臼杵陽のレビュー一覧

  • イスラエル

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    ネタバレ

    イスラエルのガザ侵攻より一年。この本を再読した。
    この本の目的の一つとして著者は、
    「パレスチナ人に対する戦争すらも「対テロ戦争」で正当化するシオニズムの核心部分を、内在的に理解しなければならないと思ったから」だと述べている。
    しかし一つの列島に同一の民族として生きてきた日本人にはなかなか理解が難しいのかもしれない。ヨーロッパのユダヤ人には長く迫害されてきた歴史があり、それが「シオンの丘」にユダヤ民族国家を建設しようというシオニズムにつながっていったことを考えると、その強い防衛意識はあながち過ちだとは言い切れない。
    イスラエル社会は大きく分けて三つの分裂があるという。一つ目は政教分離の原則にか

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    2024年10月24日
  • イスラエル

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    イスラエルという国は、成り立ち、現状共に恐ろしく複雑であることがわかった。国民国家として今後やっていけるのかとすら思ってしまった。

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    2024年10月20日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    432P

    ユダヤ人て殺すのはやりすぎだけど、国を持たないでいるとか迷惑過ぎない?管理する側のこと考えてんのかよ。そんな好き勝手して郷に従えないで差別とか言い出してるならもっと迷惑だし

    臼杵陽
    日本女子大学 文学部 教授。1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論博士課程単位取得退学。在ヨルダン日本大使館専門調査員、佐賀大学助教授、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員、国立民族学博物館教授を経て、日本女子大学文学部史学科教授。京都大学博士(地域研究)。専攻は中東地域研究。著書に『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)、『イスラエル』(岩波新

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    2024年07月03日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    安易に古代の物語と現代を接続せず、複雑で解決の難しい現状が如何にして生まれてしまったかを丁寧に説明した良書。
    アラブの人々はなぜ諸悪の根源みたいなイギリスではなくアメリカを敵視するのか不思議だったが、イギリスは全方位に対して酷いのでユダヤ人からも恨まれている、と書かれていて、なるほど…?となった。

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    2023年11月19日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    パレスチナ問題というのは永遠に解けないパズルで、もし解決するとしたら、外からの強大な力によって一旦粉々にならないと無理なのでは、というほどの絶望感だ。

    400ページを超える力作で、多くの発見をもたらしてくれる好著だと思う。

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    2014年05月18日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    「鋼の錬金術士」のイメージやパレスチナに行った外傷外科の先生のコメントで、イスラエルというのは陰湿でとんでもない人たちだという先入観があったが、そこに至るまでのやむにやまれぬ事情が少しは理解出来た。特に、現在、中東に深く介入しているのはアメリカだが、そもそも大英帝国の政策に問題の根源があるということを改めて確認できた。

    ボリュームのある本だが、半期の講義のような感じで非常に読みやすい。力作である。

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    2013年06月01日
  • イスラエル

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    ネタバレ

    イスラエルの存在は、ヘブライ語、ユダヤ教、ユダヤ人が鍵とのこと。
    ユダヤ人といっても、
    アシュケナジーム:ドイツ系ユダヤ人:イディッシュ語
    スファラディーム:スペイン系ユダヤ人:ラディーノ語
    ミズラヒーム:中東系ユダヤ人
    など、いろいろだとのこと。

    世界中にいる中国人とユダヤ人。中国人は、すぐに見分けがつくが、
    ユダヤ人は各国での分岐が大きいような気もする。

    中国人とユダヤ人に共通の特質である世界経済との関係の記述がないのはなぜだろう。
    また、食料、音楽、習慣などの生活が見えないのはなぜだろう。

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    2012年08月22日
  • イスラエル

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    日々のニュースでイスラエルをめぐる報道は多いが、イスラエルの歴史と社会を理解するには、「今」を切り取っただけのニュースでは足りず、かといって専門書を読む時間も機会もない普通のオトナにとって、これはまさにうってつけの好著。

    「イスラエル=シオニスト」という単純なイメージは過去のもので、波状にやってくる移民、それによる多文化・他民族化、選挙のたびに壊される和平への試み・・・と、本著がひも解く「イスラエルの今」は、ページをめくるガブに、しみじみと無力感や閉塞感を覚えさせ、オスロ合意(あの日、朝刊に載ったあの写真に、新しい希望を感じた人がどれだけいたことか!)がどれほど「無」となっているかを実感させ

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    2010年11月04日
  • 原理主義

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    [ 内容 ]
    原理主義-この言葉で我々はなにを語ろうとしているのか。
    イラン革命を契機として大きな注目をあびた、この曖昧で多義的な現象を、現代の状況と研究史のなかに位置付け直し、比較概念としての原理主義という可能性を探る。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2010年07月14日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    中東の乾いた風が今も激しく火種を際限なく運ぶ。パレスチナ問題は単なる領土紛争ではなく20世紀世界史の縮図である。臼杵陽氏の筆は欧米列強の思惑とユダヤ・アラブ双方の苦悩を静かにすくい取る。転じて和平の兆しは幾度も現れては消え歴史の迷路に消え入るようだ。だがだからこそ記憶と対話が必要になる。希望はあるのか!?

