青木美希のレビュー一覧
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日本で再生可能エネルギーがなかなか伸びず、2011年の東日本大震災から15年経過して、今では原発回帰へと進もうとしています。なぜ外国と比べて再生可能エネルギーが伸びないのか、気になって本書を手に取りました。
本書で紹介されている興味深い内容をいくつか箇条書きで書き出します。
1)世界的には2025年上半期の世界の発電量の34.3%が再エネで発電され、割合として他の発電を抑えて最大になった。日本は2023年度で22.9%(意外と多い印象でした)。
2)太陽光パネルの生産では1999年から9年間日本は世界1位で、2004年、2005年では世界シェアの約50%を占めていたが、2020年代にはシェア -
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「原発優先ルール」という、「(前略)電気が余りそうな日には、原発は止めずに再エネのほうの発電を止めるように各大手電力が再エネ事業者に指示する、日本独特のルール(後略)」(p7)があることを初めて知った。希望を失わず再生可能エネルギーに取り組む人々と、それを打ち砕く人々との国内国外のせめぎ合いが紹介される。「第七章 絶望を超えて歩みはじめた被災者たち」(pp217-243)は確かにそういう内容が書かれているのだが、自死していった人々の遺した言葉の数々を読むにつれ、絶望的な気持ちにもなってしまう。「おわりに それでも私は書き続ける」(pp244-254)では、著者が所属する新聞社から処分を繰り返
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snsでこの本のことを知り読んでみた。福島原発事故から15年、いまだに廃炉の見通しのつかないまま、高市政権は原発推進へと舵をきっている。
この本は、被災者、科学者、政治家、識者など多方面の人にインタビューをし、著者もライフワークとして取り組んでいる労作である。執筆の背景にはなぜこれだけリスクがあり、国民に危害を及ぼし続けており、かつ核のゴミの処分方法も確立してないのに原子力発電をやるのかという疑問を著者が抱いているからだろう。評者も本当にそれが知りたい。
この本の最後の方に出てくるが、小泉元首相が「色んな産業がからんでいるからね」というのが本質だろう。
原発を推進する、多くの産業が儲かる -
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原発事故のせいで自宅に住めなくなり、新潟でやっと落ち着いた生活をすることができるようになった一家を、住宅補助打ち切りが襲う。転居により職場を離れざるをえず、生活苦を訴える避難民に「自己責任」と言う政治家は、いったい何のために政治に携わっているのか。13年経過して、ますます忘れ去られる原発避難民の話には胸が痛むし、どれほど多くの人が同様の苦しみを抱えて、一日一日を過ごしているのだろう。SNSでは自分の見たい、聞きたい言説にしか触れなくなる。人災によって自分の生活が破壊されるという苦境に、自分が陥る可能性があるとは1ミリも思わない、想像力を欠いた大衆の支えにより、弱者切り捨ての政治は、ますます苛
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青木美希氏は、札幌市出身、1997年に北海タイムスに入社、北海道新聞を経て、2010年に朝日新聞に入社。朝日新聞社の原発事故検証企画「プロメテウスの罠」に参加し、以降一貫して福島第一原子力発電所事故のその後を追い続けている。
本書は、上記原発事故を7年に亘り取材した内容をまとめて2018年3月に発表され、貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞した。また、2021年4月には、続篇『いないことにされる私たち 福島第一原発事故10年目の「言ってはいけない真実」』を出版している。
「はじめに」で著者は次のように書いている。「私は7年間、福 -
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昨今、多くの自然災害が起こりました。その報道の中で原発事故で避難指示が出た地域の現状に関する報道が極端に少なくなっていることを感じる人も多いのではないでしょうか。
本書は避難指示が解除されつつある福島県の原発近隣地区の現状を様々な角度からの切り口で描くノンフィクションです。
除染に使用した水は回収して放射性廃棄物として処分しなければならないのに、多くの現場で川や側溝へ垂れ流しされていて、それを監視監督する省庁も人手不足で対応できておらず、「除染したことになっている」地域が多数ある事。
福島第一原発での「がれき」撤去作業によってセシウムが新たに飛散し、近隣で作付けされていた稲に付着した結果、収穫 -
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東日本大震災の復興は全然終わっていない。
釜石から南下して石巻まで、BRTから見る景色は一面の土木工事。
かさ上げされた土台は建設途中のピラミッドのようだ。
そんな、目に見えての復興事業の裏にいる、原子力発電所事故からの避難してきた人たちが表に出てくることはない。
事故が無ければ今まで普通の生活をしていたはずの普通の人たちが、貧困に喘ぎ、しかも救済は年を追うごとに絞られている。
避難指定地域からではなく、個人的に避難しているとして救済の枠からは外れた人たちは、ただ勝手に避難したからと救済されなくてよいのか。
時がたち除染が進むごとに、避難指定地域は帰宅可能となり、そこからの避