遙々アルクのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
衝撃的なお話でした
ARUKU先生名義の「嫌い、嫌い、愛してる」を読んですっかり沼にハマり、猿食喰山は凄いとレビューにあったので辿り着きました。
絵柄は人を選ぶかと思いますが、2話くらいからそんなこと気にしてる場合じゃなくなってしまいました。嘘の中に本当が混じる過去の話、現在の話、犯罪者と被害者とお互いにわかっていても恋に落ちてゆく不安感と多幸感。本当に構成が巧みでこの世界にどっぷりでした。
随所に出てくるカチカチ山の話はこのストーリーの象徴ですよね。
ウサギを騙す狸にも事情があったかもしれない、ウサギが狸を愛して許してしまうかもしれない。
感動的なラストシーンは火傷を負った狸にウサギが愛を告げるシーンだと思い -
Posted by ブクログ
「明日屋商い繁盛」を読んでタダモノではないと、いたく感銘を受けてしまった作者さん。
究極の愛、真摯な愛を描かせたら、天下一品です。他の作品も読みたくなりました。
独特な絵柄なので敬遠されがちな気がします…現に読まず嫌いでした。まさか、こんなに深い世界観を描かれている方とは知らず…
何でもとりあえず読んでみるって姿勢は大切ですね。すごいめぐりあいがその中に潜んでいるかもです。
星グループの若き総帥である星義彦×彼の屋敷に入り込んできた謎の庭師の鷺坂貢。
主人公二人のネーミングがいいです。
生まれや育ちの違いがあっても、二人が抱えているのは大きな寂寥感。屋敷の庭がその心の象徴です。
冷たい風が吹 -
Posted by ブクログ
この物語は、外見の美しさがあればこそ、というお話ではなくて、外見の美しさにさえ気付いていないほどに三日月くんが孤独な青年であること。そんな彼が、自分の領域にずかずかと入り込んできた村山に恋焦がれられることによって、他者の存在を意識せざるを得なくなる、と言うお話だ。他者も三日月くんの存在に気を留めていないが、同時に三日月くん自身も他者を個別認識せずに、いっしょくたに「煩わしい存在」として片付けてしまっている。孤独を認識している人間のおごりがここにある。おごりはあるのだが、そのおごった孤独者をそれごと引っ張りあげて欲しい、と思うわけで、村山のアプローチは正にそれである。
色々しんどい時に、主人公の -
Posted by ブクログ
全てを持っているようで、実は人に決められた人生に縛られているだけ、おカネはあっても愛は持たない、ってステレオタイプ的にお金持ちを表現するものは多々あれど、お金持ちを羨まないと言ったらそれは嘘になるだろう。愛が無くてもおカネがあればなんとかなるかも、と、持たない庶民は夢想しがちだ。おカネ有るんだから孤独くらい我慢しなさいよ、とも思う。そうやって、その通りに生きる人もいるだろう。
以前ツイッターのフォロワーさんと、この作品をハッピーエンドと思うか、思わないかでBLに何を求めているかが分かれる、と言う話をした事がある。切ないけども、あれがハッピーエンドと言わずなんと言ったらいいだろう、と私は思ってい -
Posted by ブクログ
アルク先生の初単行本です。近所の本屋にはなくて・・・。どうしても読みたくて遠くの本屋まで行きました。
表題作は可愛い・・・けどどこかぞくぞくする場面もあるお話でした。
零話が好きです。
私的に一番気に入ったのは雑巾姫です。
アルク先生の受けさんが涙を堪えている表情は、なんだかとても見ていて切なくなります。可愛くて愛おしくなります。
あと、ワンシーンワンシーンごとに映画のカットを見ているようでとても素敵です。本当に一コマ毎にドラマやキャラクターの心理が伺えるようで、すごいいいなあと思います。アルク先生のこだわりを感じます。
これでアルク先生の既刊は全部コンプリートしてしまったので、すごくもだも