増村十七のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
p.200〜で涙腺決壊。
こんな感想じゃ生温い、っていうくらいの現実があるのは十分わかっているけれど。
私の知人の姿にあまりにも重なるので、読んでいて本当に胸が痛い。
日本はまだ「移民」を認めていない。「外国人労働者」「技能実習生」という特殊枠に括っている。彼らの人権が蔑ろにされていることに対する、目眩しとして。既にそれが国際社会からの批判の的になっているけれど、「日本に移民はいない」という詭弁でその批判をのらりくらりとかわし続けている。
ポピュリストは、移民を「自分たちの権利を奪う泥棒」と名指しして、「既得権」の危機だという庶民の意識を煽るけれど、本当の意味で庶民の生存権や普通の暮らしを奪っているのは、当のポピュリストだということは決して明かさないような詐術を使っている。
考えることをやめてはいけない、と心から思う。
でも、いきなり氷水に浸かることは難しいから、こういうソフトな入り口からたくさんの人が関心を持ち始めてくれれば、と願わずにはいられない。 -
購入済み
ほんわか
全編ほんわかムード。始まりは「好きじゃないかも」と思ったけど、
色々な星からの移民設定で、出身地の事情言語能力...と深い設定で考えさせられる良いお話。 -
Posted by ブクログ
仕事で地方に放り出された時、今まで簡単に手に入った物が手に入らなくなりました。仕事も分からず、助けてもらえる人もおらず、知り合いもいない状況…色々な側面から追い詰められました。
主人公のバクちゃんは、住んでいる星で満足な生活がおくれなくなったので、仕方なく、でも、希望を持って地球にやってきます。言葉、文化、姿さえも見慣れない場所で暮らすことになるわけですから、いくら前向きなバクちゃんでも、とても大変なことだと思ってしまいます。
「これは現在282万人の外国人が暮らす、日本の「みんな」の物語。」
そんな帯を付いていて、つい手に取りました。
今は違う地方に住んでいますが、大変だった頃の僕を救ってくれたのは、先人の知恵と時間、そして、そこに暮らす人たちの優しさでした。大変だった頃の自分を思い出し、ほんの少しでも優しい気持ちでい続けなければ、そんなことを考えています。 -
無料版購入済み
流行りものをパクリ
試し読みの範囲だけだとまだどうなるのか、見えないです。マンガを題材にした作品で、のらくろに触発されつつ、これはきちんと読まねばという作品ではありました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ将棋マンガと聞くと、盤上の熱戦や勝負師の気迫を思い浮かべる。ところがこの作品、渋滞しているのは盤面ではなく雑念である。主人公の花つみれ四段は、とにかく「ほかごと」が多い。対局中なのに、相手棋士の高そうな腕時計や財布、動画配信で小銭を稼いでいる気配にまで意識が引っ張られてしまう。真剣勝負の最中に、そんなところを気にするのか。こっちは笑ってしまうのだが、読んでいるうちに妙に共感してくるから困る。
花四段は、ジュース一本選ぶのにも本気で悩む。その様子を面白がっている茄子五段とのやりとりも実にいい。将棋を知らなくても十分に楽しめるのは、盤上よりもむしろ人物たちのへんてこな体温が前面に出ているからだろう。しかも舞台は今はなき旧将棋会館。そこに反応してしまう将棋好きには、別の意味でもたまらない。
そして個人的に完全に持っていかれたのが踊朝顔三段。一見クールで才能もありそうなのに、かなり抜けている。このギャップは反則だと思う。気づけば花四段以上に、朝顔三段を見守る漫画として読んでいた。 -
Posted by ブクログ
面白かった。和山やま味が強い絵面とキャラ。
プロ棋士の花つみれ四段C級2組在籍。棋士として、ちょっとどうなんだろうか、という雑念たっぷりの花四段の面白いお話。ただ、私個人的に超ツボに入ったのでめちゃ儲けもんだった。そのツボというのが、花四段がTMNTのファンだということ(ただそれだけ)。私、何を隠そうTMNTが初オンエアされた時からのガチファンで、ファンクラブにも在籍し、フィギュアもめちゃ集めとった。今も、パジャマや下着、TシャツなどTMNTが溢れている。箱推しではあるが、中でも南無ミケランジェロ神。ということで、花四段も好きになったのだった。
カワバンガ! -
Posted by ブクログ
やさしい絵柄で、あたたかいタッチで描かれる、ままならないことたち。
地球にやってきたバクちゃんとその周りの人たちのお話。
本当に買ってよかった、読んでよかった、ひとりでも多くの人が読んでくれればと心から思っています。
バクちゃんは人や生き物のの夢を食べることができます。
同じく地球にやってきた移民の仕事(庭の剪定)を手伝う際に、草の夢を吸うことで草を枯らすことに成功します。でも、故郷で夢はとても大切なもの。自分が地球で役に立つためにできることが、草から夢を奪い枯らせることなのかと涙を流します。
それを見ていた庭の持ち主は迷惑そうに「訳がわからないわ、外国人って」「働かずにすぐに泣いたりして」それを聞いた仕事のオーナーがこう言います。
「私が埋め合わせしますのでご批判は無用 それに
誰かが泣くのは外国人だからじゃない
人間だから泣くんだ」
小さな場面を丁寧に取り上げて、同じ人間だと叫んでいる。
私が日頃見て見ぬ振りをしている場面がそこここにある。
私が気付けもしないような現実が日常が溢れている。
ままならない。
それでも、この漫画が、バクちゃんが、トニーが、ダイフクが、ホルヘがくれたものを心において、この国で生きていく。すぐに全ての問題が解決するなんて簡単なことではもちろんない、それでも知ることがその第一歩だから。
もっともっと増村先生の目で見る世界を読んでいたかったな。