矛盾社会序説

矛盾社会序説

1,870円 (税込)

9pt

建前ばかりの社会が目を背け続ける「透明化された存在」の話を始めよう。
ネット上で賛否を巻き起こした『白饅頭note』、遂に書籍化。

社会が「自由」を謳歌するには「不自由」をこうむる人柱が必要不可欠であり、
耳あたりのよい建前の背後で、疎外された人びとの鬱屈がこの世界を覆っている。
現代社会の「矛盾」に切り込み、語られることのなかった問題を照らし出す。

「かわいそうランキング」下位であるということは、
ほとんどの人からかわいそうと思ってもらえないどころか、
その存在を認知すらされず「透明化される」ことを含意する。
場合によっては、「自己責任だ」「自業自得だ」と
石を投げられることすらあるかもしれない。
そうした人びとの、誰の目にも触れることのなかった小さな祈りを
、本書の19編にまとめたつもりである。(本文より)

【目次】
01 「かわいそうランキング」が世界を支配する
02 男たちを死に追いやるもの
03 「男性 “避” 婚化社会」の衝撃
04 外見の差別・内面の差別
05 「非モテの叛乱」の時代?
06 「ガチ恋おじさん」――愛の偏在の証人
07 「無縁社会」を望んだのは私たちである
08 「お気持ち自警団」の誕生と現代のファシズム
09 デマ・フェイクニュースが「必要とされる社会」
10 「公正な世界」の光と影
11 橋下徹はなぜドナルド・トランプになれなかったのか
12 なぜ若者は地元から去ってしまうのか
13 「働き方」の呪縛
14 ベーシックインカムが解決できない問題
15 疎外、そして近代の甦生
16 「ひきこもり問題」のパースペクティブ
17 この社会には透明人間がいる
18 「社会的な死」がもたらすもの
19 相模原事件の犯人を支持した人びと

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矛盾社会序説 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年05月22日

    新刊が出てから慌てて4年前の本を読みましたが、これは予言書?今の時代でもそのまま問題として留まっている(あるいはだんだん発露している)事柄について触れられていて……新刊も楽しみだ。早く読もう。

    読んでいるうちに、ウンウン、社会にはこんな問題があるよね〜、という遠くから眺めていた自分が実は問題に近い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月08日

    「あれ?俺こんな本書いたっけ?」というくらい、自分が普段から考えて理不尽を感じていた様々な社会の歪みを、丁寧なロジックと信頼性の高いデータを元にして、みごとに言語化してくれた著書である。
    従来あった社会の歪みを批判し、新たな「社会的正義」を作り上げてきたリベラルとネオリベラルの立場をとるマスコミや知...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月29日

    「多様性」が尊ばれる昨今、その「多様性」から取りこぼされ透明化されてしまう存在がいる。そして我々の健全で安定した生活はその透明化した存在に負債を押し付ける形で成立している
    このような構図は様々な環境や組織、文脈で再生産されている気がする、今になって始まったことではないんだろうなと思う
    透明化された存...続きを読む

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    購入済み

    自由社会の裏でこぼれ落ちる人達

    2019年12月25日

    Twitterで見かけて気になったので購入。
    自由で先進的で個人主義の社会においては、個人の自由意志によってやんわりと阻害され孤立する人が出てきてしまう。
    封建的な社会に戻って欲しいとは思わないが、社会からつまはじきにされる人々を減らす方策は検討されるべきだし、自分もできる範囲で目を向けていきたい。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年03月10日

    タイトル通り、これから紛糾するであろう様々な社会の矛盾の為の序説となる本。

    どこまでもニュートラルに、現代社会の触れられなかった部分を描いている。問題提起が主目的であり、解決の方法を考察するものではない。では私たちはこれら矛盾にどれだけのことができるのだろうか?
    良くも悪くも「考えさせられる」とい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月09日

    透明化されたひとびと

    かわいいものは優先的に救済される
    大きく黒い犬は救われない
    ドナルド・トランプは大きく黒い犬(かわいそうランキングの下位)をまとめて引き取ったから快進撃となった


    ガチ恋おじさん
    そもそも、他人に恋心を向けて、それが報われたことなんて一度もなかった。好きだと恋心を伝えて、そ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月17日

    Twitterで有名な著者による本。
    現代の承認欲求について様々な角度から言及している。これまで学問の対象にならなかったような「モテ」のような素材を現代日本の問題として料理していて勉強になる。
    現代日本を生きる男性で、原因がよく分からないけどモヤモヤイライラする人におすすめ。

    <アンダーライン>
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月17日

    p112 自由な社会において、「何か・誰かを選ぶ」ということは「選ばれない何か・誰か」がセットになって生じうることを、往々にして人々はあまり認識しない。人々がそれぞれの立場、それぞれの視点で日々行っている選ぶという行為の積み重ねによって生じだのが40代一人暮らし+独身、貧困、男性なのだ

    p142
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月17日

    自由主義の犠牲者について思いを馳せる本
    〜主義というものには必ず正の面と負の面が存在する。今この社会で流行っている自由主義で皆が快適に自由を謳歌する一方でその歪みを押し付けられている人々がいる。それについて話している。

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    Posted by ブクログ 2020年02月06日

    Twitterの有名人の白饅頭氏の本。
    端的にまとめると「かわいそうではない弱者」を無視する(これは「排除」よりも救いが無い)ことで、現代の豊穣でリベラルな社会が成り立っていることを指摘するものだ。
    橘玲はリベラルの胡散臭さはその「ダブルスタンダード」ゆえだと言ったが、それと共通する視点だと感じる。...続きを読む

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