三谷博のレビュー一覧

  • 維新史再考 公議・王政から集権・脱身分化へ

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    今年は維新ものを多く読んだので、その総まとめとして手に取った一冊。
    著者の意図である維新に対する通説とは異なる見方はしっかりと提示できており、その裏付けも膨大な資料から極めて丁寧に行われている。歴史を学問することを見事に体現されている一冊である。

    各章の冒頭で示される図表が秀逸で、特に幕末期の論点の変遷や勢力図の移り変わり(258ページ)について、分かりやすくまとめられており、これまでの理解を一層深めるきっかけとなった。

    個別にも多くの示唆を得たものの、やはり、公議概念に関する各々の記述が、突出して整理されている。「広く会議を興し、万機公論に決すべし」という文書が示されるまでの様々な知的葛

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    2021年12月20日
  • 泰平を演じる 徳川期日本の政治空間と「公然の秘密」

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    米国人研究者によるユニークな江戸時代の政治力学に関する論考。精読したわけではないがたいへんおもしろかった。跡継ぎ不在で領主がなくなると、本来は領地没収となるのだが、そこを領地では「生きているかのように」演技し、それを見届ける徳川の大目付としても事情をわかっていてなおその演技におつきあいすることで、互いに秩序を守る=「表」を維持することに協力する姿が描かれる。そこらへん、事前に徳川とは「内証」の交渉をしておくわけだ。ほんとうにあったことは「表」の記録だけではわからない。江戸時代は体面を維持することがなにより重要だったため、この「表」と「内証」の政治が広く行われたが、近代において立憲制と個人の権利

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    2022年10月09日
  • 維新史再考 公議・王政から集権・脱身分化へ

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    本書を紐解いたのは「図書8月号」の三谷博さんの寄稿文を読んだためだ。そこでは、「廃藩置県」という、武士階級を廃絶させて7割近くの武士を解雇した大変革に対して、何故武士の側から大きな抵抗が生まれなかったのか、を分析していた。

    これは実は、「弥生時代の倭国大乱が大戦争を経ずして話し合いで統一された」という私の問題意識と同一のものであり、俄然興味を持った。著者はたくさんの著書を物にしているが、1番関係性があると思われる本書を採った。ところがいざ読み始めると、想像以上に緻密で総合的、そして独創的な維新史論だった。此処で展開するのは、荷が重いかもしれない。勉強のため、出来るだけ(私流に)まとめようと思

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    2021年09月07日
  • 維新史再考 公議・王政から集権・脱身分化へ

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    明治維新を、志士たちの活躍という側面もさることながらとくに「維新前の国際関係」に紐づけて論じる。

    最近では、「鎖国は従来思われていたほど閉鎖的ではなく、実は幕府は国際情勢を深く理解していた」という学説が主流だが、著者はさらに一歩進んで「やはり閉鎖的で情報不足だった」という立場。それは、要すれば「列強の脅威はありつつも、こちらから仕掛けなければ大丈夫」という(どこかで聞いたような)安全保障観だった。それを決定づけたのがロシア艦船との緊張が走ったゴロヴーニン事件。これを平和裏に解決したことで、公儀(当時「幕府」という言葉はない)は「外国政府は日本に野心なし」と判断。「外国船打払い令」は一見好戦的

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    2019年01月01日
  • NHKさかのぼり日本史(5)幕末 危機が生んだ挙国一致

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    幕府がどのようにしてペリーの外圧に対処し、それにより、日本は明治維新への道を歩んでいくことがよくわかる。

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    2018年10月20日
  • NHKさかのぼり日本史(5)幕末 危機が生んだ挙国一致

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    内容は、「挙国一致」を軸に、「公議政体」や「公議・公論」が形成していく過程を描いたものです。

    また、三谷氏の著作『ペリー来航』(吉川弘文館、2003年)で紹介された、ペリー来航以前の幕府による情報把握なども触れられており、専門以外の方には非常に新鮮に感じられたのではないでしょうか。


    一つ問題なのは、幕府側の研究動向(cf:幕長戦争時の幕軍軍備など)をもう少し踏まえて述べないといけないのではないでしょうか。
    幕末維新史の通史としては、近年の研究成果がきちんと踏まえられている一冊です。

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    2012年12月27日