溝口彰子のレビュー一覧

  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    私はシスジェンダー女性で異性愛者である。
    商業もののBL作品も好きだし、二次創作におけるBL作品も好きだ。
    だから自分の好きなものがどう生まれ、どう変化して今日の私の手元に届いたのかが知りたかった。

    正直、世の中に蔓延る家父長制、ミソジニー、ホモフォビア、女性蔑視に疲れ果てている。
    それらがBLの...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    【公正で普遍的BL論】
    質の高い文化論を読みたい人におすすめの一冊。

    BLを知らない人にもわかるように書かれ、読めばBLのことが一通りわかる。作中の例示作品は商業オリジナルが主だが、二次創作もこの論を適用できる。

    何より卑屈さはなく、愛情を込めてBLを語る本。
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    アインシュタインの有名な「常識とは18歳までに身につけた偏見のことをいう」という言葉を、何度も読書中に思い出しました。
    ある時代では「普通」だったものが、数世紀経ってあるいは数十年だって「普通」ではなくなることがあると知っているはずなのに、いつのまにか、昔からあるものはすべてこれからもあるはずだと思...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    長年BLを学術研究してきた著者による本。

    当初は女性たちが安全な場所で性愛の物語を楽しむだけだったのが、ゲイの目線を意識し始めたことで、女性も含めてあらゆるマイノリティに優しい物語へと進化している!という話です(雑に要約すれば)。感動的。

    自分たちのつくるものが誰かを傷つけているかもしれないと自...続きを読む
  • ユリイカ 2014年12月号 特集=百合文化の現在
    たかが「ゆり」されど「ゆり」。奥が深いな~。面白いな~。これまで知ることのなかった「ゆり」小説の数々を知ることが出来た。
  • 愛だけが見えなくて

    強いヒロインがいい

    モデルのヒロインとギリシャ人実業家のヒーロー
    パリで活躍のモデルのヒロインはシッカリした女性。
    ヒーローは結婚はギリシャ人と思っている、HQの典型的ギリシャ人。
    ある日妊娠に気が付いたヒロインがヒーローに打ち明けるが、ヒーローは結婚が決まったと、別れる。この物語の最大の酷い山場。ヒーローのヒロ...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    インターネット上ではたびたび「BLはゲイ差別ではないか」という批判が起こり、その度にBL愛好家たちは「どうすればBLが差別ではなくゲイフレンドリーな社会づくりに与することができるか」を考え、応えようとしてきた。本書にも詳しく書かれている"やおい論争"は1992年のできごとだが、この論争は2000年代...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    BLを好む理由について一度でも考えたことのある人はこの本を読むべき!!

    BLって、ジェンダーフリーな社会のパイオニアなんじゃないかな?!って。
  • ユリイカ 2014年12月号 特集=百合文化の現在
    百合について、時に文学史的に、時にクィア理論的に、或いはもっと娯楽的に、と様々な観点から語られる。本文も数多のポップカルチャーを絡めて書かれており、百合入門(?)のためのメディアガイドもついていたため、気楽に読めた。百合とされるアニメについて理論的に分析した文も多いので、考察厨も楽しめると思う。
    ...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
     私自身は、小説や漫画を読んでも掛け算は起きないが、BLも読む位のレベル。
     ずーっと疑問に思っていた「なぜ男同士じゃないといけないのか」ということの一つの答えがここにあるように思う。

     性的ファンタジーとしてのBL。しかし、実際のゲイに対して女性は気遣いを持つという。女性らの夢物語でゲイの性を弄...続きを読む
  • ユリイカ 2014年12月号 特集=百合文化の現在
     今日、女性同士の親密な絆を示す言葉として「百合」というキーワードがある程度の市民権を得ている。
     また、いわゆるLGBTの事柄についても、良かれ悪かれ話題になりつつある。

     しかしながら、否、だからこそ、改めて百合とは何なのか?ということを、あるいは、文芸作品が人と人との絆(もちろん、そこには百...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    ''なぜ自分はBLが好きなのか。''

    考察好きなBL愛好家たちはたぶん誰でも自分に対し問いかけるであろう、この命題。
    私も折に触れ考えるので、その解を求めて手に取った。

    本書の著者はレズビアンでBL愛好家。
    どうやらレズビアンのBL愛好家は珍しくないらしい。BLはセクシュアリティの問題と不可分だ...続きを読む
  • BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす
    いくつかのやおい論は読んだことがあります。しかし、どれも釈然としなかった。そこに論じられていることは、確かにただしいかもしれないが、私の実感からは遠く、もう一歩踏み込んで欲しいと思うことばかりであった。その点この本は、やおい論に一石を投じ、新たな理論を切り開いている感がある。特にジェンダー規範、家父...続きを読む