若林恵のレビュー一覧

  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    民主主義、と言っても政治に限定せず、世の中をどうやって私たちが主権を持って動かしていくのか、がわかりやすく伝わってくる。
    AIやSNSなどのコミュニティなど、現代ならではのツールにもふれながら、自分で「やってみた」が大事で、トライアンドエラーという実験を通して学び続けるプロセスの重要性を認識した。
    実験から新たな問いが出て来て次へ次へと進んでいく、それ自体を楽しむこと、それが実験哲学であり、それが民主主義につながるのだと気付かされ、私たち一人ひとりでも今すぐにできる社会参加の形態なのだと感じた。

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    2024年09月21日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    ★目次
    はじめに 第1章 「平等化」の趨勢
    トクヴィルのアメリカ旅行/銃、印刷、郵便/「未来はすでにここにある」/民主化/平等化の良い面と悪い面/アメリカ自治組織/マルクスの階級闘争/想像力の変容/デカルト的になる/小説→映画→ゲーム/個人主義の孤独

    第2章 ポストマンと結社
    親愛なる郵便局員/郵便≒インターネット/「集権」と「分権」/福沢諭吉の構想/プラットフォームとしての政府/アメリカで内戦が起きるとすれば/アソシエーションという身分保証/フランスと結社/陰謀論者/アソシエーションは軍事化する

    第3章 行政府を民主化する
    選挙というバイアス/ロックの「三権分立」/中国の科挙、一七世紀の

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    2024年06月22日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    とても面白かった。タイトルに民主主義が入っているから政治的なことがメインかと思いきや、ビジネスや社会参加、生産者と消費者の関係性まで、幅広い議論が行われている。知識や技術の「民主化」により、平等化が進むが、それは必ずしも平和や安定を意味せず、むしろ細かい違いに注目がいき、差別や偏見を生むことになる。同時に、それまでの権威に対する信頼失墜に繋がり、社会が不安定化する。これに変わる信頼がファンダムに集まっている。いわゆる「推し」であり、確かに一定のお作法、共通の価値観、奉仕や貢献の意識など、コミュニティを維持する要素が詰まっている。現代社会を理解するのに非常に参考になる一冊。

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    2024年04月21日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    戦後の日本では職業を通じて経済活動をしていれば立派な社会の一員だった。民主主義とは何か、面白い一冊だった。

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    2024年03月20日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    トクヴィルが見たアメリカは「民主主義の実験場」。

    「平等化」を促したものとして、プロテスタンティズム、銃、印刷、郵便というものを挙げている。

    それまでの教育は過去から伝わる「規範」を身につけるものだったが、平等化の趨勢は、「自分で考える」ことを促していくのではないか?

    「政治的集権化(政権)」は必要
    「行政的集権(治権)」は不要

    平等化によって孤独が起きる。なぜなら平等化が進むとちょっとした違いが気になってしまうから。
    互いに平等なはずなのに残る不平等について、人々はより過敏に反応することになる。

    「編集者は最初の読者だ」
    アマチュアであることのプロであることが求められる

    DXとは

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    2024年02月20日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    GDPR とインターネットの関係を俯瞰的に見た一冊。

    テクニカルな法規制としてのGDPR は見ていたけど、そのバックグラウンドや影響はあまり考えていなかった自分にとって、大変参考になる本だった。

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    2019年12月04日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    民主主義の立法権だけではなく執行権(行政権)への着目、新たなアソシエーションとしてのファンダムの可能性への対話。
    行政権のアップデートは萌芽を感じる。
    ファンダムは試みとして興味深いが、ポピュリズム以外の着地が浮かばない。

    第1章 「平等化」の趨勢
    ・平等化をめぐる想像力。かつてと比べて「違い」は相対化されたが、むしろその小さな違いに敏感になる。平等化の趨勢は不可逆。
    ・道具の民主化と民主主義化は別物
    ・個人主義の不安

    第2章 ポストマンと結社
    ・政治的集権と行政的集権を区別する
    ・「自由を援け合う術」としての結社(アソシエーション)。デモクラシーを相対化する。
    ・宗教(所属する教会など)

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    2024年03月23日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    こういった、ものの根本を再検討する著作は読みごたえがあります。
    民主主義のこれからの在り方がファンダムに見いだせるのではないかというあたり、挑戦的ですが納得するものがあります。ただ、一度ですべて理解できるような内容ではなく、高度な内容をたくさん含んでいました。

