ミランダ・ジュライのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっとじわじわと感じていたのは恐怖だった。
今わたしは主人公たちの孤独を想像出来ないほど子供でもなく、人生楽しいから大丈夫!と笑い飛ばせるほど「将来」の近くにもいない。
大人になっていくということが、今の孤独をより深めていくことだとしたら?
そんな恐怖で、読むペースはいつもより遅かったように思う(純粋に表現が好きで読み込んでいたこともある)。
読み終わった今、どんな話か一言で、と言われたら
「泣き疲れて眠るような」と答えたい。
救いはないとしても、明日が来て何が変わる訳でもないとしても、今夜はとりあえず、おやすみ。
そんな小説だと思った。
朝寝坊して、致命的ではないけど初歩的で鈍臭いミスをして、3人で話していたら自分がふと発した一言にほかの2人が黙り込んでしまって、スーパーで半額の弁当を取ったら知らないおばさんに舌打ちされて、しかもそれはそんなに好きでもない惣菜で、家族に電話したら誰も出なくて、友達とのLINEはすべて私が最後で止まっていて、そんなことが積み重なって、とどめに足の小指を椅子にぶつけて、どうしようもなくやるせなくなった将来のわたしへ。
これをもう一度読んでください。 -
Posted by ブクログ
ちょっと奇妙な日常を舞台にした16編の短編集。
人はあまりに長く孤独でいるとおかしなことをしてしまう。トンチンカンな挙動をしたり、そうでなければ思いに捕らわれて固まってしまったり。そんな日々の些細なことを連ねて物語の骨格ができている。個々の出来事はたいしたことではないけれど、反応としての行動から、本人にも無自覚に心の動きが語られていく。どんなふうに物語をまとめ上げているのか不思議に思える作家の技。ああ、あるあるこういうこと……と共感するところ大なのだけれど、いかに孤独すぎる人の挙動を熟知しているかがバレるので、人に読んだ読んだと言うのは恥ずかしかったりする。
しかし、孤独な人は絶望の淵に沈んでいるわけではない。川底を歩いている。時には差し込む光に手を振ったり、スキップしたりすることだってあるーーという感じがした。 -
Posted by ブクログ
こんなに笑えて、こんなに寂しく苦しい物語は初めて
ミランダ・ジュライの短篇は、出来る事なら気づかないふりをしていたいような、心の奥底の孤独感や悲しさを、笑いながら軽やかに、残酷なくらい鋭く、容赦なく掘り出していく。
とぼけているような、ユーモアたっぷりの軽やかな語り。でも絶望的に悲しいのだ。
独り言のような面白い独特の文章なので、原文が気になってそちらも読んでみた。ストレートで乱暴な性描写や表現も、よりサラッと乾いた印象。語りも、よりクールでシュールな肌触りがする。全編を通して、訳文のほうが女性的な感じかな。どちらもいいので、どちらもお勧め。