デニス E テイラーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めて目にした時から読みたかった作品。
1巻の時点で、
「機械での人格のエミュレート」、「蘇り」、「自己の複製(コピー)」、「外宇宙探査」、「宇宙空間での戦闘」、「(人類以下のレベルの)知的地球外生命体」、「(人類以上のレベルの)(おそらく敵性の)知的地球外生命体」、とアイディアを出し尽くしたんじゃないかというくらいの盛りだくさんの内容で、最初から最後までダレることなく面白い。
主人公のボブには共感する部分が多く、どんな状態でも前向きで楽しんでいる様子や常に頭を使っている点は自分も同じだろうと思って、イライラすることなく読んでいられた。
明るく前向きとは言っても、目が見えない(カメラがオフライン)場面では「多くの楽しいことが出来なくなる」と落胆しており、ただ底抜けに明るいだけではない(でも絶望したりはしない)点も共感するところであった。
オーストラリアの探査機のAI人格が感覚を遮断されて狂いそうになっている点や、ボブ達は仮想空間で肉体と感覚を再構築したためにまともでいられたと振り返っているところに、元人間が人間としての記憶を残したまま機械の中で生きることの難しさを表現している。
同じく、AI - 人間間の感覚の差異として問題となりそうな人格のコピーについては、「かなり似ているけれども異なる人格になる」という上手い解決法を示している。全く同じ人物が増えていく(= 同じ方向と意思を持って勢力を拡大していく)ことを予想していた自分としては、これは以外で面白い発想だった。
本質的な部分では多くのボブ達が理解し合えるだけの相似性を持ちながら、相性の違い(イヤなやつも生まれてくる)も同時にあるのは面白い。ボブ達がコピーを作ることに余り熱心で無いことも人間くささを感じさせるとともにキャラクターの増加を抑える効果を与えている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2巻で感じたボブのゴチャゴチャ感が整理されたように感じた。
物語が収束してきて、深宇宙への探査ではなくアザーズとの決戦に話が集中してきたからだろうか。
新しい星の話はおまけ程度に挟まれているが、「メインが2〜3系統あって、時々フレーバーとして出てくる」という感じの方が把握しやすい。
3巻では人類側の主要人物、特にボブらと親しい人物が死に直面することで、人の心を持つ不死の機械と人間との境を感じさせる描写がいくつもある。
ヴァンパイアもの(他にもファンタジー)でも問題になることがあるが、人間の寿命を大きく超えて生きると、親しくなった人は必ず失うことになる。今作でもボブが感傷的になったり、人間との距離を置くような示唆があるが、その様子から(ヴァンパイアものでもあるように)やがては狂ってしまうのではないかと思えてしまう。そういう意味では、シリーズが長く続けば、不死のハズのボブの死(自壊、総会での寿命の設定)やボブが狂った場合の対処を描かなければならなくなるかもしれない。
このシリーズは、戦闘をメインとしない、冒険譚としてのSFが話の中心だと思っているので、アザーズとの決戦が緊張感はあっても容量としては比較的薄く書かれ、母星への攻撃(= アザーズ問題の解決)に至ってはハリウッド映画のような”ドーン”という終わり方(決着直前までは残りのページ数が無いので、地球防衛の成功だけで真の決着は次作へ持ち越しかと思っていたたぐらい)だが、これで良いのだと思う。
一方的な開拓では話が長く続くとダレてしまうし、友好的な超文明を出せば世界が複雑になりすぎ、それは作者の方針と違う感じがする。敵対的で高度な文明を出すのが物語に適度な締まりを持たせるには良いのだろうが、宇宙戦争を描きたいわけでもなかっただろうから長く戦わずスパッと切った感じなのだろう。
あくまで主眼は新しい技術を開発して宇宙開拓をしていく物語なのだと感じる。そう思うと、ずっと技術開発を続けてるビルは主役のひとり、作者のお気に入りなのかもしれないと思える。
解説ではボブ達の物語はまだまだ続くように言っているが、ここでキレイに終わったのと、1巻が面白さのピークだったように思っているので続編は読まないことにしようと思っている。 -
購入済み
AIの感情表現とその周辺技術
AIはもし感情を持ったらという表向きのストーリー設定とその展開もさることながら、もしシンギュラリティポイントを超えた場合どんな科学的技術がそれを支えることになるのかかなり面白い想像力が発揮されてます。そして、それはないだろうと思えない点ばかりなのが恐ろしい気持ちにもさせます。続編を読み続けたいと思うかなりの傑作だと思います。
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Posted by ブクログ
なんだか「今」と似ていないかい?
