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Posted by ブクログ
2010年6月発行の本。
最近出版された、「日本の農業の真実」(2011年刊行、ちくま新書)は、どちらかといえば大学の先生が数字や諸外国の関係から書いているのに対して、本書は現場レベルの問題点を提起するところから考えていることから、トップ・ダウンではなくボトム・アップ的な思考であると思う。
1章 消えていく農地 (農地の実態や転用の数々)
2章 なぜ農地は無秩序化したか(簡単な歴史)
3章 競争メカニズムの欠如(日本の特徴と政策の数々)
4章 政権交代と日本の農政(小泉改革から民主党政権までの足どり)
5章 日本農業の理想像 (市民参加で復活させたい)
という流れで、日本の狭い国土でありながら、灌漑施設が充実しているなどの特長を生かして、生き残っている策まで提言している。
戦後の農地改革もそうだが、そろそろ大々的に策をうたないといけないようになっていると思う。
Posted by ブクログ
江戸・明治から今日に至るまでのニッポンの農政のあり方から、実際は破綻しつつあるニッポンの農業の現状に警鐘を鳴らしている本。
明治・大正時代は地主と、小作農という関係のビジネスモデルで農業は成立し、土地と切り離せないその性格から地域の協業が不可欠ゆえ、地縁が重視され、自然と相互監視・土地毎の習慣が成立した。
重工業の勃興が始まると地域と都市部の収入格差が拡大したことにより、地縁の弱体化が始まる。一方で戦争が始まると統制経済に都合のよい「農業会(≒JA)」が利用され、戦後も食料配給が必要であったことからさらに政治色の強い組織として「JA」ができあがっていく。
その後、農業の本格的な国際競争が始まると、政治力を強化した「JA」が支持基盤となっている政治家は農家への補助を行うという循環がおき始める。
結果、本質的な生産性の向上が進まず、さらには商業施設への土地売却による錬金術が成立するようになり、高齢化が進む農家は土地売却の機会を期待するという流れが生まれ、農地の不正転用などによる転売が起こり、連綿と築いた灌漑施設・地力が失われるというケースが多発している。
これに対して著者が考える対策は「平成検地」と称して土地台帳を明確化することにより、土地管理を正すこと、市民参加型農業にすることを挙げているものの、どうもイメージがわかないのが本音。
本質的にはやはり、利幅のある作物や果樹、株式会社化による集団農業などによって、「農業で儲かる」という形を生み出さないと根源的な問題は解決できないのではないかと思った。難しい。。。。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
農地の10%に及ぶ耕作放棄地、蔓延する無計画な転用…農地の荒廃が進む中、台帳の不備で実態把握すらままならない。
昨今の農業ブームに隠れて、これまでマスコミが触れてこなかった農地行政の真相を明かすとともに、歴史的な視点や市場効率の考察を踏まえ、崩壊前夜の日本農業を救うための方途をも示す。
[ 目次 ]
第1章 消えていく農地―農業ブームの陰で起きていること(いつわりの農業ブーム;農業版「消えた年金」問題;農地の無秩序化;よくある誤認)
第2章 なぜ農地は無秩序化したのか―日本農業の足取り(明治大正期―「手作り地主」による秩序維持;両大戦間期―重工業化と農村の変質;高度経済成長期―JAの発展;高度経済成長の終焉―旧システムの延命;バブル崩壊後―進行する無秩序化)
第3章 競争メカニズムの欠如―農地と農業効率の関係性(農地荒廃がもたらす害悪;競争なき農地市場;日本の農地の特徴;不健全な農業保護)
第4章 政権交代と日本農政―小泉政権以降の模索と迷走(小泉・安倍政権下での農政改革;自民党の方針転換;政権交代後の危うい農政;破滅のシナリオ)
第5章 日本農業の理想像―市民参加型の土地利用へ(「平成検地」の実行;「人から土地へ」の大転換;転用権の入札構造;農地税制の改革;離農プログラム;アジアとの共存共栄)
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