北綾子のレビュー一覧
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ジェス・ロウリー『怪物の森 未解決事件捜査官ヴァン・リード』新潮文庫。
女流作家によるシリーズ第1作。
『ファーム』という名のカルト的小集団で育てられた過去を持ち、事件の手掛りを悪夢という形で知る特殊能力を持つミネソタ州犯罪捜査局BCAの未解決事件捜査官エヴァンジェリーン・リードと辣腕科学捜査官ハリー・スタインベック、ヴァンが指導したカイルの3人がチームを組み、長らく未解決となっていた42年前の3人の少女失踪事件に挑む。
トラウマになるような過酷な過去を経験し、超常的な特殊能力を持つ未解決事件捜査官エヴァンジェリーン・リードが、実はスウィートティー殺人事件で3人の男性を殺害した犯人であっ -
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『森から来た少年』は、奇想天外なアイディアで生まれた、いかにもコーベンらしい奇作であった。森に棲んでいた非文明的少年ワイルドは、40代にさしかかっている。彼は超奇妙な私立探偵存在として現代文明の中に沸き起こる現代的事件を解決に導いてゆく。解決できていないのが彼の正体。彼はなぜ独り森で育つことになったのかという謎。
またワイルドとダブル主人公的に活躍するのが、何作ものシリーズや単発作をまたいで登場する女性弁護士ヘスター・クリムスティーンである。そう。このシリーズは続編である本書と併せてワイルドの出生の秘密に迫るのが本書なのである。なので『森の中の少年』を読んだ人はこれを読まなくては完結しな -
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ネタバレ2025年の45冊目は、ジェス・ロウリーの「怪物の森 未解決事件捜査官ヴァン・リード」です。
2024年のエドガー賞最優秀ペーパーバック部門ノミネート作品です。こちらも新潮社さんからの出版です。今年は、本当に良い本を出版してくれています。
主人公は、ミネソタ州犯罪捜査局BCAの未解決事件捜査官ヴァン・リードと同じくBCAの科学捜査官ハリー・スタインベックの2人です。
40年前に起きた少女失踪事件“盗まれた少女たち”の当事者の1人アンバー・カインドが、今になって生き埋め死体となって発見されます。しかも直前まで生きていた事が明らかになります。彼女は、40年間、どこにいたのか?何故、今になって殺害さ -
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ネタバレアメリカ在住の作家エミコ・ジーンの本邦初紹介作品。
2年前に行方不明となったエリーが、ある日不意に林道で発見される。ただ、誘拐される前と全く異なる雰囲気に、周囲は不安を覚える。
一方、無理心中で姉を奪われた過去を持つ刑事チェルシーは、何も話そうとしないエリーの秘密に迫ろうとし。。。
淡々と暗く多視点で描かれる作品。エリーのパートもあるが、誘拐される直前からその後を辿るものとなり、これが結構辛い。
少しずつ違和感が積もりつつ読み進めると、後半、ガラッと展開が変わる。この意外性と、さらに最後が非常に衝撃的。不意をつかれた。
ボリュームもそこまでなく、辛くはあるもののスッと入っていける読み応え。 -
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ネタバレ下巻はパニック中心なのでそこまで飽きない。誰が死ぬのか予想がつかないのも良い。キャラがバラけているので各地の様子がわかる。
吸血鬼の母親と息子良かったな。血を飲むと血色がよくなるのか。ずっと幼い子供のままというのもきついな。
みんながみんな言葉が喋れる吸血鬼になるのではなく、大半はゾンビのようになる、というのが面白い。
最後、完全に救助されるのではなく、海上のボートで救出されるのを待つシーンで終わる。海中には変わった人達が陸地を目指すというもの。映画みたいなラスト。
映画化したら面白そう。
残念だったのは、キャラの描写がちょっと物足りないかなってとこ。成長や変化が感じられなくてそこにカ -
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幼い頃に独り森で育った過去を持つ天才調査員ワイルド。コスタリカでの新生活を終えてアメリカに帰国した彼は、DNA鑑定サイトを使い生みの親を捜していた。亡き親友の母・豪腕弁護士ヘスターの協力を得て、父親と思われる男を捜し出したものの、母親が誰なのか、なぜ自分が森に捨てられたのかはわからないままだった。そんななかで母方の血縁者と思しき男PBからの4か月前のメールに気づいたワイルドは、彼と連絡を取ろうとする。PBはリアリティ番組のスターだったが、あることが原因で大炎上し、行方がわからなくなっていた。PBの周辺調査を進めるワイルドだが、やがて思わぬ事件に巻き込まれてしまう…。
「森から来た少年」の続編 -
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上巻では登場人物たちのエピソードがゆっくりと描かれていて、なかなか事件が起こらない。
でもそのせいで彼らに好感を持ったり、イライラしたり、より気持ちが入る。
乗客がみんなお酒とエッチのことしか考えてない人ばっかで、さすが海外のクルーズは違うぜ……と思った。
上巻の後半から惨劇が起こり始めて面白くなりますが、あれだけ丁寧に人物を描いていたのに、ラスト駆け足になって、いつの間にかあいつもこいつも死んでるじゃん……という印象。
ラストはもう少しドラマチックな戦いが欲しかったかなぁ。
でも、この人は死なないよね、と思ってた人が何人かあっさり死んでしまったのが逆に良かった。 -
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感想は上下巻あわせてのものです。
クルーズ船で吸血鬼が乗ってて仲間を増やして大変なことに、なホラー。スウェーデンのスティーヴン・キングなんて言われてる作家さんらしいです。
正直パニック感はあるものの、そんなに怖くはなかったな。なんでだろう?と考えたんだけど、たぶん吸血鬼側のモノローグ的なものが早くからずっとあるから「得体のしれないなにかに襲われてる」というような怖さがあんまりなかったからじゃないかと。ああ向こうは向こうでいろいろ考えてるんだなあ、というメタ的な視点で見れちゃう。
あと日本人からするとスウェーデンとフィンランドってあまり違いを意識したことないというかどっちがどっちかわからな