ミランダ・ジュライのレビュー一覧

  • いちばんここに似合う人

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    孤独は孤独なりに繋がろうと、不器用に生きる人たち。この本が人気ってことは不器用に生きていて慰めを必要としている人が多いってことだ。この事実が、私をまた慰めてくれる。私はこの辺のバランスをうまくとれる方だと思うし慣れてしまったからさほどこの本を必要としていない。でも、この本を読むべき人はもっと多くいるはずだ。諦めたからこその光。

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    2023年03月19日
  • いちばんここに似合う人

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    孤独で優しく不穏な短編集。何と表現したらよいか迷う短編ばかりですが不器用で純粋な登場人物たちにはどこか共感してしまいます。時折挿入される愛のシーンも寂しい気持ちになります。

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    2023年01月04日
  • 最初の悪い男

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    43歳独身女性の妄想強めの現実世界。
    20歳の居候が入り込んできて、日常がどんどん変わってしまう。
    妄想がリアルだけど、現実がそれを超えて広がっていく。

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    2023年01月03日
  • いちばんここに似合う人

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    80歳を過ぎた老人に海もプールもない土地で泳ぎを教えた経験を語る女性の話とか、あり得ないようでいていや、あるのかもしれんな…と思わせるようなユーモアと魅力があって、息抜きに読むにはちょうどいい。比較するにはポップ過ぎるけど『ワインズバーグ・オハイオ』を思い出した。

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    2022年04月15日
  • 最初の悪い男

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    一番ここに似合う人、あなたを選んでくれたものに続いて。こんなに1人の人の著書を読むのは久々。人があえて文字にしたり口にしたりしないような人間のどろっとした事や世界の一部を冷静かつプッと笑っちゃうような表現でひとつの作品にしちゃうのがこの人のすごいところ。動物の鳴き声が「たすけて」に聴こえてもその動物にとっては全く違う意味かもしれないし、とか。しょーーもないんだけど確かに真理だと思わせられる面白い表現がいっぱい。端的に書こうと思えば全然書けそうなことを良い意味でダラダラ書いてて、でもそのどうでもよさに登場人物たちの生活を感じる。短編もドキュメンタリーも面白かったけど長編は読み終わってこのミランダ

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    2021年09月24日
  • いちばんここに似合う人

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    読書会の課題図書。
    ジャームッシュの初期の映画を見ているような。
    エイドリアン・トミネの「サマーブロンド」とか、映画で言うと「ゴーストワールド」を彷彿とさせる。
    一時期の村上春樹さんもちょっとこういう感じだった。
    レーモンド・カーヴァーを初めて村上さんの訳で読んだときと似た感覚。
    だが、それから21世紀になり、よりより閉鎖的な気分になってるんだなあ、と。
    その中でも泥の中の蓮、という気分にさせてくれるものもあれば、そうでもないものも…。

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    2021年02月28日
  • 最初の悪い男

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    ネタバレ

    同年代の独女には劇薬だ。
    こうも赤裸々に語られると、どうにもいたたまれない、それでも読むのを止められない。

    今の変わり映えしない生活は居心地良くはあるけど、少し窮屈で退屈。
    このまま老いていくのかと思うと、このままで良いのかと不安にもなってくる。
    そろそろ何か新しいことを始める時なのかもしれない。

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    2020年03月22日
  • いちばんここに似合う人

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    面白かったです。
    ミランダ・ジュライは初めて読みました。岸本佐知子さんの訳も読んでみたかったです。
    人々の関わりが濃く描かれていますが、ひどく孤独を感じました。濃密であればあるほど、独りで立っていました。
    この感覚は親しく思います。楽しく会話してても、ひとり、ということをまざまざと突き付けられることはよくあります。
    「何も必要としない何か」がすごく好きでした。
    これからも読んでいきたい作家さんです。
    岸本さんはエッセイを面白く読んでいたばかりでしたが、訳書も文章が生き生きとしていて好きです。

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    2019年10月25日
  • 最初の悪い男

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    ある種妄想の世界に生きる43歳の女シェリルと、その前に現れる最強最悪の「現実」クリー。よくある女性2人の分かり合いの物語ではなくて、変化、変化、変化。2人の関係はひたすらに変化し続ける。避ける、闘う、愛し合う、あらゆる剥き出しの感情の表出だ。そして見えていないものが見える。職場の人物。セラピスト。恋愛。あまりにも入り組んでいて話の流れとして読みやすいとはいえないけれど、最初に感じたあまりの嘘くささ(現実との乖離)から、最後には滅茶苦茶な現実が輝く。エピローグの輝かしさ。
    主人公にどことなく共感してしまう。ぜんぜん違う性格だし考え方も違うけれど、その人生回避の姿勢に。しかし彼女はぐちゃぐちゃでは

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    2019年06月14日
  • 最初の悪い男

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    ネタバレ

    netflixのドラマのようにゴクゴクと読んでいけちゃう喉ごしでありながら、しっかりと人間のアブない深淵を覗かせてもくれる一冊。笑い、泣き、慄きました。

    個人的に一番キてるな〜と思ったのは、シェリルが玄関でカタツムリ百匹ぶちまけながら自慰にふけってしまうシーン。その後人間同士の関係は驚くべき変化を遂げていくのに、カタツムリは後半に至ってもまだ屋内を這っていたりする。また、クリーが去った後もしばらく彼女の搾乳したミルクがジャックに与えられ続ける描写などもあって、一瞬で変化する物事とマイペースに連続性を保った物事との対比が面白く、もの悲しい。

