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Posted by ブクログ
まさに狂気の坩堝と化している重くて痛い下巻。
これを読んで、何も感じない人はいないのではないかと思います。いい意味でも悪い意味でも衝撃的です。
自分を受胎させようとしている黒崎の愛が信じられなくなる和巳。都合のいい実験台だと思い込み、失望しますが、結局黒崎の切実な思いに気づき立ち直ります。肝心の黒崎は精神を病むことに。
彰や黒崎の不幸は、約束された形がなければ愛情を信じることができない弱さにあるような気がします。愛の証とか、愛の結晶的なものがあれば、安堵し寂しくなくなると思い込んでいます。
で、たどり着いた答えが妊娠です。
種を守り繋いでいくことを考えれば、確かに男同士の愛は不毛だとバッサリ切られそう。その危惧が彰や黒崎を追い立てます。進歩した医学の力でどうにかしようという足掻きが切なくて胸に沁みます。彰の場合は、圭介や彼の両親に対しての罪悪感なんだろうな。世間体とか、跡継ぎとか。それは異性間でもありがちな苦悩です。
しかも痛い事件と圭介の母親の来訪が重なり、彰の精神は限界に。
圭介という男を愛してしまったゆえの悲劇ですが、最終的に彰は彼を純粋に愛することで、完全に自分のものにすることができたんじゃないかと思います。
女でなくても、受胎できなくても、愛の本質とはゆるぎない互いの情にこそあるのだと、教えてくれる深い物語です。
Posted by ブクログ
こちらも上巻からの続きで重い、ぐっと重かったです。
何故、男女が結ばれたら赤ちゃんが出来て当然なのか。
同性同士には絶対無理だとされている愛の結晶、赤ちゃんの存在が
重いです。
男女間であっても今は不妊に悩む夫婦はかなり多いし、実態は殺伐としていて悲惨だと思います。男同士でなくても、得られない物はあるんです。
好きな人の子が欲しい、遺伝子を残したい、それに執着するあまりの異常さに付いていけませんでした。
歪んだ愛情から実の弟に自分と弟から培養した受精卵を着床させる外科医の黒崎。
安藤の後輩で優秀な外科医である黒崎結城は弟和己を騙して妊娠させ、やがて精神に異常をきたしていく。
一方、女性として圭介に愛され北海道で診療所を営む彰は幸せな暮らしを送っていた筈だったのに、そこでもまた妊娠という禁忌に手を出してしまう。
人のどん欲さに吐き気すら覚えました。
受け入れる物は受け入れてあるがままで生きる事がどれだけ大切か、虚偽にまみれても結局最後には失うんだな、と胸が痛かった。
最後は素に戻れて圭介の愛に包まれてよかったけれど。
足るを知る、この事が真理です。
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