臼杵陽のレビュー一覧

  • 世界史の中のパレスチナ問題
    安易に古代の物語と現代を接続せず、複雑で解決の難しい現状が如何にして生まれてしまったかを丁寧に説明した良書。
    アラブの人々はなぜ諸悪の根源みたいなイギリスではなくアメリカを敵視するのか不思議だったが、イギリスは全方位に対して酷いのでユダヤ人からも恨まれている、と書かれていて、なるほど…?となった。
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    パレスチナ問題というのは永遠に解けないパズルで、もし解決するとしたら、外からの強大な力によって一旦粉々にならないと無理なのでは、というほどの絶望感だ。

    400ページを超える力作で、多くの発見をもたらしてくれる好著だと思う。
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    「鋼の錬金術士」のイメージやパレスチナに行った外傷外科の先生のコメントで、イスラエルというのは陰湿でとんでもない人たちだという先入観があったが、そこに至るまでのやむにやまれぬ事情が少しは理解出来た。特に、現在、中東に深く介入しているのはアメリカだが、そもそも大英帝国の政策に問題の根源があるということ...続きを読む
  • イスラエル
    イスラエルの存在は、ヘブライ語、ユダヤ教、ユダヤ人が鍵とのこと。
    ユダヤ人といっても、
    アシュケナジーム:ドイツ系ユダヤ人:イディッシュ語
    スファラディーム:スペイン系ユダヤ人:ラディーノ語
    ミズラヒーム:中東系ユダヤ人
    など、いろいろだとのこと。

    世界中にいる中国人とユダヤ人。中国人は、すぐに見...続きを読む
  • イスラエル
    日々のニュースでイスラエルをめぐる報道は多いが、イスラエルの歴史と社会を理解するには、「今」を切り取っただけのニュースでは足りず、かといって専門書を読む時間も機会もない普通のオトナにとって、これはまさにうってつけの好著。

    「イスラエル=シオニスト」という単純なイメージは過去のもので、波状にやってく...続きを読む
  • 原理主義
    [ 内容 ]
    原理主義-この言葉で我々はなにを語ろうとしているのか。
    イラン革命を契機として大きな注目をあびた、この曖昧で多義的な現象を、現代の状況と研究史のなかに位置付け直し、比較概念としての原理主義という可能性を探る。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆...続きを読む
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    現在のハマスとイスラエルの衝突について理解を深めたいと思い読んでみた。どうしても宗教問題として見てしまいがちだったが、根本は領土問題であること、そのきっかけはオスマン帝国の滅亡や植民地支配を望むイギリスの三枚舌外交であることに加え、もともとユダヤ教徒はヨーロッパにおいてキリスト教徒からも排斥や差別を...続きを読む
  • イスラエル
    難しすぎる国だよね。
    民族国家でもないし、これで民主国家と言えるのかどうにも理解できない。それにも増して「反ユダヤ主義」が分からない。世界(特にヨーロッパでは)の嫌われ者なのはなぜ? まだまだ勉強不足だ。
  • イスラエル
    2.3章を読んで。
    ナチス・ドイツとの闘いの中でいかに自分たちの安全地帯を確保するかが急務だった建国期、それを阻むアラブやイギリス、ひいては国家存在について国連という名の元他国からの多数決で決められる状況は不安定極まりないものだっただろうな、とシオニストを同情してしまう。そんな状況を乗り越え軍事力の...続きを読む
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    著者の臼杵陽氏は、東京外語大アラビア語学科卒の、在ヨルダン日本大使館専門調査員、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員などの経験を持つ、現代中東政治・中東地域研究を専門とする政治学者。
    本書は、過去一世紀に亘り、中東問題、更には世界政治問題の中心の一つであり続け(ここ数年でこそ、中東...続きを読む
  • イスラエル
    支配が続いたこと。その後も2大政党制にはならず、小党乱立・連立政で微妙なバランスを取っていること(これは日本では最近崩れたが)。そして、アシュケナジーム、ミズラヒーム、パレスチナ人という厳然たる階層と、超正統派ユダヤ教など様々な宗派が分立することで国民相互の分断が図られていることは、今日のわが国民の...続きを読む
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    イスラエル/パレスチナ問題を、聖書の時代から現代に至るまで、懇切丁寧に解説してくれる本著。「どうしてこうなったの?」と思う方々は、ぜひ、手にとってもらいたい。
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    大変わかりやすい構成で、歴史的背景がとてもよく分かる本。
    これ一冊で大体のパレスチナ問題の大筋は分かる読みごたえのある本。

    紛争当事者たちも解決を求めている。
    イスラエル人のシャローム(平和)とパレスチナ人のサラーム(平和)がそんなにもかけ離れてるとも思えない。
    にもかかわらず、和平交渉は難航し、...続きを読む
  • イスラエル
    もし大学時代にこの本を読んでいて、「イスラエルとパレスチナの対立の経緯と現状について書きなさい」なんて課題が出されたら、多分この本をまる写ししてたと思う(笑)それぐらい、イスラエル誕生からこの本が上梓された2009年までのイスラエル情勢を、きれいに纏めていると思います。

    もう少し、ユダヤ教がイスラ...続きを読む
  • イスラエル
    [ 内容 ]
    イスラエルはいま、「ユダヤ国家」という理念と多文化化・多民族化する現実とのはざまで切り裂かれ、国家像をめぐって分裂状態にある。
    なぜそうした苦悩を抱え込んだのか。
    シオニズムの論理、建国に至る力学、アラブ諸国との戦争、新しい移民の波、宗教勢力の伸張、和平の試みと破綻など、現代史の諸局面...続きを読む
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    ユダヤ人の2000年来の思いがあり、大国の思惑が行きかい、今となっては解けないほどに複雑な問題となってしまった。とされているが。
    しかし、己の中に理由があればどんな行為も正当化出来る、の超大きなお話しにしか読めませんでした。
    単純に行った事のみを考えれば、許されるわけがないでしょう。え、コレ、許され...続きを読む
  • 原理主義
    イスラム教、ユダヤ教、キリスト教における「原理主義」にまつわる問題を論じている本です。

    本書が「原理主義」を考察する視角は、かなり独特のものです。前半では、「原理主義」ということばについての研究史を概観しながら、その問題点を明らかにしています。「イスラム原理主義」というレッテルが孕んでいる問題を指...続きを読む
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    パレスチナ問題は解決するのが難しいんだろうけど、問題自体を深く理解するのが難しかった。というかこの本が細かすぎた。
  • イスラエル
    イスラエルの政治的歴史、現在の事情などを簡潔に理解できる。ホロコーストの否定がディアスポラの否定、つまり自由主義の否定につながっていて、それが社会主義的勢力であるシオニズムによって利用されているという指摘が興味深かった。ユダヤ人はホロコーストを受けたかわいそうな民族であるという思いは民族主義を強める...続きを読む
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    文体はですます調で、なるべく分かりやすく伝えて下さろうとしているのでしょうが、主語の煩雑さが、私には一読では理解しにくいと感じました。それでも新たな視点を与えてくれる内容が多く、後日改めて読んでみようと思います。