井上久男のレビュー一覧
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元朝日新聞記者であるジャーナリストさんがみた電機・自動車大手メーカのルポと、今後の提言です。
取り上げているメーカは、パナソニック、シャープ、日産、トヨタなどです。
特に電機産業の凋落の内情を、経営者の資質や人間関係の視点で捉えており、かなり実情が理解できました。著者に感謝。
著者と同様、経営者はそれなりの経営学の素養を身につけていないと、務まらないのかなと感じました。
製造業の大半は、経営陣には技術者出身者が多いかと思います。
我が社の場合、最近は理系と文系のたすきがけで社長が変わってます。そして、理系社長はイケイケドンドンの拡大路線で、文系社長は組織を整えたり経費引き締めを図ったりといった -
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自分用キーワード
有田焼・輪島塗の衰退 匠の蔵プロジェクト 意味的価値 パナソニック・ショック 「天皇」中村邦夫 山下芳生共産党議員(エコポイントの意味は) ハイアール(パナソニックの洗濯機・冷蔵庫部門を買収) ドメイン経営による本社への権力集中 広告主の力 Commercial Paper コンサルティング会社への丸投げ(シャープ) 日産のリバイバル・プラン クロス・ファンクショナル・チーム ポスコ盗用問題 日本人のなかにも情報提供者がいる IAT(中国の自動車ベンチャー企業) トヨタ「一日三回手を洗いなさい」 GMを助けるためのバッシングか ジェームズ=C=コリンズ「企業凋落5段階説」 ア -
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そもそも日産てのはこんな会社だったのかって感じ。
権力闘争に明け暮れて、外資導入せずにいられず。
やって来たのは短期業績回復請負のコストカッター。
それでV字回復したのは良いけど、要は、カンフル剤を栄養剤と間違えた。
長期安定経営は無理だった。
んで、本人が、名誉は金で買うものだという信念のお方だった。そこの仏政権の思惑とか色々絡んで来てるわけだが。
おんぶ抱っこで来たくせに、クーデターは良いが、自分たちで出来もせず、国家権力に頼った。
そんな図式ですか。
この後楽器ケースで海外逃亡したおじさんの話はまだないわけだけど、つまり、そんな道化の果てに日本が失うものは国益なのか、あるいは、「正 -
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昨日も新しい弁護団の組成のことがニュースになっていて、どんな裁判になるんだろう?と全く見えない中で開いた新書です。朝日新聞で日産を長年担当してきた記者ならではのインサイドストーリー。失われた20年の中でカリスマとなった経営者カルロス・ゴーンの功罪を時期に別けて生々しく描いていきます。倒産するかもしれない日産の再建に力を発揮した最初と、カリスマ化した後、私欲に落ちていく過程を別々に評価しているのが、なるほど…でした。人って100%正しい、とか100%間違っているとか言えない、という当たり前の定理を感じました。また、彼の暴走を追従、黙認した西川社長を始めとする現・経営陣に対する断罪もなされています
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・日本は一人当たりの生産性が、主要先進七カ国の中で1994年以来20年連続で最下位。仕事への誇りと責任感、仲間への信頼感、会社への愛着の喪失に起因する労働意欲の低下
・寄らば大樹的発想では、「座して死を待つ」に等しいい時代が近づきつつある
・少し抽象的な学問を学ぶと頭の整理に役立つ。社会学や歴史学、心理学など
・転身を他人に相談していると「覚悟」が揺らぐ。人生を豊かなものにしていくことは自助努力によってしかできない
・お役所以上に官僚的な組織は多い。「上層部の圧力やそれを忖度する雰囲気」「過剰なほどのコンプライアンス対応」「経費の大幅カット」などによって活力が失われつつある
・コンプライアンス -
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昨今、自動車業界は最大の転換期を迎えているといわれています。エンジンからモーターへの駆動系の変化、ネットへの接続、自動運転への移行などの変化が一気に進もうとしています。
これら一連の技術の簡単なおさらいと、これらの変化によって主なメーカーはどのような問題を抱えているのか等について解説しています。本書で取り上げられているメーカーはトヨタ、VW、日産、ホンダ、マツダです。中でもマツダの部分は非常に興味深い内容でした。
一時期は経営難に陥ったマツダが最近は非常に好調です。この復活の裏には設計手法の大転換があり、それは他の日本メーカーの追随を許さないレベルで運用されている事実があります。これら設計手法 -
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著者自身、40歳にして「朝日新聞」という安定した地位を投げ打ち独立した身であり、単に転職や起業を勧めているのではなく、組織力を失っても独立独歩で激変の時代を乗り切れるか、そうした覚悟や専門性の「幅」の修得を勧めている。その自信を持てば勤め人だろうが自営業だろうが逆説的だが肩の力を抜き随分楽になるのではなかろうか。
肝心の内容は汎用性ある技術ではなく筆者の体験談であり、事例もエリートのセカンドキャリアのショーケースといった趣で、なかなか参考にするには難しいかもしれない。しかし40歳という年齢は遅きに失する前のターニングポイントなのだなと感じさせられる。 -
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元朝日新聞記者である著者がしるした、トヨタ、トヨタ自動車の教育体制、人事評価制度、そして働いている人の有様などが綴られている。
少し前のほんのなるので、創業家の豊田章男氏が社長になるかもしれないと書かれているだけで、どうなるかはわからないと書かれてあるが、かなりトヨタをよく書いている本であると思われる。
とはいえ、冷静にみてみると、これだけ大きな企業でありながら、派手さがなく、物作りに実直であると言うことは、見直されるべき企業価値がトヨタにはある。
何よりも響いたのは、トヨタインスティチュートなる大学などの教育システムではなく、関連企業が火事に見舞われ、ほぼシェア100%を握って