中世風ファンタジー、ヒロインが虐げられている系のやつです。お話としては、ユノがベリスター家から勘当されて侍女として働くところから、ディルクと再会して、魔具部屋に置いてあった人形リリーの暴走を鎮めて、持ち主と思われるカフド公爵家に向かうところまでです。
感想としては、ヒーローのディルクが最悪で、ヒロ
...続きを読むインのユノが終始ただただかわいそうなだけでした。続きを読もうとは思いませんでした。
ユノは実家で虐げられてきて、勘当された後は侍女として 3 年半働いていて、そこでディルクと再会します。この手のストーリーはよくあるもので、読者としては、虐げられてきたヒロインをヒーローが手を差し伸べて救い上げる展開を期待して読むかと思います。ところが、この作品は違いました。ディルクは、再会したユノと親しげに話すわりにずいぶんと素っ気ない態度だし、知ってか知らずかユノの実家の話題をずけずけと振ってくるし、かと思えばユノを気にかけている風な思わせぶりな態度も取る。そのせいでユノは、実家から離れられて平穏な生活を送れていたのに、ディルクによって心乱されて、この巻を通してユノはずっと悲しそうで落ち込んでいるような感じでした。これではあまりにもユノがかわいそう過ぎます。こんなことなら、ディルクと再会しないほうが辛い思いもせずに平穏に暮らしていけたはずです。
近しいジャンルの作品をいろいろ読んできましたが、ここまで中途半端な態度の最悪なヒーローは初めてでした。これなら女を侍らせるクズ男ヒーローとかのほうが余程マシです。