中北浩爾のレビュー一覧

  • 自民党―「一強」の実像

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    中北浩爾『自民党 「一強」の実像」』(中公新書、2017年4月)税別880円

    一橋大学大学院社会学研究科教授の中北浩爾(1968-)による55年体制以降の自民党論。

    【構成】
    第1章 派閥 弱体化する「党中党」
     1 衰退への道のり
     2 派閥とは何だったのか
     3 失われた機能
     4 残存する役割と上意下達機関化
    第2章 総裁選挙とポスト配分 総裁権力の増大
     1 脱派閥かする総裁選出プロセス
     2 揺らぐ人事慣行
     3 ポストはどう配分されるのか
     4 強まる総裁の権力
    第3章 政策決定プロセス 事前審査制と官邸主導
     1 事前審査制とは何か
     2 小泉政権という危機
     3 安倍政権の

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    2017年05月06日
  • 自民党政治の変容

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     「右派」対「リベラル」の勢力争いを、「総裁選挙」「小選挙区制」を視点にして分析する。
     日本型多元主義の頃は、今から思えばやはり幸せな時代だったと感じる。単一的でしかも硬直化・幼児化した政党が、選挙でだけ強いというのは、やはり国のあり方として不幸だと感じる。
     最近の大臣・代議士の立場をわきまえない行動の連鎖を見ていると、つくづくそう思う。
     戦後の大半を政権党の立場として過ごしたのだから、現代日本の抱えるほとんどの問題点を自らが招いたという自己認識を持ってもらわないと。


     

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    2015年03月07日
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

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    某情報番組で、自公政権を例に「連立政権の強み」が紹介されていたのをきっかけに、この本を手に取った。番組では自公政権だけでなく、一般的な連立政権の仕組みやそれとの相違点にも触れられており、その点が興味を引いた。 本書で特に印象的だったのは、自公連立が単に政策を妥協してまとめているのではなく、むしろ両党の政策距離をうまく活かしているという視点だ。相違をあえて残すことで、有権者に幅広い選択肢を提示できることが、長期的に政権を安定させる理由の一つになっているという分析は新鮮だった。 選挙協力に関しては、他の書籍でも触れられている内容と重なる部分が多い。しかし、自民党が農村部・地方都市に、公明党が都

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    2025年09月11日
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

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    タイトルは『自公政権』となっているけど、途中までは連立政権について。ここが専門的すぎて、中学生の私には本物の意味不。途中から自公の協力がなぜ続いているのかを論じている。

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    2025年06月12日
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年

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    一貫して「革命」を目指しつつも大きく変化した日本共産党の100年の歴史を追い、国際比較と現状分析を交え、同党の全貌を描く。
    日本共産党の歴史が詳細かつ実証的に分析されており、日本共産党を理解するに当たって必読の書だといえる。
    日本共産党が時代ごとに大きく方針等を変えてきたということ、特に1955年以降、民族民主革命論に基づく平和革命路線と自主独立路線などを内容とする宮本路線が定着したということがよく理解できた。
    一部で言われているいまだに武力革命を目指しているとか、天皇制や自衛隊を完全否定しているというような日本共産党批判が的を射ていないということもよくわかった。
    一方で、いつの時代も、民主集

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    2024年02月12日
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年

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    昨年結党から100年を迎えた日本共産党100年の歴史。日本共産党に関しては立花隆『日本共産党の研究』(1978)が有名、かつ面白いことは言うまでもない。しかし、本書も負けず劣らず読み応えがあって面白かった。何よりも1980年代以降の分析が加わっている(アフガン侵攻、天安門事件、ソ連崩壊など)ので国際情勢が大きく変化していった1980年代以降、日本共産党が変わった部分、変わらない部分、両方含めてそのスタンスがよくわかる。

    著者は1968年生まれなので、自分より7つ年下だが大学に入った頃にキャンパスには「民青」の方たちが大勢いたのを目の当たりにしているなどという経験は共有している。本書には書かれ

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    2023年08月25日
  • 日本共産党 「革命」を夢見た100年

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    日本共産党100年の歴史を書いた本である。最近の最後の方はあまり頭に入ってこないが、戦前あるいは戦後及び学生運動の前後については非常にわかりやすく書かれているので、日本共産党についての卒論では必携となるであろう。

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    2022年12月08日
  • 自民党政治の変容

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    自民党の成立から第二次安倍政権誕生までを追った内容で、その時その時のキーパーソンが何を狙ってどう動いたかが記されている。
    読み応えあり。終章が全体の要約のようになっている。

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    2022年07月17日
  • 自民党―「一強」の実像

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    自民党の歴史と勢力図を理解するための「派閥」、近年の総裁および幹事長ポストの権力増大を理解するための「総選挙とポスト配分」、支持の源泉がどこにあるかを見るための「友好団体」「地方組織と個人後援会」といった具合に、複眼的に自民党の正体に迫ろうとしている。〈現在の自民党は、政治改革への対応を経て、民主党に対抗するなかで形作られてきたといってよい〉という結論にいたる道筋は、本書のなかでおおむね裏打ちされていると思う。野党勢力が民主党政権「失敗」の痛手から立ち直りきらず、低い投票率が続いているなか、相対的に多い固定票を持つうえに公明党と選挙協力ができる自民党が有利に国政選挙を戦っているという分析も、う

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    2021年08月21日
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

