佐川恭一のレビュー一覧
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受験に飲み込まれた筆者の青春時代を振り返り、その中で出会った個性的な人物達を軸にして、当時の筆者の価値観と生活を綴ったエッセイ集。
◾️ 「こんなんもう手の運動やん」とつぶやいた〈天才〉濱慎平
◾️ 〈数学ブンブン丸〉片平のあまりに危険な戦法
◾️マウント柔術の使い手〈非リア王〉遠藤
など、目次があまりに面白そうで手に取った。実際、個性的な登場人物のエピソードと筆者の語り口が期待を裏切らない面白さだった。
一部の人達にとっての受験とは、狭い世界と決まったルールの中で、戦略、能力、努力、環境の全てを乗じて競っていくゲームなのだなと、ある種の爽やかさを感じながら理解できた。
私は受験でここ -
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ネタバレ『愛の様式』は家事にも育児にも協力的な夫であるわたしのちょっとした反乱の話です。
わたしは妻と二歳の娘の三人暮らしです。人並み以上に家事をやっているつもりなのに、妻にはやり方が悪いと罵倒され、ひどい時にはやり直しをさせられます。
妻の暴言は日常茶飯事でそれについては特に何も思わないが、家事をやるたびにやらなかった場合より厳しく当たられるのはかなりこたえるというわたし。
そんなわたしは友人の島田が彼女である里奈ちゃんと結婚すると知り心配します。島田には愛人がいるからです。しかも島田はそれを悪いと思っていないし、里奈のことも束縛しないと言います。わたしは島田が席を外した時に里奈ちゃんにそのこと -
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私の一番好きな作家である佐川恭一氏。
前作が意味不明で今作に対しては期待値爆上がりだったが就活がテーマの作品か…
と、あまり興味のバロメータは上がらず。
序盤、読み進めるのが億劫になるような、ありがちな展開。しかも佐川恭一節に切れ味が感じられない。物語も突拍子もなく、現実離れした内容に若干、辟易。どこかでみたようなモチーフにうんざりしてくるが、何か読ませる作者の思想や主張で乗り越える。AKBのディスカッションのくだりは面白い。その後、これカイジやん!ってとこもある。今作、いかんせん不完全燃焼は否めない。これ本当に佐川恭一が書いたの?と思ってしまう程、らしさがない。
ただ、ただですよ。結構な分量 -
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社会、組織というものへの違和感。
その中の個の振る舞いの不可解さ。
自らを振り返っても、そこに確固たる何かは見つからない。
そうした、「生きづらさ」みたいなものを、劇画調にした「就活」を舞台に開陳した本。
「舞踏会」と似た作品。
(僕は舞踏会が好き)
選考に漏れると死ぬ、という設定があまりにも極端で、そこで冷めてしまうのが、イマイチな点。
「MARCH」カードゲームのコンセプトは面白かった。
昨今Jが凋落気味と聞いて心を痛めていたのだが、ジョーカー的に扱ってもらっていたし、作品中のJのみんなも中々よかった。やっぱ女の子だったけど。
「指定校推薦でHに負ける」は意味不明だけど、ある友人が「