増谷文雄のレビュー一覧

  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>

    匿名

    購入済み

    『仏教の思想』というタイトルのとおり、形式主義的な儀式としての仏教ではなく、思想としての仏教を見つめるシリーズの第1巻。日本は明治以降思想的に西洋の影響を強く受けてきて、宗教といえばキリスト教のイメージが定着してしまった感がある。だが日本はその始まりの時から仏教を受容し深く長い仏教の伝統がある。近代文献学の成果も取り入れながら仏教の深遠な思想と、現代の様々な問題への活用を語る本書は、より広く読まれるべきだろう。
    それにしてもやっぱり私はブッダが好きだなぁ。

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    2024年10月12日
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>

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    最高に面白かった

    因果律であるところの「縁」を説く釈迦が
    なぜ「無常」や「無我」などの因果を否定する
    ようなことを話すのか………

    その理解がとても深まった

    後編でとても心に残るのは
    ヤスパースが仏教学者に質問するシーン

    オリエンタリズムがあるのは
    むしろ西洋に憧れた東洋人にこそ
    根強いのではないかと思わされる

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    2020年10月12日
  • 阿含経典1

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    こういうものは反復することに意味がある。ひとくち含んでは咀嚼し味わい、しばらく窓の外に目をやったりして、またふと紙面に目を落としては単純な説法に聞きいればいい。定期的に何度でも読みたい。

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    2015年08月26日
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>

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    ネタバレ

    角川の仏教の思想シリーズ、ブッダの偉大なる知恵と慈悲の思想をギリシア哲学やキリスト教思想と対比しつつその現代的意義を探る。    -20101202

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    2022年10月21日
  • 新しい仏教のこころ わたしの仏教概論

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    仏教とは何ぞやという問いを著者の歩みと共に解説していく。

    キリスト教と原始仏教の大きな違いは、キリスト教では「人はイエスが助けるもの」であるが、仏教では「仏は先を行く友であり助かる道を教えてくれるだけで、人を助けるのはその人自身に他ならない」ということなのかなと思った。

    全体を通して読んでみると、仏教とは宗教というよりも思想だという気もする。
    だが、本書にもあるように二者択一を迫るという点で宗教なのだろう。

    様々な立場を内包することで矛盾は生じてしまうが、宗教においては真実であることよりも信じられる(直感的にあり得そうと思える)ことが重要だと思うので、仏教は有用な宗教だと思った。

    もち

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    2013年08月08日
  • 阿含経典3

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    増谷文雄の最古仏典抄訳シリーズの最終巻。これまでのより長めの文章が収められている。
    どうもこの「阿含経典」を読んでいるだけでも、ブッダの言葉(とされている言葉)にはたまに相矛盾する発言があるような気がするのだが、どうなんだろう。
    「大いなる死」は、ブッダ最後の旅を描く長編。中でも「捨命」の章が印象的だった。自分は「いまより三ヶ月のちには、般涅槃する(死ぬ)だろう」と予言し、そのときブッダは「生きる意志を捨てた」と書いてある。死への決意。もちろん自殺ではなく病死するのだが。
    するとその瞬間、大地におおきな地震が起きる。どうやら如来が生誕したり、悟ったり、生への意志を捨てたり、実際に死んだりしたと

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    2012年10月27日
  • 阿含経典1

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    キリスト教はいくら枝分かれしていっても、基本的には「聖書」に帰って行く点で常に同一性を維持している。しかし仏教は本当に不思議な世界宗教であり、どこに本体があるのかよくわからない。念仏さえすれば救われるなんて仏陀はいいやしなかったし、鎌倉時代等に出てきた「日本の仏教」は、原始仏教とは完全に別の宗教だと言っていい。
     それでも「始原」を好む私は、幾つかのアンソロジーや解説書で原始仏教に触れてきたのだが、この本はより内容の多い原初の経典である。
     当時のインドで普遍的であった修行主義的な考え方が、やはりブッダにも見られるし、古代インド哲学らしい観念が飛び交う。
     色(しき。身体)
     受(じゅ。感覚)

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    2012年09月19日
  • 仏教の思想 1 知恵と慈悲<ブッダ>

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     角川ソフィアが出た頃に買ったはずの本なので、1996年には買っていたと思う。
     それから、半分ぐらいは読んだのだけれど以後読まずで今まで18年間放置されていた本。本棚の奥まったところに移動せず、常に手前にあったことから「読む気だけはあった」と思う。

     今回初めて最初から最後まで軽く流す。
     今までは冒頭の地理のところで「参った!」状態の白旗。例えるのなら新約聖書の冒頭の家系図で頭が痛くなるような物か?
     そこを突破してしまえば釈迦の語った仏教の基礎的な教えがしっかりと書いてある良書だと思う。今回はさらっと通り過ぎたが、この後天台、真言と読み進めまた読み返すと思う。


     それにしても、釈迦

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    2012年06月24日
  • 仏教の思想 10 絶望と歓喜<親鸞>

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    日本で最も知られ愛される仏教者と言っても過言でない親鸞。
    その教えは単純で信念と念仏ということになるだろうか。
    この本では単に親鸞の思想を抽出するのではなく、その思想と生涯とが
    不可分だと考え、思想家や学者ではなく、修行者や仏教を生きる者と
    しての親鸞を追っている。

    頭でっかちの私にとっては最も遠いとも思える親鸞だが、実際生きて
    会っていれば最も影響を受ける仏教者だったのかも知れない、などと
    思いつつ。

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    2013年02月24日