増谷文雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仏教とは何ぞやという問いを著者の歩みと共に解説していく。
キリスト教と原始仏教の大きな違いは、キリスト教では「人はイエスが助けるもの」であるが、仏教では「仏は先を行く友であり助かる道を教えてくれるだけで、人を助けるのはその人自身に他ならない」ということなのかなと思った。
全体を通して読んでみると、仏教とは宗教というよりも思想だという気もする。
だが、本書にもあるように二者択一を迫るという点で宗教なのだろう。
様々な立場を内包することで矛盾は生じてしまうが、宗教においては真実であることよりも信じられる(直感的にあり得そうと思える)ことが重要だと思うので、仏教は有用な宗教だと思った。
もち -
Posted by ブクログ
増谷文雄の最古仏典抄訳シリーズの最終巻。これまでのより長めの文章が収められている。
どうもこの「阿含経典」を読んでいるだけでも、ブッダの言葉(とされている言葉)にはたまに相矛盾する発言があるような気がするのだが、どうなんだろう。
「大いなる死」は、ブッダ最後の旅を描く長編。中でも「捨命」の章が印象的だった。自分は「いまより三ヶ月のちには、般涅槃する(死ぬ)だろう」と予言し、そのときブッダは「生きる意志を捨てた」と書いてある。死への決意。もちろん自殺ではなく病死するのだが。
するとその瞬間、大地におおきな地震が起きる。どうやら如来が生誕したり、悟ったり、生への意志を捨てたり、実際に死んだりしたと -
Posted by ブクログ
キリスト教はいくら枝分かれしていっても、基本的には「聖書」に帰って行く点で常に同一性を維持している。しかし仏教は本当に不思議な世界宗教であり、どこに本体があるのかよくわからない。念仏さえすれば救われるなんて仏陀はいいやしなかったし、鎌倉時代等に出てきた「日本の仏教」は、原始仏教とは完全に別の宗教だと言っていい。
それでも「始原」を好む私は、幾つかのアンソロジーや解説書で原始仏教に触れてきたのだが、この本はより内容の多い原初の経典である。
当時のインドで普遍的であった修行主義的な考え方が、やはりブッダにも見られるし、古代インド哲学らしい観念が飛び交う。
色(しき。身体)
受(じゅ。感覚) -
Posted by ブクログ
角川ソフィアが出た頃に買ったはずの本なので、1996年には買っていたと思う。
それから、半分ぐらいは読んだのだけれど以後読まずで今まで18年間放置されていた本。本棚の奥まったところに移動せず、常に手前にあったことから「読む気だけはあった」と思う。
今回初めて最初から最後まで軽く流す。
今までは冒頭の地理のところで「参った!」状態の白旗。例えるのなら新約聖書の冒頭の家系図で頭が痛くなるような物か?
そこを突破してしまえば釈迦の語った仏教の基礎的な教えがしっかりと書いてある良書だと思う。今回はさらっと通り過ぎたが、この後天台、真言と読み進めまた読み返すと思う。
それにしても、釈迦