ミランダ・ジュライのレビュー一覧

  • いちばんここに似合う人

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    こんなに笑えて、こんなに寂しく苦しい物語は初めて
    ミランダ・ジュライの短篇は、出来る事なら気づかないふりをしていたいような、心の奥底の孤独感や悲しさを、笑いながら軽やかに、残酷なくらい鋭く、容赦なく掘り出していく。
    とぼけているような、ユーモアたっぷりの軽やかな語り。でも絶望的に悲しいのだ。

    独り言のような面白い独特の文章なので、原文が気になってそちらも読んでみた。ストレートで乱暴な性描写や表現も、よりサラッと乾いた印象。語りも、よりクールでシュールな肌触りがする。全編を通して、訳文のほうが女性的な感じかな。どちらもいいので、どちらもお勧め。

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    2015年08月07日
  • いちばんここに似合う人

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    ここに出てくる人はみんなどうしょうもなく変な人。
    でもね、不器用でも変人でもみんな生きているのよ。
    確実に、圧倒的にここに出てくる人は
    あなたであり私である。
    くそったれの人生だけど駆け抜けてみようよ。
    もう一度ゆっくり読みたい一冊。

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    2015年05月26日
  • 最初の悪い男

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    ミランダ・ジュライ、前は結構好きだったんだけど、これに関しては感性が変わったのかあまり合わなかったと感じた。主人公があまり好きじゃなかったからかも。

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    2025年03月31日
  • いちばんここに似合う人

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    ネタバレ

    朝吹真理子さんとかが本の中で大島弓子が好きな人はミランダジュライが好きそうと言ってて読んだ

    タイトルが全てであとは物語をつけるだけって感じが似てる…かも?
    いやいや、マジェスティひどかったよその通りすぎるもん

    孤独って時間を持て余したり手持ち無沙汰だったりすることだなーと思う

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    2024年03月05日
  • いちばんここに似合う人

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    私の中にもあなたの中にもある今の世の中が展開されている。現代の人々はひたすら孤独なのだ。たとえ家族がいても、恋人がいても。

    この本が古典となって読まれる時、例えば100年後、1000年後にもしまだ世界があれば、この本は時代を、今を生きる人々の心情を理解する良いテキストになりそう。

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    2023年10月21日
  • いちばんここに似合う人

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    16編からなる短編集。日常の生活のごく一部分、とても短い時間を描いている。まるで体の一部分をえぐりとられるようなそんな痛々しい生々しさを覚えるほど強烈。ぱらり、と無作為に開いた一場面だけに目を落としても、まるで完成型のように感じるようなシーンが多かった。どうも自分は読んでいて落ちつかなかった。覗き見るのが怖いような世界だったのかもしれない。余りにも尖っていて痛いのだ。
    『ラム・キエンの男の子』と『モンプレジール』が特に好き。

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    2022年12月04日
  • 最初の悪い男

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    途中妄想と現実の区別がつかなくなってきて、どこまで行くねん…と思ったけど、やっぱ私はこのタイトルのセンスが好きだな。最初の悪い男。

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    2022年05月14日
  • いちばんここに似合う人

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    みんな孤独だが悲観的でない。奇妙だけど愛らしい。
    翻訳本は苦手意識があったけど楽しく読めた。
    なんでもないことの表現がすごく新しい。

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    2021年08月26日
  • いちばんここに似合う人

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    「階段の男」と「子供にお話を聞かせる方法」が良かった。下ネタは多いけど、そこまで下品な感じでもなかった。シュールめな話が多いけれど、確かにと共感できる部分が根本にあるから、読んでいて楽しかった。

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    2021年04月08日
  • 最初の悪い男

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    「ミランダジュライに共感する」と認めるのは自分には大きな敗北なんであるが、何を根拠に敵認定して土俵(一人相撲)に上がっているんだ自分わ、と考えた。共感力吸引力包容力母性。本の女性主人公42歳にすごい共感させられてしまって、十分に自分は手綱を閉めてるつもりなんだよ。しかし好意を持っている男性に匂わされたりなんかして振り回されてない振りを演じつつ、やっぱり一人相撲だった所なんかねー。ししゃもの頭位にげえな。イタい女表記されるも、自分もイタさではトゲニャンと争っている位なので、よくわからなかった。

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    2020年07月10日
  • 最初の悪い男

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    この人の文章は短編の方が好きかもしれない。
    前半は何一つ共感できなくてどうしようと思いましたが、ぐいぐい読ませる力。そして何とも予想外で、奇妙に輝く人生。

