デイヴィッドベニオフのレビュー一覧

  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ネタバレ

    歴史が苦手な私が第一次世界大戦から第二次世界大戦の背景をちょっぴり齧った状態で読むのにちょうど良い具合の本でした。

    ストーリー自体に複雑な点はないからです。司令を受けて、道行く先で色んな体験をする。ラストもきっちり収まります。

    そのシンプルな展開の中に順番に陳列されているかのようなエピソードたちが、戦争の残忍さ、愚かさ、理不尽さを伝えています。

    それが全編とおして生活感や肌感覚を用いた表現で描かれている点が重要だったと思います。
    戦争中に軍の司令を受けたところから始まる話とはいえ、主人公が戦闘経験がほぼゼロの思春期の少年なので、人種やイデオロギーの話も出てくるけどほとんど下ネタとか生活の

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    2021年05月10日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ロシアとドイツの戦時下の人々がどのような暮らしを送っていたかについて、初めて目の当たりにした。しかしシリアスな時代背景ながら、主人公レフと、コーリャが交わす会話から滲み出るユーモアや、戦時下においても人としての尊厳を保つ姿に感銘を受けた。

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    2020年04月06日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    明日には飢餓で死ぬか爆撃で死ぬか。ドイツ軍に包囲されたレニングラードで言い渡された処刑を免れるたったひとつの命令は、1ダースの卵を調達すること。
    かくして二人の青年が卵調達隊として飢えに喘ぐ戦時のロシアを彷徨うことになる。

    当然行き合う出来事は悲惨なものばかりなのに、妙に軽快な雰囲気は卵の捜索というちぐはぐな設定のせいか、下ネタにまみれた凸凹コンビの会話のせいか。
    戦争という特別な状況でも、何も特別でない人達が必死に、そして普通に生きている。そんな事を思わせる二人だから、戦争と卵と読者という奇妙なピースを繋いで読み手の深い所にまで届けてくれる。

    クソが出ただけで笑ったのは某金塊漫画以来だけ

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    2020年01月28日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ネタバレ

    他のレビューにもあるとおり、起きていることの悲惨さを跳ね返す道中掛け合いの明るさが、読者に希望を失わせず読み進めさせる原動力になっていると感じた。だからこそコーリャと卵をめぐる結末には切なさ、味気なさ、歯がゆさを感じた(いい意味で)。
    あとがきで気づいたが、ノンフィクションのような形をとりながらフィクションであることにも驚いた。まあ確かにドイツ軍と対峙する場面やヴィカとの再会(アメリカ的!!)は事実っぽくはなかったな。

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    2020年01月24日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している
    作家のデイヴィッドは、祖父レフの戦時中の体験を取材していた。ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた十七歳のレフは、軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された。
    饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索を始めることになるが、飢餓のさなか、一体どこに卵が?
    逆境に抗って逞しく生きる若者たちの友情と冒険を描く、傑作長篇
    (あらすじより)

    かなり重厚な読み応え
    気合入れて読むタイプの本です!

    帯を書いた人はこの本を読んだか疑わしい。
    胸キュン要素より戦争の悲惨さ要素のほうが多いぞ。

    共産党政権下のソ連で略奪で逮捕と脱走

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    2019年08月07日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

    nao

    購入済み

    面白かったです。
    そんなに下ネタばかり話さなくてもいいかなと途中でうんざりしましたが。
    金髪でハンサム、おしゃべりな方を絶対違うとは思いながら、「ダンケルク」のジャック・ロウデンに脳内変換してずっと読んでいました。

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    2018年07月17日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    二人の少年が卵を探す話
    タイトルだけで古い本かと勘違いしてました。
    卵を探す道中で起こる出来事一つ一つが
    印象的なのと、下ネタと悲惨な環境の組み合わせ
    奇妙な感覚で読み進めたけど、
    キャラクター達も面白くて
    読ませる。

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    2017年08月11日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    あっけらかんとしつつ、とてもしんみりする。突飛な話に見えて、レニングラードはこんなものだったんだろうと納得できるようでもある。

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    2018年10月14日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    ネタバレ

    「心配するな、友よ。きみを死なせはしない」
    まだ十七だった。愚かだった。だから彼を信じた。

    ナチス包囲下のレニングラード。ドイツ兵の死体からナイフを盗んで捕まったレフは、脱走兵コーリャとともに大佐の娘のために卵の調達を命じられる。
    美形で饒舌なコーリャと、神経質なレフのコンビが面白いものの、あまりにも下ネタが多すぎるのと、17歳主人公の一人称が“わし”なのが気になる。パルチザンと行動を共にしてドイツ兵に捕まる展開はわくわくしたし、卵も無事手に入れたけど、コーリャとの別れがあっさりしていて残念。もう会えないと思っていたヴィカと再会し、冒頭に出てくるパワフルな祖母だとわかるラストはとても良い。

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    2023年10月14日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    祖父の戦時中の体験を取材し回想として語られる。
    第二次世界大戦の戦時下。
    ナチス包囲下のレニングラードに暮らしていた17歳の頃の祖父。

    ことの発端はある日、撃墜されたドイツ爆撃機から落下傘で脱出したドイツ兵が落ちてくるのを発見する。
    しかし、ドイツ兵は既に死んでいた。
    そのドイツ兵が身に付けているものを漁っているとソ連軍に捕まる。

    秘密警察の大佐に呼び出されると、翌週に控えた娘の結婚式で作るウェディングケーキを作るために卵が足りないという。

    飢餓が続く状況下で卵を探す旅が始まると。

    戦時中の狂った地獄の描写が実に惨たらしいが、陰鬱さよりも淡々とした印象が強い。
    戦争の愚かさが行間か

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    2023年04月02日
  • 卵をめぐる祖父の戦争

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    お祖父ちゃんの物語。17歳、ドイツ軍によるレニングラード包囲戦のさなか、脱走兵として捕まっていた男とともに、1週間の卵探しの旅。祖母に出会い、親友ができ、ドイツ人をふたり殺した週。

    戦時下、統制下にある一般市民にとっての厳しい状況。短期間の特定個人的状況を克明に描くことで、見えてくるもの。

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    2019年12月18日