御田寺圭のレビュー一覧

  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    普段、意識することはあっても、そこまで真剣に考えるテーマではなかったため、刺激的でとても面白かった。序盤は読んでいて少し気が重かったが、2章以降は興味があったためかスラスラと読み進めることができ、それによって序盤の内容も後から理解が追いついてきた。
    「自由」や「平等」がヨシとされている中で、意外とそ...続きを読む
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    差別などしない善人だと思ってる自分が読んでて不愉快な気持ちになった。それぐらい無意識に正しさで他者をジャッジし排除してる。能力主義だったり、ルッキズムだったり。もちろんジャッジも常にされている。小さな潔癖が集合体となり社会全体の大きな潔癖となり、それにより行き場をなくした人々がやがて無敵の人になる。...続きを読む
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    社会思想・エッセイ・哲学の中間地点のような印象。
    筆者論に賛同するかはさておき、新たな視点の提示として読んで抜群に面白い。ディスカッションのベースとして読んでも大いに役立ちそう。
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    いやー。この人の存在を寡聞にして知らず、知れて良かった。学者でも作家でもメディア関係者でもなく、市井の人というのがまたすごい。シニカルでも青臭い理想というわけでもなく、こういう主張を発信して問題提起できるのは相当の知性が必要なはず。DEIとかに取り組んでる人全員に読んでほしい。あらゆる差別の定義のと...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    新刊が出てから慌てて4年前の本を読みましたが、これは予言書?今の時代でもそのまま問題として留まっている(あるいはだんだん発露している)事柄について触れられていて……新刊も楽しみだ。早く読もう。

    読んでいるうちに、ウンウン、社会にはこんな問題があるよね〜、という遠くから眺めていた自分が実は問題に近い...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    「あれ?俺こんな本書いたっけ?」というくらい、自分が普段から考えて理不尽を感じていた様々な社会の歪みを、丁寧なロジックと信頼性の高いデータを元にして、みごとに言語化してくれた著書である。
    従来あった社会の歪みを批判し、新たな「社会的正義」を作り上げてきたリベラルとネオリベラルの立場をとるマスコミや知...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    「多様性」が尊ばれる昨今、その「多様性」から取りこぼされ透明化されてしまう存在がいる。そして我々の健全で安定した生活はその透明化した存在に負債を押し付ける形で成立している
    このような構図は様々な環境や組織、文脈で再生産されている気がする、今になって始まったことではないんだろうなと思う
    透明化された存...続きを読む
  • 矛盾社会序説

    自由社会の裏でこぼれ落ちる人達

    Twitterで見かけて気になったので購入。
    自由で先進的で個人主義の社会においては、個人の自由意志によってやんわりと阻害され孤立する人が出てきてしまう。
    封建的な社会に戻って欲しいとは思わないが、社会からつまはじきにされる人々を減らす方策は検討されるべきだし、自分もできる範囲で目を向けていきたい。...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    タイトル通り、これから紛糾するであろう様々な社会の矛盾の為の序説となる本。

    どこまでもニュートラルに、現代社会の触れられなかった部分を描いている。問題提起が主目的であり、解決の方法を考察するものではない。では私たちはこれら矛盾にどれだけのことができるのだろうか?
    良くも悪くも「考えさせられる」とい...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    透明化されたひとびと

    かわいいものは優先的に救済される
    大きく黒い犬は救われない
    ドナルド・トランプは大きく黒い犬(かわいそうランキングの下位)をまとめて引き取ったから快進撃となった


    ガチ恋おじさん
    そもそも、他人に恋心を向けて、それが報われたことなんて一度もなかった。好きだと恋心を伝えて、そ...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    Twitterで有名な著者による本。
    現代の承認欲求について様々な角度から言及している。これまで学問の対象にならなかったような「モテ」のような素材を現代日本の問題として料理していて勉強になる。
    現代日本を生きる男性で、原因がよく分からないけどモヤモヤイライラする人におすすめ。

    <アンダーライン>
    ...続きを読む
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    タイトルがもう不穏ですね。これを手に取る人は自分なりに「正しさ」というものについてきちんと一度は考えたことのある人なんではないかなと想像。

    「本書は物語の否定である」確かに読み終えて振り返るとそういう一冊だったと思う。
    私自身が往々にして、世間によくある「いい話」を見たり聞いたりすると鼻白むことが...続きを読む
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
     人権の落とし穴、差別をよりマイルドにして差別と思わせない方法、国民が自主的に行う言論統制、結果責任の分散化、複雑に絡み合って今の閉塞感を感じる世界が出来上がっていく。夢も希望も理想もないな。なんて思いながら読み進めて、すっかり鬱な気分になった。
     この本に書かれた問題から、きっと私は目を逸らし続け...続きを読む
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    先生のnoteは読んだことなかったが、この本を買った。

    一つの現象に対して多種多様なレトリックを駆使して深掘りしていくのは圧巻だった。このような著者の豊穣な語彙のアプローチはSNS上での note購読者とのコミュニケーションによって洗練されたのだろう。しかし序盤と終盤が特にそうなのだが、あまりにも...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    p112 自由な社会において、「何か・誰かを選ぶ」ということは「選ばれない何か・誰か」がセットになって生じうることを、往々にして人々はあまり認識しない。人々がそれぞれの立場、それぞれの視点で日々行っている選ぶという行為の積み重ねによって生じだのが40代一人暮らし+独身、貧困、男性なのだ

    p142
    ...続きを読む
  • ただしさに殺されないために~声なき者への社会論
    p054 2021/11 ベラルーシ ルカシェンコ大統領
     難民そのものを、西欧各国が共有する道徳律である「人権」によってコーティングして他国に向けて打ち込む、いうなれば人間ミサイル兵器として活用する方法を考案し、実際にやってみせた

    p66 力強く少子化対策にのりだし、そして成功を収めはじめている...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    自由主義の犠牲者について思いを馳せる本
    〜主義というものには必ず正の面と負の面が存在する。今この社会で流行っている自由主義で皆が快適に自由を謳歌する一方でその歪みを押し付けられている人々がいる。それについて話している。
  • 矛盾社会序説
    Twitterの有名人の白饅頭氏の本。
    端的にまとめると「かわいそうではない弱者」を無視する(これは「排除」よりも救いが無い)ことで、現代の豊穣でリベラルな社会が成り立っていることを指摘するものだ。
    橘玲はリベラルの胡散臭さはその「ダブルスタンダード」ゆえだと言ったが、それと共通する視点だと感じる。...続きを読む
  • 矛盾社会序説
    自分自身にも思い当たる、認めたくない事実が淡々と書かれており、世の中は白黒では決して解決できない事象が組み合わさり成っているのだと思い知った。今後の考え方に影響を与えてくれた一冊。
  • 矛盾社会序説
    自分にとって都合の悪いことに目を背けたくなるのが人間の性でありそれを否定も肯定もしない。だが、目を背け続けたときに起こりえるリスクを認識しておく知性を持っておくことが人類には必要だと考えます