    別に問題ではありませんが、本書はインタビュー形式のような体裁をとっているところ、実際には対談のようです。

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    2023年11月18日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    ネタバレ

    EUがGDPRの導入によってGAFAなどのインターネットプラットフォーム企業への対抗を目指す動機や、その実現に向けた道筋(著者の期待含む)を描いている。

    著者はGDPR立法に向けた動向を知ってからベルリンに在住しているため、立法の立役者であるSPD(ドイツ社会民主党)の果たした役割や東ドイツ時代のシュタージュによる市民監視を踏まえた市民のデータ監視への拒否感といった歴史的背景、またEU議会などが進めている各種取組の説明が詳しく、理解が深まりやすい。

    読者として興味がわいたのは、鉄道や電力がそうであったように、インターネットプラットフォーム企業による特定分野ビジネスの自然独占が公共化されたり

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    2021年11月13日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    EUとEEA域外への個人データ(個人のプライバシーを特定するデータ、という意味ではなく、GoogleやFACEBOOKを利用する際に、摂取されているすべてのデータ)の持ち出しを禁ずるGDPRという法は、無料アプリの使用と引き換えに、GoogleやFACEBOOKといった一部の企業が独占的に所有している現状はおかしくないだろうか、という問題提起から、個人データは個人が取り戻すべきであるという精神に基づいて生まれた。個人データを個人が所有管理し、所有者の意志において自由に削除、あるいは他社への提供を可能にする、という考え方こそが、現状のIT巨人の個人に対する不当な監視のような歪んだ関係をリセットし

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    2020年05月12日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    GDPRって鬱陶しい法律だ!と思っていたけど個人を守ろうしてくれるもの、長期的に安全なインターネット社会を再形成するものだと理解!

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    2019年05月06日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    GDPR制定の背景、EUの“大義”を日本人が書いた珍しい本。賛美が過ぎる感もあるが、GDPRの理解に役立つ良書。

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    2019年02月03日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    『実験の民主主義』とは、自由の国として建国されたアメリカ合衆国を、19世紀のフランス思想家トクヴィルが指した言葉である。王政からの革命によって混乱期にあったヨーロッパから見て、理想的な分散型主権国家を築きつつあった合衆国は眩しく見えたに違いない。

    この19世紀の理想的な民主主義国家が、21世紀には強烈なポピュリズムと分断に見舞われていることを私たちは知っている。メディアの発展やデジタル化は、情報の非対称性を解消するとともに社会階層の平等化に寄与したと考えられてきた。ところが実際は偏った情報によるイデオロギー極化や、小さな価値観や立場の差異による分断差別が起こっている。

    この古くて新しい課題

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    2023年12月30日
  • 実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

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    2023年の現在、改めて民主主義とは何かを問い直す。
    対話形式になっているのが面白いのだが、聞き手である若林さんの煽りに対して、アカデミアに住む宇野さんの冷静さが際立っていて興味深い。
    興味関心や言葉の使い方の異なるお二人の創発がもっと見られたら素晴らしいと思った。残念ながら意見や主張がそれぞれ個人の単位でまとまってしまい、ある種の噛み合わなさを感じた。

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    2023年11月22日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    GDPR general data protection regulation
    っていうEUとか出した個人情報に関するやつと、GAFAとかの情報戦争みたいな感じ。

    あとで、もっと必要になったときに読み返そう。

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    2019年09月08日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    インターネットの未来はオーウェルの描いたような恐怖による支配ではなく、ハクスリーのすばらしい新世界で描いたような甘い誘惑による無意識な支配になる。というかもう既になってるよなぁと感じた。

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    2019年06月17日
  • さよなら、インターネット―――GDPRはネットとデータをどう変えるのか

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    インターネットは価値をもたらしてくれた。
    一方でプライバシーを収集して、それをAIやアドテクなどのビジネスに利用していることに消費者は気付いているのだろうか?
    EUが開始した「一般データ保護規則」(General Data Protection Regulation:GDPR)の対策について触れる。
    1.企業は、個人データの削除要求への対応が必須
    2.個人は、データ処理方法情報を持ち、利用可能
    3.個人は、データハッキングのタイミングを知ることが可能
    4.企業は、サービス設計時にプライバシー保護についても設計が必要

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    2019年06月07日