神門善久のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
挑発的なタイトル。日本の農業は、言われているほど安全でも安心でもないし、逆に言われているほど絶望的でもない。問題は、正しくない根拠に基づく楽観論、正しくない情報に基づく悲観論、その両方だという。
農業には、他の産業と同じように、マニュアルに従って作業だけしていればよい側面(やり方)と、状況に合わせて職人芸で対応していく側面(やり方)があり、後者が致命的に損なわれつつあるという。
うむ。確かにその警鐘の鐘の音は耳に届いた。
工芸や町工場の分野で職人の技が称賛をあびることはある。
同様に、農業にも職人的な技がある、というのは言われるまで気が付かなかった。
ただし、内容というよりは口調のせいで非常に聞きにくい。
具体的に指摘できないのがもどかしいが、隣接分野で言うと、田中淳夫氏の森林に関する書籍は同じように現在の日本の林業の問題を糾弾していても読みやすかった。
農業の衰退の原因の一つを「見る目のない消費者、舌のおかしい消費者のせいだ」というような時には、話す側に「言うこと」と「聞いてもらえること」の間に横たわる大きな溝を埋める努力が必要だ。
田中氏はそれを行っているが、本書の著者神門氏はそれを行っていないように感じた。