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    著者の非常に丁寧な取材や文献調査などによって、自公両党の議員が、緊密なコミュニケーションをすることで、互いに模索、協力し、今に至る連立政権を構築していることがよく分かりました。また、野党側が同様な体制を構築できるかは、共産党によっているというのが、印象的でした。

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    2021年05月22日
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

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    主に、平成の政治史を連立というキーワードで分析した書籍だと思った。政治学による分析で客観的に考察し、平成の政治の変遷を経過も踏まえて書かれている。

    とても勉強になった。学校の授業で教えてもらったような、歴史の流れや因果を意識していて、何故そういう出来事が起きるのか、とても分かりやすかった。

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    2021年02月03日
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

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     本書の著者は『自民党政治の変容』(NHKブックス)や『自民党』(中公新書)で、1970年代以降、幾度も危機がありながらその都度蘇り、大半の期間で政権政党の座を維持している自民党の「強さ」の構造的要因を実証的に明らかにしたが、本書では前著の課題として残されていた「公明党との連立の持続性」の原因を追求している。

     明らかになったのは、小選挙区比例代表並立制に適応的な「高度」で相補的な選挙協力と、連立政権の緊密な意思決定システムである。自公政権分析の前提として、過去の連立政権(非自民八派政権、自社さ政権、自自公政権、民国社政権)の意思決定機構の変容を明らかにしているが、1990年代以降の政権がほ

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    2019年12月28日
  • 自民党―「一強」の実像

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    ネタバレ

    綿密なデータに基づいて分析されている。
    自民党総裁が長続きするようになった背景には、総裁選挙への一般党員の投票を重要視した事にもある。

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    2019年12月18日
  • 自公政権とは何か ──「連立」にみる強さの正体

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    自公政権はなぜ安定しているのか、その理由について、データおよび歴史を活用して、丁寧に解説してある。

    結局のところ、綿密に練られた政策調整プロセスと選挙協力、そしてお互いの政党の特性を補完し合うことによって、ここまで安定した政権が作られている。(もちろん、選挙協力に関しては、地域の事情もあり、完璧とは言えない部分もある。)

    野党はここから学ぶべきであるし、もはや選挙制度を変えないとどうにもならない状況まで追い詰められている。

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    2019年07月21日
  • 自民党―「一強」の実像

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    結論は穏当ながら説得力に富んでいる。
    友好団体の章の経団連と宗教団体、そして、地方組織と後援会の章は知らないことが多く、興味深い。

    #整理
    ・中選挙区制度は派閥を必要としたが、金権体質を産み、小選挙区制度が求められ、首相の権限の強化と相まって、派閥の弱体化に繋がった。
    ・選挙においては、1.無党派層獲得のための強い党首、2.固定票としての自公連携

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    2019年06月06日
  • 自民党―「一強」の実像

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    現在、圧倒的な強さを示している自民党について、その組織がどのように動いているのかという点から理解できるように書かれています。歴史的な成り立ちについても書かれていますが、それよりも、いまの戦い方(直近の戦い方)に重点が置かれていると思います。派閥とは何なのか。派閥政治からの脱却がもたらしたものは何か。そこから最近の自民党の強さと、脆さを知ることができます。これからの日本政治を知るために。一党独裁になるにしても、二大政党制になるにしても。この自民党という戦後政治を作ってきた存在を学ぶことは避けられないと感じました。

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    2019年02月23日
  • 自民党―「一強」の実像

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    平成31年現在、一強状態にあるとされる自民党について、党の文書や機関紙・一般紙の記述や数量的なデータ、そして関係者へのインタビューなどを駆使し、派閥、総裁選挙とポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会、理念といった多様な視覚から、包括的に分析、その実像に迫ろうと試みている。
    本書では、1980年代半ばを55年体制下の自民党の完成期と位置づけ、それとの対比で現在の自民党を捉えており、衆議院での小選挙区比例代表並立制の導入をはじめとした1990年代の一連の政治改革及び民主党の台頭を要因として、自民党は組織や理念の点で大きな変貌を遂げたと分析している。自民党の強みであっ

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    2019年02月02日
  • 自民党―「一強」の実像

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    ①1994年の政治改革②民主党への政権交代 が今の自民党を形成していく上で大きなインパクトを与えたというのが印象的。特に①に関して、今まで自分は「ふーん、小選挙区比例代表並立制にこの時に変わったのね」というくらいの認識だったが、自民党・派閥に対して大きな変化だったことを知る。

    政治学ちゃんとやるべきだった…真面目に勉強しよう…

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    2018年03月23日
  • 自民党―「一強」の実像

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    この本を読んで思ったのは、安倍ちゃんが卑怯で弱虫なのが奇跡的に功を奏して選挙に勝ち続けているということ。しかも、利益誘導型の政治を行うために組織化されていない国民を低賃金で働かせ、増税して、年金の原資などの財産にまで手を付けている。そりゃあ緊急事態条項が必要になる日が来るわ。もちろん海外からの攻撃ではなくて、大規模なデモや市民運動に対してなんだから。国民はそうなって初めて自らの政治問題として事態を受け止めることになるのか。あるいは、北朝鮮のように闇市を立てて生き延びるかだろう。

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    2018年08月24日
  • 自民党―「一強」の実像

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    最近の自民党はごたごたしていますが、その強さの秘密がわかったような気がしました。一方、派閥政治から官邸主導への転換は必然とはいえ、それによって、自民党にはいろいろな意見を持った政治家がいる、それが強みという見方も過去のものになりつつある。
    全く知らない世界ですが、面白かったです。

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    2017年08月18日