榎村寛之のレビュー一覧

  • 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年

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    ネタバレ

    源氏物語誕生までの200年、とよく考えたら源氏とは全く関係なさそうなタイトルですね。
    でも、桓武天皇時代は長岡京遷都など興味深い事柄が多いので手に取りました。

    まず、初歩なのに知らなくて驚いたのは、日本書紀から始まる古代の「正史」は887年までしかないそうです。
    日本書紀の他日本後紀など六国史と呼ばれる歴史書が作成され続けなかった理由・・・それは単純に言うと面倒くさくなってしまったからだそう。
    中国に倣い正史を作ったが、苦労して編纂した歴史書から学ぶものよりも、行政を行うならそれぞれの事務担当が生の声を残した方が便利、と気が付いて、それ以降は貴族日記として残していったというのは面白いなあと。

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    2025年03月14日
  • 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年

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    非常に情報量が多く、頭にすんなり入っていかなかった部分も多々あったが、面白かった。
    護送船団で固めた嵯峨体制、それを摂政へと塗り替えた藤原良房。伊勢、賀茂、春日の斎宮の話。奈良時代に比して女性のステータスが下がり、政治に参加できない分、サロンを作り、そこから本名さえ残されていない清少納言や紫式部が現れたり、男性貴族が力を見せびらかそうと十二単へと極端化していく。

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    2025年01月04日
  • 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年

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    400年続いた平安時代の前半200年で生じた政治や宮廷の変化を丹念に書かれていた。奈良時代には女性も政治の表舞台に出て、名前が残っているが、平安時代になると稀になり、今の大河ドラマで出ていた高階貴子以降、名前すら残りづらくなってくるという。また、中央と地方の関係も変わり、中央から派遣されることが減り、中央と地方でそれぞれのヒエラルキーが生まれていく様子も興味深い。200年の間に貴族の役割や体制が徐々に変わってきた要因も推測されて理解しやすい。

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    2024年08月02日
  • 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年

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    今年の大河ドラマがらみで読んでみた。
    著者がなるたけ面白く書こうと努力しているのは伝わるが、如何せん私の知識不足でなかなか読み進まず、意外に時間がかかってしまった。
    家系図、血筋の話がほとんどなので、もともとよく知らない人たちの話になると……。
    後半、古代女官の話などは興味深かった。
    新書は、すいすい読めるやつと、学術書に近く読み応えのあるものとの落差がはげしい……。

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    2024年06月25日
  • 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年

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    書店で目次を開き面白そうと思い購入。以下にまず目次を記します。

    はじめにー平安時代は一つの時代なのか?/序章 平安時代前期二〇〇年に何が起こったのか/第1章 すべては桓武天皇の行き当たりばっかりから始まった/第2章 貴族と文人はライバルだった/第3章 宮廷女性は政治の中心にいた/第4章 男性天皇の継承の始まりと「護送船団」の誕生/第5章 内親王が結婚できなくなった/第6章 斎宮・斎院・斎女は政治と切り離せない/第7章 文徳天皇という「時代」を考えた/第8章 紀貫之という男から平安文学が面白い理由を考えた/第9章 『源氏物語』の時代がやってきた/第10章 平安前期二〇〇年の行きついたところ

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    2024年03月24日
  • 斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史

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    この本を手に取ったきっかけは#fujinasubiさん描く#足利家の執事で井上内親王様に興味を持ち、もっと知りたかったかったことと、そもそも斎宮、斎王のことを全く知らんので、少しでも分かりたいと思ったが、逆に余計分からなくなった。今まで、伊勢の斎王が廃れてその代わりに葵祭の斎王が誕生したと勝手に思っていたが事実は全く違っていた。また、伊勢の斎宮と伊勢の神宮との関係が腑に落ちへん。なんで神宮を直接統治せえへんのか?なんで14㎞ほど離れたところに斎宮を設置したんか?斎王の普段の日常は、どんな感じだったのか?
    そんな疑問の中でも興味が上乗せされたのが、井上様・酒人様・わさび姫様の直系の斎王様達だ。今

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    2022年10月05日
  • 斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史

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    斎宮全体についてや個々人の斎宮についてなど章ごとに面白く読めた。
    突然の小説調はいったい…と思っていたら、あとがきに氷室冴子先生へのオマージュと書いてあって納得。
    個人のエピソード部分を読むだけでも面白い。

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    2017年11月12日