こちらも上巻からの続きで重い、ぐっと重かったです。
何故、男女が結ばれたら赤ちゃんが出来て当然なのか。
同性同士には絶対無理だとされている愛の結晶、赤ちゃんの存在が
重いです。
男女間であっても今は不妊に悩む夫婦はかなり多いし、実態は殺伐としていて悲惨だと思います。男同士でなくても、得られない物はあ
...続きを読むるんです。
好きな人の子が欲しい、遺伝子を残したい、それに執着するあまりの異常さに付いていけませんでした。
歪んだ愛情から実の弟に自分と弟から培養した受精卵を着床させる外科医の黒崎。
安藤の後輩で優秀な外科医である黒崎結城は弟和己を騙して妊娠させ、やがて精神に異常をきたしていく。
一方、女性として圭介に愛され北海道で診療所を営む彰は幸せな暮らしを送っていた筈だったのに、そこでもまた妊娠という禁忌に手を出してしまう。
人のどん欲さに吐き気すら覚えました。
受け入れる物は受け入れてあるがままで生きる事がどれだけ大切か、虚偽にまみれても結局最後には失うんだな、と胸が痛かった。
最後は素に戻れて圭介の愛に包まれてよかったけれど。
足るを知る、この事が真理です。