佐川恭一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
閉ざされた「進学校」という異界
「東大・京大・国立医学部以外は人にあらず」。 進学校という極めて狭い世界で醸成される「学歴狂」の価値観。本書は、その特殊な環境で洗脳された、個性あふれる登場人物たちの群像劇である。
■「学歴高野山」の狂気
著者が記す「学歴高野山」という表現が秀逸だ。 外界と隔絶されたその宗教都市では、神戸大学ですら高卒と同義に扱われる。社会に出ればそれが幻だと分かるが、渦中にいる当事者たちの苦悩や優越感は、紛れもなく本物。 私立進学男子校の出身者であれば、この歪んだ空気に覚えがあるはず。逆に、それ以外の世界で生きてきた読者の目に、この異様な生態系がどう映るのか興味深いところ。 -
Posted by ブクログ
Xで話題になったのを見たのだったのかな
ちょっと、、、、面白すぎるよ
京大生特有の文体のクドさみたいなのはあるw
私も滋賀県出身で、著者よりももっとレベル低いしょうもない自称進学校に通っていたので、めっちゃ言いたいことわかる
なんなんだろうな 関西の京大をはじめとする国公立信仰 そして進学実績重視で、1、2個上を志望校にさせられる感じ
トップ新学校で神戸大をはじめから選べる人ほんまに眩しいよね
マウント柔術師ほんんんまにワロタwwwwどこにでも1人はいる
しかしマウント柔術は僕には効かないので〜の二段構えでダーッハッハ
そうなんよな 大多数の人から何やねんこいつ…と煙たがられてる人でも、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「学歴」がいいものがすべて
〜なぜ、私たちは学歴にとらわれるのだろうか。〜
東大・京大・国公立医学部以外は「カス」「ゴミ」と呼ばれるような世界で生きていた主人公(作者本人)。
本作は主人公の学友を紹介するノンフィクションストーリー。
もともと、「東大生」や「京大生」が出てくる番組が好きだったし、自分も高学歴になりたいと憧れていた。
まぁ、成績が伴わず、それは潔く諦めたが…
「東大」のOCに行った時は、かなり興奮したのを今でも覚えているくらいですね!
めちゃくちゃキャラの濃い人が多くて、読んでいるだけで笑いが止まらない1冊。
①特に印象に残ったのは、第5章に登場した 〈努力界の巨匠〉菅 -
Posted by ブクログ
現代に現れた太宰治。
拗らせた自意識。
出口のない煩悶。
人に言えぬ苦しみ。
今どき流行らない、かと言って、いつかの時代ならポピュラーであったということもない、ひた隠しに隠したい思いを、思うさまぶちまける。
素晴らしい。
「この舞踏会から逃げ出すことはできない。出口はない。ダンスの優れた者だけが評価され、評価された者が次の世代を評価する。評価されなかった者に存在価値はない。価値はなくともダンスはやめられない。誰も認めることのないダンスを倒れるまで踊らなければならない。あなたは倒れる。向いてもいないダンスを嘲笑われ、馬鹿にされ、いいことなど一つもなかった舞踏会場の端で、血と汗にまみれて倒 -
Posted by ブクログ
くっだらない。
笑えるほどくだらない。
久しぶりにしょーもなくて笑えた。
多分多くの男性は、物心ついてしばらく童貞で、程度の差こそあれ、拗らせていて。
でも、そうでなくなったら、そんなことはほとんど忘れて毎日過ごしているものだと思うけど。
いい年して、しっかりそこをほじくり返す筆者の力には刮目した。
学歴もそう。
高校名や現役、浪人、多浪生。
アホみたいにこだわって、撫で回す登場人物は、アホだが、可愛い。
忘れた顔してるけど、割と多くの人は、過去こだわった時期があって、どっか甘酸っぱい思いを味わえるのではないか。
社会人になってからの階級はあんまり笑えないしね。
素晴らしい。 -
Posted by ブクログ
⚫︎本概要より転載
【目次】
第1章 〈田舎の神童〉の作り方
第2章 「こんなんもう手の運動やん」とつぶやいた〈天才〉濱慎平
第3章 〈東大文一原理主義者〉内山とスーパー学歴タイム
第4章 〈伝説の英語教師〉宮坂の恐怖政治
第5章 〈努力界の巨匠〉菅井が教えてくれたもの
第6章 ノートにappleと延々書き続ける〈大物受験生〉永森
第7章 京大生のヌルすぎる就職活動
第8章 佐川恭一以来の神童と呼ばれる〈後継者〉国崎くん
第9章 〈二浪のアニオタ〉柴原が深淵をつづった詩集
第10章 〈数学ブンブン丸〉片平のあまりに危険な戦法
第11章 神戸大学志望を貫いた〈足るを知る男〉本田
第12章 「二十