    奇妙な筋立てにリアリティーを与える細かな描写もいち

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    2019年05月28日
  • 最初の悪い男

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    43歳独身妄想女シェリルの家に、上司の娘クリーが転がりこんできたことで起きた人生の奇跡。
    精神的に余裕がないと辛い。人間ってどうしてこうも残酷で単純な生き物で、また美しいのだろう。
    シェリルの妄想はリアルだ。欲求や理想をこれでもかと見せつけ、私の脳内にまで踏み込んでくる。
    サプライズでシェリルと読者を困惑させる。守るべきもののおかげで、なんとか前へ進むのだが。

    幸福とは変化なのか?理想の追求なのか?
    この結末は正しい。そう納得するしかないのは私の器の問題。

    タイトルの意味を理解した時、やはり正しいと再認識するだろう。

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    2019年05月04日
  • 最初の悪い男

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    ミランダ・ジュライは、「人生はビギナーズ」の監督マイクイルズの妻。彼女の初長編であるこの作品は、中年女性シェリルの元に飛び込んできた、上司の娘、20歳のクリーとの物語。傍若無人なクリーとの関係は、二転三転して予測がつかない。かなりファンキーな展開かつ、シェリルの空想話が混ざってくるので、かなり独特な読後感。何が言いたいんだか、よくわからないが、気の利いたエピローグでなんとなくすっきりする。

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    2019年03月16日
  • 最初の悪い男

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    人生とは肉弾戦だったと、こんなにはっきり突きつけられて清々しい。
    意表を突くタイトルも巧妙な角度から作品を浮き上がらせる象徴性で、手練れの技につくづく感じ入った。この言葉だけで、血気溢れるこの物語のことを、私たちはすぐに思い出せるだろう。

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    2019年02月24日
  • 最初の悪い男

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    面白かった。平日にひと晩で読んでしまい、明日は寝不足だ。実はこの人の書く人物のみじめっぷりがあまりに身につまされるので好きではない。しかし、面白くて止まらなかった。

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    2019年01月18日
  • いちばんここに似合う人

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    登場人物たちの孤独に揉まれて飲み込まれて息苦しいのに不快じゃない不思議な感覚。特に「モン・プレジール」と「あざ」が印象に残った。

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    2018年11月25日
  • 最初の悪い男

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    ミランダ・ジュライのワールド爆発な長編。
    短編が上手い人が長編も上手いとは限らないけど、この作品はいつもの彼女の世界観が出すぎなくらい出ていて楽しかった。
    主人公の妄想オンパレード、ズレた登場人物たち、珍妙な展開。タイトルも、そこから取るんかい!という唐突さ。
    意外性とかいうレベルでなく、とにかくへんです。笑
    でもへんなのに愛おしくて、登場人物にあまり感情移入しない、キャラ小説を好まない自分が最後にシェリルと別れるのが惜しいと思ってしまったほど。
    翻訳も安定の岸本佐知子さんで、良かった。
    ずっとこのコンビでいてほしい!

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    2018年11月12日
  • いちばんここに似合う人

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    ずっとじわじわと感じていたのは恐怖だった。
    今わたしは主人公たちの孤独を想像出来ないほど子供でもなく、人生楽しいから大丈夫!と笑い飛ばせるほど「将来」の近くにもいない。
    大人になっていくということが、今の孤独をより深めていくことだとしたら?
    そんな恐怖で、読むペースはいつもより遅かったように思う(純粋に表現が好きで読み込んでいたこともある)。


    読み終わった今、どんな話か一言で、と言われたら
    「泣き疲れて眠るような」と答えたい。
    救いはないとしても、明日が来て何が変わる訳でもないとしても、今夜はとりあえず、おやすみ。
    そんな小説だと思った。

    朝寝坊して、致命的ではないけど初歩的で鈍臭いミ

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    2023年04月18日
  • いちばんここに似合う人

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    ネタバレ

    面白かったです。人生に行き詰っている人が主人公。
    性的描写が多かったですね。エロティックではなく
    他にどうしようもなくそこに行きついてしまったような
    エンディングのお話たちでした。

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    2017年06月18日
  • いちばんここに似合う人

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    ちょっと奇妙な日常を舞台にした16編の短編集。
    人はあまりに長く孤独でいるとおかしなことをしてしまう。トンチンカンな挙動をしたり、そうでなければ思いに捕らわれて固まってしまったり。そんな日々の些細なことを連ねて物語の骨格ができている。個々の出来事はたいしたことではないけれど、反応としての行動から、本人にも無自覚に心の動きが語られていく。どんなふうに物語をまとめ上げているのか不思議に思える作家の技。ああ、あるあるこういうこと……と共感するところ大なのだけれど、いかに孤独すぎる人の挙動を熟知しているかがバレるので、人に読んだ読んだと言うのは恥ずかしかったりする。
    しかし、孤独な人は絶望の淵に沈んで

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    2016年08月17日
  • いちばんここに似合う人

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     設定や状況がへんてこで奇妙な短編集。人の嫌なところが辛辣に書かれていたりしてぞくっとすることもあったけど、作品全体に漂うどうしようもない孤独感に、とても切なくなった。だけど切ないだけではなく、文章に滑稽さやユーモアがあったので楽しく読める。この作品が作者の初めての小説集らしいのだけど、次作以降も読みたい。特に印象に残ったのは、「何も必要としない何か」「妹」。

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    2015年12月02日