今、お互い画面の中の「画像」でコミュニテーションを取って仕事している在宅ワークの様子は、主人公の「ボブ」同士が、VR空間の中で相談してそれぞれの「課題」に対処する様子と……。
会社が望むものは睡眠も食事も不要で時間の感覚すら自由に調整できる「ボブ」。
まあ、そのとき経営者は真っ先に「人間」個体じゃないでしょうけどね。
AI(人工知能)とは違った「レプリカント」
それも記憶と思考回路のみ機械に移植することで、“AI“の限界を超える“ヒラメキ”の能力が期待され、気の遠くなるほどの期間を要する宇宙船の「船長」となる。
どの場合も成功するとは限らず「僕は人間なのか、機械なのか」悩み、発狂するレプリカントが多いとされている。
結局VRで自分のアバターを作り、かつて人間としての個体だった時の生活を再現した仮想空間でくつろぐことで、やっと不安感を取り除いた。
また、主人公ボブが自らを増産していくなかで、一つとして同じ「ボブ」が生まれないこと、そのためアバターと名前で識別することで、“人間関係?”=“社会”が生まれている。
”感情“という働きも、実は論理的に解明可能と言われ始めているが、まだまだ、脳の解明は未知の分野が多く存在する。
「六つ子のおそ松くん」ならぬ「無限体のボブくん」同士の会話は軽快で、相棒のコンピュータシステム「グッピー」すら“ボケ・ツッコミ”の才能が芽生えている。
宇宙をまたにかけた壮大な「大河ドラマ」は、できればボブの増殖「家系図」が欲しかった。
このあと続きが2冊……保留リストへ登録しておこう。 -
Posted by ブクログ
迫り来るアザーズの侵略にボブたちが対抗する。宇宙での緊迫した戦いが繰り広げられる。地球人は他の星系に移住することになるのだが、その戦略は今も昔も変わらず、山のような調整作業をボブたちが考える。そして、様々な星系での物語もバラエティに富み、アンドロイドとその星の原住民との交流など、より人間臭くなるボブたち(元は生身の人間だけどね)に感情がシンクロする。
200年以上先の未来の物語であるが、現代と変わらずメールを使っていたり、例えが古くさかったりと、古き良きものを懐かしんでいるととらえるか、興醒めととらえるかは評価が分かれるところだ。SF好きであれば、オタクっぽい物事が出てきているので、心をくすぐられる感じを味わえる。 -
Posted by ブクログ
シリーズ三作目 基本的には面白いのだけど
人間ではないため、永遠に生き続けることの苦悩が様々な形で現れ
前半はやや寂しげな印象
複数のボブが各地で難題に向き合っていく場面の切り替えながら話が進む。
最終決戦と書いてますが、そこよりも色々と忙しい。
ボブ:新種の生命体の集落へアンドロイドの身体で潜入中、敵対する集落を改善できないか試行錯誤
ビル:ブラジルのアイツと再戦
ハワード:人間の女性といい感じに、しかし死後遺族と対立
マーカス:人類を新惑星に移住させるも独裁政権となり対立
ハーシェル:アザーズの貨物船の残骸を見つける
イカロス:アザーズを探索
ジャック:アザーズに星を追われた種族を避難させる作戦中
上記のようにメモを書いて整理しないと誰が誰だか…
一旦シリーズは一区切り。
機会があれば続編も読みたい。
400ページいかないで1000円 3日で読み終わるのはコスパ悪いなぁ…面白かったから早く読んでしまったのか…ちょっと後悔