沼口麻子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サメなんて、ほぼ興味がなかったのに、タイトルと、表紙イラストに惹かれて思わず手に取ってしまった。
冒頭で「人食いザメへの誤解」を述べておきつつ、やはりサメを至近距離で観察する時は細心の注意が必要で、それはサメの生態を知り尽くしていないと危険である。(1ヶ月何も食べていないサメに出会ってしまった時、成長過程によって凶暴になる時期があるなど。)
映画「ジョーズ」が、ホオジロザメが凶暴で人を襲うというイメージを植え付けてしまったが、それは誤解だという。
(本当に恐ろしいのは、サメよりもシャチ)
サメに関する一問一答から始まる構成は、まずサメのことを知ってほしいといという著者の思いが、読み手の好奇心を -
Posted by ブクログ
サメをこよなく愛する自称シャークジャーナリストの著者のサメレポート。
サメに長靴を噛まれると悦び、サメ肉を美味しく食べ、珍しいサメが水揚げされたと聞けば日本中飛び回る。
人々のシャーキビイリティ(鮫に対する知識や熱い気持ちという意味の造語だそうな)を高めるために今日も世界を回る…というサメラブ本。
本の内容は、サメの生態系、サメと人との関わってきた歴史(築地では昔サメの水揚げが盛んだったとか)、サメの美味しい食べ方とレシピ、サメに発信器を付けてみた話、サメをこよなく愛する研究者たち…などなど。
イラストや写真も多いため、読んでも理解できない(生物としてかけ離れていて想像できない)ことが分かりや -
Posted by ブクログ
★★★★★ 『バッタを倒しに~』に続き生き物シリーズ。知らない世界でどっぷりのめり込んでいる人の話は面白い。「オタク」の世界? 「ホホジロザメ:『ジョーズ』は冤罪です」を読むと不憫に思う。「相手を知ることで距離が縮まる」はコミュニケーション論でよく見る気がするけれど、本書でもサメについて知識が増えたおかげで親近感が湧いてきた。サメ=sharkで、「jaws」は顎(jaw)の複数形だとか、サメには卵生の種と胎生の種がいるとか、サメよりシャチのほうが強いとか、メカブにそっくりなネコザメの卵殻とか、有性生殖から単性生殖へ転換する例があるとか、深海ザメの長寿記録が約400歳だとか(江戸時代初期生まれ!
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Posted by ブクログ
サメの出産について知ってからというもの、サメが気になって仕方なくなり、いろいろ読んだ。これもその一つ。
やっぱり、わからないことが多いのだということがわかった。大きさがそもそも20センチ(ツラナガコビトザメ)から17m(ジンベエザメ)と幅がある上、生息域も様々、種類も多い。サメは卵を産むものもいるが、変な形で(ネコザメのドリル型、ナヌカザメの人魚の財布)中に入っている卵は少なく、孵化するのにも時間がかかる。母胎内で子ザメが生まれて、ある程度成長してから出産するものの中には、卵黄を栄養とするのはまだ想像の範囲だが、胎内で母が産んだ未受精卵をエサとして食べる、ミルクのような分泌物を飲む、胎盤から臍