あらすじ
生き埋めにされたばかりの死体が発見された。被害者は1980年ミネソタの森で失踪した少女の一人と判明、地元に激震が走る。未解決事件捜査官のヴァンは、カルト的小集団で育った自身の心の傷を抱えつつ、辣腕科学捜査官ハリーとチームを組み事件に挑む。少女は誰に連れ去られ、なぜ今になって殺されたのか。次々アリバイが崩れる関係者たちの真実は? ジェフリー・ディーヴァー絶賛の快作。(解説・吉野仁)
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Posted by ブクログ
ジェス・ロウリー『怪物の森 未解決事件捜査官ヴァン・リード』新潮文庫。
女流作家によるシリーズ第1作。
『ファーム』という名のカルト的小集団で育てられた過去を持ち、事件の手掛りを悪夢という形で知る特殊能力を持つミネソタ州犯罪捜査局BCAの未解決事件捜査官エヴァンジェリーン・リードと辣腕科学捜査官ハリー・スタインベック、ヴァンが指導したカイルの3人がチームを組み、長らく未解決となっていた42年前の3人の少女失踪事件に挑む。
トラウマになるような過酷な過去を経験し、超常的な特殊能力を持つ未解決事件捜査官エヴァンジェリーン・リードが、実はスウィートティー殺人事件で3人の男性を殺害した犯人であったという衝撃の秘密。そして、その事件に相棒のハリー・スタインベックが固執し続けるという皮肉な事実。
設定はこれ以上無い程に見事で、ストーリーも起伏に富んでいて面白い。浮かび上がっては消えていく容疑者たち。
1980年の夏、上流家庭に育つ8歳のアンバー・カインドと同級生のルー・ラーセン、その妹で5歳のリリー・ラーセンの3人の少女がミネソタの森の中で姿を消し、3人の少女たちは『盗まれた少女たち』と呼ばれる。
その後、3人の中の1人、ルー・ラーセンだけが、灼熱のアスファルトで火傷しながら裸足で戻ってきたが、事件の記憶を一切失っていた。
そして現在。女性の生き埋め死体が発見され、その女性は発掘される直前まで生存していた上に、1980年にミネソタの森で失踪した3人の『盗まれた少女た』の1人であることが判明する。
少女たちは誰に連れ去られたのか。なぜ42年も経った今になってアンバー・カインドは生き埋めにされたのか。
次々と浮上しては泡の如く消えていく容疑者たち。まるでヴァンの奮闘を嘲笑うかのように次々と彼女の前に立ち塞がる幾つもの高い障壁。残された時間は24時間。
本体価格1,100円
★★★★★
Posted by ブクログ
結びついた現在と過去の事件の捜査を進める中で、登場人物のトラウマや秘密に触れ、暗い空気のままに物語は進む。本作に登場する少女たちの未来はどうなるのか。希望と絶望を同時に感じ、ハラハラしながら結末まで読んだ。心痛む場面が多いが、続きが気になって読まずにはいられない。他にない独特な世界感を持つ、魅力的な作品。
日本でも続編が刊行されることを心から願う。
Posted by ブクログ
読めば読む程、深い闇に囚われそうな、自分じゃない様な錯覚に陥る作品だつた。え?え?え?と思う展開が多すぎて、これは2回読まなきゃいけんヤツと納得した。こんなに登場人物が過去の深い闇を抱えているのは初めてかもしれない。多分クセになりそうな予感。次回作が待ち遠しい。
Posted by ブクログ
主人公も相棒も過去に秘密を抱えていたり、主人公が明晰夢を見るという設定が物語に面白みをプラスしている。海外ドラマ「ミディアム」が好きな人はハマるかも。
主人公が過去を思い出すシーン以外は、時系列で物語が進んでいき、章も短く区切ってあるのでとても読みやすい。日本で馴染みのない名称などは適切にカッコ書きで解説が入るのも親切。海外ミステリーをあまり読んだことがない人にもおすすめ。
本国ではシリーズ3作まで出ているとのこと。日本での刊行が楽しみだ。
Posted by ブクログ
2025年の45冊目は、ジェス・ロウリーの「怪物の森 未解決事件捜査官ヴァン・リード」です。
2024年のエドガー賞最優秀ペーパーバック部門ノミネート作品です。こちらも新潮社さんからの出版です。今年は、本当に良い本を出版してくれています。
主人公は、ミネソタ州犯罪捜査局BCAの未解決事件捜査官ヴァン・リードと同じくBCAの科学捜査官ハリー・スタインベックの2人です。
40年前に起きた少女失踪事件“盗まれた少女たち”の当事者の1人アンバー・カインドが、今になって生き埋め死体となって発見されます。しかも直前まで生きていた事が明らかになります。彼女は、40年間、どこにいたのか?何故、今になって殺害されたのか?そして、行方不明のもう1人の少女リリー・ラーセンは、どうなったのか?生きているのか?死んでしまっているのか?
かなり面白そうな展開ですが、主人公のヴァンから、かなりぶっ飛んだ告白がされます。最初は、誤訳かと思ってしまったぐらいです。
この作品は、シリーズ物の第1作目という事ですし、ハリーにも、何やら隠された過去があるようです。
次作以降の翻訳を期待しましょう。
☆4.5