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    2025年05月31日
  • イスラエル

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    イスラエルについて包括的な本である。イスラエルを知るには必須の本であろう。読むのにかなり時間がかかるほど、イスラエルの政治は複雑である。イスラエルと周囲の国、米国との関係などが単発的に新聞で報道されるが、そう単発的なことではないことを本書は示している。

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    2024年08月22日
  • パレスチナを知るための60章

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    2016年に発行されたこの本の時代から、イスラエルとの関係はさらに悪化して、イスラエル軍による攻撃が続いている。この本を読んで、パレスチナ問題が、根が深いもので70年以上も解決できず、その結果として複雑化していることを再認識した。パレスチナ側に立った本なので、イスラエルがいかにパレスチナ人に不利な政策を行い、迫害してきたかという歴史が綴られている。第二次世界大戦前に迫害にあっていたユダヤ人が、迫害する側に回ってしまう理不尽さ。パレスチナ問題が、国際的な利害関係に結び付けられてしまったことで、イスラエルもまた苦境に立たされているだろうこと。短い章にわけて記載されているので、読みやすくわかりやすか

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    2024年04月03日
  • パレスチナを知るための60章

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    当然のことながらカタカナが多く、「人間はうっすら忘れているときに復習すると最もよく記憶できるはず」と必死に最近学んだ用語知識を思い出しながら読みました。しかもパレスチナの豊かな文化や生活の紹介も多かったため、それを今現在読む何重にも苦しい読書だった。

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    2024年02月15日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    現在のハマスとイスラエルの衝突について理解を深めたいと思い読んでみた。どうしても宗教問題として見てしまいがちだったが、根本は領土問題であること、そのきっかけはオスマン帝国の滅亡や植民地支配を望むイギリスの三枚舌外交であることに加え、もともとユダヤ教徒はヨーロッパにおいてキリスト教徒からも排斥や差別を受け、自国からユダヤ教徒を追い出したい人たちがシオニズム運動を支持することや、アメリカが911以降始めた戦争により広めたイスラモフォビアもこの問題の泥沼化の要因の一つであることなど、結局大国やヨーロッパの国々にも大きな責任がある問題であるということが理解できた。

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    2023年10月17日
  • イスラエル

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    難しすぎる国だよね。
    民族国家でもないし、これで民主国家と言えるのかどうにも理解できない。それにも増して「反ユダヤ主義」が分からない。世界(特にヨーロッパでは)の嫌われ者なのはなぜ? まだまだ勉強不足だ。

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    2022年06月23日
  • イスラエル

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    2.3章を読んで。
    ナチス・ドイツとの闘いの中でいかに自分たちの安全地帯を確保するかが急務だった建国期、それを阻むアラブやイギリス、ひいては国家存在について国連という名の元他国からの多数決で決められる状況は不安定極まりないものだっただろうな、とシオニストを同情してしまう。そんな状況を乗り越え軍事力の圧倒的な差で隣国にも打ち勝ち、国連による国家承認を経ていくシオニストの逆転ストーリーには圧巻させられた。しかし、ユダヤ国家と民主主義という矛盾を抱えた状態でのスタートが今後70年の歪みを作り出していったのだった。。。

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    2019年08月03日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    著者の臼杵陽氏は、東京外語大アラビア語学科卒の、在ヨルダン日本大使館専門調査員、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員などの経験を持つ、現代中東政治・中東地域研究を専門とする政治学者。
    本書は、過去一世紀に亘り、中東問題、更には世界政治問題の中心の一つであり続け(ここ数年でこそ、中東の焦点はISに当たってはいるものの)、かつ、未だに解決の糸口さえ見いだせない「パレスチナ問題」を、世界史という長期的・広域的な観点から位置付け、問題の根源がどこにあり、それがどのように展開し、現状はどうなっているのかを詳細に考察したものである。
    内容は、大きく3部に分かれ、第1部では、3つの宗教(ユ

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    2017年04月28日
  • イスラエル

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    ネタバレ

    支配が続いたこと。その後も2大政党制にはならず、小党乱立・連立政で微妙なバランスを取っていること(これは日本では最近崩れたが)。そして、アシュケナジーム、ミズラヒーム、パレスチナ人という厳然たる階層と、超正統派ユダヤ教など様々な宗派が分立することで国民相互の分断が図られていることは、今日のわが国民の相互分断状況(例えばネット上で顕著な在日韓国朝鮮人、貧困層等への差別)に酷似する。
    しかし考えてみればこれはグローバリゼーションに晒されるあらゆる国々に普遍的な現象なのかもしれない。ただ、それが一国内に収まりきらず、隣接するアラブ諸国や最大の支援国であるアメリカとの国際関係に密接にリンクしていること

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    2014年01月13日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    イスラエル/パレスチナ問題を、聖書の時代から現代に至るまで、懇切丁寧に解説してくれる本著。「どうしてこうなったの?」と思う方々は、ぜひ、手にとってもらいたい。

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    2013年09月22日
  • 世界史の中のパレスチナ問題

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    大変わかりやすい構成で、歴史的背景がとてもよく分かる本。
    これ一冊で大体のパレスチナ問題の大筋は分かる読みごたえのある本。

    紛争当事者たちも解決を求めている。
    イスラエル人のシャローム(平和)とパレスチナ人のサラーム(平和)がそんなにもかけ離れてるとも思えない。
    にもかかわらず、和平交渉は難航し、解決の糸口さえも見つからない。
    言うは易しやるは難し

    【どうすれば解決できるかよりも、なぜこれまで解決できなかったのかという視点を持たなければならない。】

    このアプローチの仕方は大変遠回りではあるけれど、大変興味深い問題だ。
    会社組織においても小手先の解決策や、企画をうったところで何も変わらない

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    2013年08月15日