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Posted by ブクログ
これほどじっくりお二人の被災者の方を取材されたものとは知らず読み始めたので、途中で苦しくなった。
第1部では、大変な被害にあった人自身が、どうして強くなり戦わなきゃいけないのか、救われないのかと考えた。誰でもそんなふうにはなれないじゃないか、あまりの理不尽さに立ち直れなくなるのが普通だろう。そこを立ち上がって戦える人森松さんには敬意しかないが、戦わなきゃ当たり前のことさえしてもらえないことに腹立たしさを感じた。
第2部では、戦えない被災者の話だった。いや、違う、十分戦っておられる。生きていること自体が戦いだ。自分の命を絶たないことに精一杯で、国や県や東電と戦えない、そんな気力も余力もない普通の人、庄司さんの話だった。普通の人っていうのも失礼だな。一人一人みんな事情が違う。本来なら一人一人オーダーでの対応が必要なはず。それを大きなグループ分けの調査さえしない、大きく実態を捉えることさえしない国や県。被災者への対策を減らしていくことしか考えていない。
原発事故さえなければ、普通に幸せに暮らせていたはず。それがどうしてこんなことにって。その思いが10年経っても消えるどころか、ますます募るって、どんなに苦しいことだろう。震災や原発事故がなかったように、はしゃぐ他人を見て、どんなに辛い10年だったろう。忘れられる、取り残される、いないことにされる。あまりにも残酷な仕打ちだ。
他人事ではない、とみんな知ることだと思う。
実際、このコロナでも、国や都道府県に見捨てられた思いを実感している人はたくさんいるはず。いつ誰がその立場になるかわからない。
青木さんのようなジャーナリストが取材して記事にしてくださり、初めて知ることができる。
口ばかりの政治家や公務員とは違い、情が感じられる。人間性が感じられる。被災者の方に同じ人間として接しておられる。
人間の心がない人が政治家や公務員になっていることがそもそもおかしい。なるなよって思う。
東電は東電のままで良かったのだろうか。この辺は勉強不足でなんとも言えない。
被災者のことを考えた時、原発再稼働なんて言えないだろう。どうして他人事なんだ。
怒りに任せて書いて、支離滅裂になってしまったが、これからも被災者に寄り添う取材をして記事や本にしていただきたいと思う。そのためには私たち一人一人が忘れないこと、関心を持ち続けることが大事だということも、この本を読んで知った。
Posted by ブクログ
原発事故のせいで自宅に住めなくなり、新潟でやっと落ち着いた生活をすることができるようになった一家を、住宅補助打ち切りが襲う。転居により職場を離れざるをえず、生活苦を訴える避難民に「自己責任」と言う政治家は、いったい何のために政治に携わっているのか。13年経過して、ますます忘れ去られる原発避難民の話には胸が痛むし、どれほど多くの人が同様の苦しみを抱えて、一日一日を過ごしているのだろう。SNSでは自分の見たい、聞きたい言説にしか触れなくなる。人災によって自分の生活が破壊されるという苦境に、自分が陥る可能性があるとは1ミリも思わない、想像力を欠いた大衆の支えにより、弱者切り捨ての政治は、ますます苛烈さを増すばかりなのだろう。
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