佐川恭一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレここまでぶっ飛んでる小説読んだことない!
そう思います。
主人公院等寺がポジティブすぎる。
側からみたらかなりやばい絶望的な状況なのに、本人は全く気にせず。
バカと天才は紙一重を体現してる人だ…と思ってしまいました。
しかし間宮は間宮でキャラが濃い。
キャラクターの大渋滞なのに、話がぽんぽん進んでいってリズム感の良さにも驚きました。
こんなに濃いのに読んでいて疲弊しないことってあるんだ……。
さて院等寺はノンフィクション大賞に応募したのか?その結果を最後のページで知り、思わずにやりとしてしまいました。
感想書くのが難しいけれど面白かったです! -
Posted by ブクログ
最高レベルの男子進学校って、こんな感じかというのがよくわかる本。
勉強って、地頭はともかく、努力すれば成績が上がるわかりやすい世界であり、かつ、世の中もそれを全肯定するので著者のようにのめり込むのもよくわかる。
そして、進学校というのは、狭い世界の中でそれを更に強化し、目標しか頭に無くさせる雰囲気を作っていることがよくわかる。
灘や開成は教え方が上手いからでなく、生徒の地頭の良さと彼ら自身が競い合うので成績が良くなるという話だが、この本を読むとその通りだろう。
東大京大医学部以外は大学じゃないというのは学校と自己の洗脳だろうが、人生のパフォーマンスでみれば早慶や旧帝大とそれほど違うのかどうか。
東大入学だけを目指して入学後に燃え尽きるよりも、受験のエネルギー消費をほどほどにして大学や社会人でやることを楽しんだ方が良さそうな気がする。
この話は受験だけでなく、甲子園を目指す野球でもオリンピックを目指すアスリートでも、M1ヲ目指すお笑いでも同じことだろう。
これしかないと思って打ち込むのもいいが、ある程度視野を持つことも大切だということじゃないかと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『愛の様式』は家事にも育児にも協力的な夫であるわたしのちょっとした反乱の話です。
わたしは妻と二歳の娘の三人暮らしです。人並み以上に家事をやっているつもりなのに、妻にはやり方が悪いと罵倒され、ひどい時にはやり直しをさせられます。
妻の暴言は日常茶飯事でそれについては特に何も思わないが、家事をやるたびにやらなかった場合より厳しく当たられるのはかなりこたえるというわたし。
そんなわたしは友人の島田が彼女である里奈ちゃんと結婚すると知り心配します。島田には愛人がいるからです。しかも島田はそれを悪いと思っていないし、里奈のことも束縛しないと言います。わたしは島田が席を外した時に里奈ちゃんにそのことを言おうとしますが、里奈ちゃんは「全部知っているから」と言うのです。
その日の夜、十時までには帰るという妻との約束を破り、島田達と別れた後、風俗に行くわたし。
でもお目当ての子が居なかったので結局自宅に帰りますが、ドアにU字ロックがかけられ中に入れません。妻に閉め出されてしまったのです。
実家に電話をしても母親から「お前が全て悪い」と言われ、行くところがないわたしは妻への反発もあり、ネットカフェでしばらく暮らすことにしたのでした。
一人称で語られているので、しばらく読んでいるとこの読み方で合っているのか不安になりました。もしかしたらわたしの妄想?
わたしの評価はわたしの主観からしか読み手には分かりませんが、家を買い、妻が仕事を減らすことが出来るのだから、まるっきり仕事ができない人ということはないだろうと思いました。
印象に残ったのは、家族の在り様に悩んだわたしが同じように家族を養ってきた自分の父親に電話をし、聞いた父親の本音の一部です。
❝ おれはな、人生というのは一つでも、一瞬でも幸福を体験できればそれで成功だと思っている、一瞬の幸福以外のすべてが苦痛と不幸に塗りつぶされたような人生だったとしても、たった一つの幸福でその人生はあったほうがよかったものになると考えているんだ。❞
わたしは家族の元へ帰ることができるのでしょうか。
〖冷たい丘〗は少々ゾッとする話でした。
主人公のぼくは「永遠」という言葉を聞くとおそろしくて身震いしてしまいます。
クラスメイトの伊藤くんは異常なほど死を怖がります。
ぼくのクラスでは「帰りの会」で善いことをした生徒を発表する決まりになっていて、名前を言われた生徒は赤いシールをもらえ、それがたまると賞状やトロフィーがもらえることになっていました。
ある時、帰りの会で不本意な形で名前をよばれたぼくは日頃思っていたことを言ってしまうのでした…。
ぼくと伊藤くんの関係、「帰りの会」での善行発表の是非、そしてぼくが選んだ結末、と考えたいことが盛り沢山の短編でした。
表題作の『舞踏会』はエッセイのように感じられました。
公園を一周する『ひだまりの森』、よくある好みの女性をめぐっての『友情』等、著者のユーモアが効いた話も読んでいて楽しいと思いました。
最初に本をパラパラと捲った時に改行が少なくて読み難いのではと危惧したのですが、思いの外、引き込まれました。著者の術中にはまってしまったのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
私の一番好きな作家である佐川恭一氏。
前作が意味不明で今作に対しては期待値爆上がりだったが就活がテーマの作品か…
と、あまり興味のバロメータは上がらず。
序盤、読み進めるのが億劫になるような、ありがちな展開。しかも佐川恭一節に切れ味が感じられない。物語も突拍子もなく、現実離れした内容に若干、辟易。どこかでみたようなモチーフにうんざりしてくるが、何か読ませる作者の思想や主張で乗り越える。AKBのディスカッションのくだりは面白い。その後、これカイジやん!ってとこもある。今作、いかんせん不完全燃焼は否めない。これ本当に佐川恭一が書いたの?と思ってしまう程、らしさがない。
ただ、ただですよ。結構な分量だがサラッと読ませてしまう力量と猿でもわかる哲学というか、小難しくなく、わかりやすいところに本作の良さがあります。結論、今作は作者の新しい一面を見せて頂き、また次作への期待値増し増しになった作品として
非常に良かったとしておきたい。
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Posted by ブクログ
社会、組織というものへの違和感。
その中の個の振る舞いの不可解さ。
自らを振り返っても、そこに確固たる何かは見つからない。
そうした、「生きづらさ」みたいなものを、劇画調にした「就活」を舞台に開陳した本。
「舞踏会」と似た作品。
(僕は舞踏会が好き)
選考に漏れると死ぬ、という設定があまりにも極端で、そこで冷めてしまうのが、イマイチな点。
「MARCH」カードゲームのコンセプトは面白かった。
昨今Jが凋落気味と聞いて心を痛めていたのだが、ジョーカー的に扱ってもらっていたし、作品中のJのみんなも中々よかった。やっぱ女の子だったけど。
「指定校推薦でHに負ける」は意味不明だけど、ある友人が「指定校推薦のみんなのおかげで定員が実質的に減っているから、結果して一般入試の我々は賢そうな顔ができる」と言っていたことを思い出した。彼からは学ぶことが多く、今でもときに様々な発言を思い出すことがある。
しかし。
考えてみれば…
MARCHカードゲームにJも加えられている。
と、みれば…
残念としか言いようがないのかもしれない。