西野広祥のレビュー一覧

  • 史記(7)思想の命運

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    全七巻を読み終えた。(第八巻は史記小辞典)
    それにしても、よくこれだけ壮大な史書を編めたものだと感心する。
    「表」八篇、「本記」十二篇、「書」八篇、「世家」三十篇、「列伝」七十篇の計百三十篇である。
    ただ歴史を伝えるだけの書ではないところに大変深い意味があると思える。
    この徳間文庫版の「史記」は全訳ではないが、とても分かりやすく書かれており初心者には良い書籍だと感じた。
    いずれ、ちくま学芸文庫版か明治書院版で全訳を読んでみようと思う。

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    2016年03月13日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    これまで、
    『老子』『孫子』『論語』『荘子』と読んできて、5冊目の中国思想本。


    ・法治国家と守らせる側のモラル

    前提として、この人は人間を、「利害で生きるもの」としている。
    つまり、
    利益があればそれをやるし、
    害があると思えばやらない、というのが人間だということ。

    だから、
    「いいことをした人にはご褒美をあげる」
    「悪いことをした人にはバツを与える」
    というきまりごと(法)をしっかり整備すれば国家は治まるとしている(法治国家)。

    それと同時に、守らせる側の責任を説いている。
    例えば、
    規定の手続きを踏まずにやってきた王子の馬車を通さなかった門番を王子が罰せ

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    2011年10月07日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    徳をもって法を司る──
    これが法家・韓非の基本的な考えであろうと思う。

    しかし、韓非は秦で毒をすすめられ自殺に追いこまれている。つまり、殺されている。秦王(始皇帝)の臣・李斯による策略だったとされるが、むろん王も承知の上だった筈だ。

    封建的な法治国家である秦が長続きしなかったのは、王に徳がなかったからと言われているのはさておき、秦の制度は民主的な法治国家とは全く異なる法治であったことを、しっかり覚えておきたい。

    追記:「信賞必罰」「虎に翼」などの出典は韓非子だそう。

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    2024年10月07日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    統治理論の名著。韓非子には、政治を実践する立場からの課題、解決策が書かれており、また現場のリアリティがふんだんに盛り込まれている。君主からすれば、先王の政、道徳による政治等の抽象的な儒家の説法より、富国強兵を真剣に考え、血なまぐさい政治現場を実際に見てきた韓の公子、韓非の法・術論を知りたかったのだ。だからこそ始皇帝の評価も高かったのだろう。しかし、法治では統治の正統性を担保できないのが欠点だ。この点では、韓非が馬鹿にした儒教の方が圧倒的に優れていたことに留意したい。秦が滅びた一因もまた韓非子にある。

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    2022年04月26日
  • 史記(7)思想の命運

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    列伝のなかで紹介されている思想家にスポットを当てる。司馬遷が友人に当てた手紙は彼の怒り、悲しさを強く感じ、涙なくしては読めない(司馬遷は、匈奴討伐の失敗の責任を取らされた将軍を擁護したため、求刑に処せられた)。

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    2018年10月23日
  • [新訳]韓非子 騙し合いの社会を勝ち抜くための百言百話

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    古代中国の戦国時代の末期に、法術を完成させた。法は公明正大に天下に示すもので、術は君主がひそかに胸のうちで操作していくものだそうだ。この法と術にもとづけは、どんなに程度の低い君主でも、国を治めていくことができると韓非子は信じていたとのこと。上に立つ人が、ひそかに読む書物ということになる。小生には必要ないな。岩波文庫の訳本だと4冊に及ぶが、この新書では、百言と百説で一冊にまとめられている。

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    2011年10月22日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    ・君主を説得する難しさは、相手の心を読み取った上で、こちらの意見をそれに適応させること、この1点につきるのである。

    ・昔の聖人である堯・舜・湯・武のとった方法を、現在の世の中でそのまま手本にするものが、新しい時代の新しい聖人に笑われることも、またたしかである。聖人とは昔にとらわれ一定不変の基準に固執する者ではない。聖人とは、現在を問題とし、その解決をはかる者をいうのである。

    ・「仁義」を行うものに名誉をあたえてはいけない。これに名誉を与えれば功績の妨げとなる。また、学問があるというだけで登用してはいけない。登用すれば方が乱れる。

    ・修正ができるように気を配って行えば、あまり失敗はしない。

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    2010年12月31日
  • 中国古典百言百話2 韓非子

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    いつも迷うと読みます。
    何が正しいか、間違っているかを冷静に思い出させてくれる
    一冊です。
    鞄の中に常に携帯しています。

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    2010年08月28日
  • [新訳]韓非子 騙し合いの社会を勝ち抜くための百言百話

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    紀元前2世紀末の中国戦国時代の思想家である韓非子。

    この書物を西野氏が編約してます。

    部下をどうやって使いこなすのか。

    馴れ合いすら許さないという、
    法と術を用いた為政術について論ぜられた本です。

    知っていて損はないかと思います。

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    2009年11月29日
  • [新訳]韓非子 騙し合いの社会を勝ち抜くための百言百話

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    法術家韓非子の考え方が一通り理解することができるが、同じような話の繰り返しという感じも多く、終盤には少しだれてきた。

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    2017年06月13日
  • [新訳]韓非子 騙し合いの社会を勝ち抜くための百言百話

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    組織に一定割合で必ず存在するクズの制御法と組織体系化させる為の帝王学。

    徹底的なリアリズムでファシストに通じる哲学。
    非常に面白く読める。

    セールスターゲットがビジネスマンなのか妙に浅薄な例えや語彙を用いたりしている部分には違和感を感じた。古典、哲学、思想として読みたい方は別の翻者がいいかと思う。

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    2014年02月06日
  • 中国の思想(1) 韓非子(改訂版)

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    荀子の流れを汲み法術家
    今は、罪や罰の方が多くが語られるが行いには行いの報酬を与えるべきだと

    現代の法でおさめる法治国家の礎に日本にも影響を残しています
    古代中国思想に一番の影響を受けているのは日本だと思います

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    2012年01月29日