事件が起これば加害者が未成年でなければ名前が公表されるし、
被害者が見目麗しい女性なら、加害者以上にそのプライベートは
マスコミによって丸裸にされる。
そんな報道は報道とは呼べないし、必要以上の情報を興味本位で
取り上げるのは如何なものかと思う。
しかし、一方で事件の裏には加害者側・被害者側の多くの関係者
がいるのだ。そんな人々の「声」を拾い上げ、映像化している
YouTubeチャンネルの書籍化である。
300ページに満たない本書では9件の事件を取り上げているが、
映像化した作品に加筆するのであれば、もう少し件数を絞って
掘り下げてもよかったのではないかな。
副題に「メディアが伝えない」とあるが、私が知っている限り
掲載事件の何件かはテレビ番組が取り上げていると思うのだが。
これまでも、犯罪被害者の遺族が事件による大きな喪失感や
修復できない心の傷を抱えながら手記を出版している例も
あるので、本書及び動画の企画は目新しいとは感じない。
だが、気軽にアクセスできるYouTubeであるから、多くの
人たちが犯罪に巻き込まれた人たちが、どんな思いのなか
で生きているのかを知るにはいいのかも。
まぁ、それも一面に過ぎないのだけれどね。
本書は取材する側の感情移入が過多になっているのと、言葉の
使い方に引っかかる場所が数か所あったのは残念だった。
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