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    2020年05月03日
  • 最初の悪い男

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    これもまた奇書。

    前半は空回りが激しいイタイ中年女性のひとりコメディ。
    しかし、中盤以降物語の性質が一気にかわる。

    本当に同じ主人公なんだろうか、同じ物語なんだろうかと不思議な感覚になる。

    中学生が一気に大人になる様を見ているようだ。

    孤独、親、妊娠と出産、子育て、そして死の物語なんだろうとは思う。

    しかしこの物語に重みはなく、どこか軽薄なところが好みが分かれるところなんだろうか。

    中盤、物語の転換場面で思わず、えっ、と声が出てしまったけれど、その他の部分で面白みはあまりないかもしれない。

    その他、胡散臭いセラピーやら主人公が勤務する存在意義不明の財団(税金控除対策なんだろうけど

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    2020年04月29日
  • 最初の悪い男

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    寂しくて孤独でストレスをためていて、他人に愛されたい。おそらく皆がそれらを抱えているのだろうが、上手に処理できる者、見て見ぬふりができる者、一切気づかないで人生を終えることができる者が、この世間では多数派だ。ただ、どうにもできずに苦しむ者は確かに存在する。彼らはいつも泣きながら、周りからみたら滑稽なやり方で不器用に生きるしかない。私はそんな彼らがどうしても好きだ。

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    2019年08月31日
  • 最初の悪い男

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    『いちばんここに似合う人』を読んだ時にはついていけなかった、一種の奇妙さを、今は少し楽しめるようになった。OK、まあこんなこともあるよね、というふうに。
    母性に自然に目覚めるのではなくそれを獲得する物語でもあるし、妄想に囲われた世界の「最初の悪い男」から抜け出す物語でもあるし、シェリルが何度も奇妙な方法で脱皮して新しい自分になっていく様子が面白かった。それも過去と決別するやり方ではなくて、すべてが繋がっていながら少しずつの変化なのが心地よかった。
    ただ性的な描写があまりに多かったのはウッてなってしまったな。

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    2019年05月02日
  • いちばんここに似合う人

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    この人は2番である。同じく私も多分2番チームだと思う。「ほんっと訳わかんないんですけど、いい加減にしてくれる?」(世の中の声)今から説明しまあす。1番チームはアンナカヴァン隊長率いる、病気チーム。ヴァージニアウルフ、太宰治などが所属します。2番は「天然」として、一応は社会生活おくれるチーム。しかし一緒にいる人は理解が必要。3番は「不思議ちゃん」チーム。いわゆる偽者。サブカルまがいとか、なんとなくオシャレはここの人達が作ってます。色々書こうと思ったらスペース無くなった。無念。

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    2019年01月27日
  • いちばんここに似合う人

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    皆、孤独を抱えて、手を伸ばしている。

    滑稽で、哀しい、けれど、愛おしい。繊細な味わいの短編集だった。孤独を誇示するのでもなく、強がるのでもなく、それを自分として、つながりたいと手を伸ばす人たち。たとえ、うまく生きられなくても、不幸とは呼ばない。

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    2019年01月12日
  • いちばんここに似合う人

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     「江國香織が帯を書いている本をあなたが読むなんて・・・」という妻の言葉通り、私のストライクゾーンから少し外れていたようだ。
     それぞれの短編で、少し独特な主人公たちが孤独と疎外感と、わずかな人とのつながりを握りしめている物語だ。時にあっさりと握りしめている手を緩め、一人で歩いていく。寂しい?寂しくない?いや、そういう問題ではなく、それが彼女であり、彼なのだ。
     おっさんゆえ主人公への感情移入は難しいが、妙に気にかかる主人公たちではある。

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    2018年12月11日
  • いちばんここに似合う人

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    ところどころ気がかりな一文に出くわし、いくつかの短編に心がさざなみ立つ経験をさせられた。感覚的な作風のようでいて、さにあらず作り手の緊張感がひんやりと伝わる構築物、と思う。

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    2014年06月02日
  • いちばんここに似合う人

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    読んでいるうちにつらくなってくる。どうしてこの人たちはこんなにも孤独なのか、それを突きつけられて、なんとなく目を背けたくなるのに、最後には希望が見える。
    これは確かに私たちのことである。

    あり得ないようなこと、奇妙な行動、時には笑ってしまうくらい滑稽な一文。それらが妙に私たちの生にまとわりつく。この感覚を、私たちは知っている。と思う。

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    2014年03月09日
  • いちばんここに似合う人

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    短編集。いくつか読んだ。
    「水泳チーム」がとても良かった。
    これに書かれている孤独は、小川洋子さんの書く孤独に似ている気がする。
    「妹」も面白かった。まさかのオチで…

    2014.01.24

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    2014年02月07日