青木美希のレビュー一覧
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地震大国日本で原発を持つ理由、私は、原爆を作る能力を保持したいから、
だと思っていた。この新書でも自民党石破さんらがそう言っている。
北朝鮮中国ロシアアメリカと、核保有国に囲まれた日本として、
下手な軍事力よりも抑止力がある、という見方には一理はある。
しかし同時に、原子力発電所にミサイルを撃ち込ま...続きを読むPosted by ブクログ -
東日本大震災の実態に、はじめてちゃんと向き合う事が出来た。震災に遭った人々の暮らし、原発、除染作業の実態など、現場の人々の苦渋の声がリアルに聴こえてきた。
生の声を聴いているような臨場感のある取材内容が、読者自身へも筆者の焦燥感や憤りを感じさせてくれました。Posted by ブクログ -
とても丹念に取材され読みやすく、一つ一つの記事が生きた証言、未曾有の事故を引き起こした原発、原子力ムラの告発なっていると思います。政官業学そしてマスコミまでも。
私は司法までも加えて良いと思いますが、ここに日本の民主主義の劣化が象徴的に現れていると思います。
民主主義はたえずたたかい続けなければ後退...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトル通り、「言ってはいけない真実」が赤裸々に、取材をもとに書かれていて衝撃。
衝撃、っていうのはちょっと違うかも。なんとなく、そうだろうなと想像できたことだが、政府もマスコミも、いろいろと都合が悪くて公にできないことを、ちゃんと取材して明らかにしているのだ。
例えば、大手ゼネコンが福島で請け負っ...続きを読むPosted by ブクログ -
時代によって”不都合な現実”とされている事は常に在るのだろう。
福島とそこにまつわる人々の現実は、そんな”不都合な現実”の一つなのかもしれない。
だからと言って、都合よく扱われて、無かったことにされて済むことでは無い。
まずは、自分にとって”知らなかったこと”にしないことだと思う。
それは、現実なの...続きを読むPosted by ブクログ -
知ろうと求めなければ知らないままだった。
同じ国に住んでいる人として、少なくともあの未曾有の災害の結果として、なにが起こっているのか、無知なままでは居られないと思う。
たとえ直接的に助けとなれなくとも、知っていなくてはと思った。Posted by ブクログ -
全くは足らないで賠償金を好きなだけもらっても、私は災害に会いたいとは思わない。
災害にあってしまった人たちは、99%災害前と同等の暮らしができるまで、政府は金銭を含めた支援をすることが当然だと思っていた。(1%は取り返せない「時間」と考える)
現実は、復興が未完のまま次々と被災者を統計から消していく...続きを読むPosted by ブクログ -
メディアで大きく取り上げられなくなった、福島原発の事故とその後についてよく分かる。
福島原発のせいで普通の日常を送れなくなった人々の苦しみは今も続いていること。また、政府のとった非情な政策が与えた影響が分かる。
もしかしたら自分が被災者側になるかもしれないということを常に忘れては行けない。 -
これほどじっくりお二人の被災者の方を取材されたものとは知らず読み始めたので、途中で苦しくなった。
第1部では、大変な被害にあった人自身が、どうして強くなり戦わなきゃいけないのか、救われないのかと考えた。誰でもそんなふうにはなれないじゃないか、あまりの理不尽さに立ち直れなくなるのが普通だろう。そこを立...続きを読むPosted by ブクログ -
地図から消される街 青木美希 講談社
副題に「311後の言ってはいけない真実」とあるこの本は
朝日新聞の特別報道部の記者によって書かれたもの
自分の足で集めた証拠をもとに書いた「手抜き除染」の報道後に
書き起こした力作だ
政治や行政のお為ごかしの仮面や利害に群がる業者の
目的を履き違え当事者...続きを読むPosted by ブクログ -
いじめの実態、除染の真実など
なかなか知ることのできなかった福島のこと
こういう取材をする人は信頼できる
それにしても政府の対応はひどい
気になる人は読んでほしいPosted by ブクログ -
被災自治体の避難者と与野党の政治家。原子力安全委員に差し止め訴訟原告の住職。危険を警告した地震学者。脱検発に舵を切ったドイツの倫理委員。取材先は多岐にわたる。…何故原発は止められないのか。止めようとしたその瞬間、多くの難題に行き当たる。上場している電力会社の経営、補助金で潤った立地自治体での生活。溜...続きを読むPosted by ブクログ
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打ち切られる住宅支援。仕事のために一人被災地に戻る。子供が自ら死を遂げる。どこかにあった心の傷。そして、父も壊れていく。・・避難者の実情。「統計に反映しない」「在住者との分断を謀る」「支援金へのルサンチマンを煽る」。隠れていく存在。演出される復興。過少に見せる災害規模。原子力の再興は粛々と進められる...続きを読むPosted by ブクログ
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青木美希氏は、札幌市出身、1997年に北海タイムスに入社、北海道新聞を経て、2010年に朝日新聞に入社。朝日新聞社の原発事故検証企画「プロメテウスの罠」に参加し、以降一貫して福島第一原子力発電所事故のその後を追い続けている。
本書は、上記原発事故を7年に亘り取材した内容をまとめて2018年3月に発表...続きを読むPosted by ブクログ -
大きく二つの話が載っていました。
国、行政の闇を感じました。
知り得なかった事実を新しく知ることが出来て良かった。Posted by ブクログ -
「復興とは被災者の数を消すことなんですか」
震災の場に、誰が居て、その後何が有って、今どうなっているのか。
何も知らなかった。
震災の現実を知ると、この国の現実が見えてくる。
あの震災の時、既にこの国は災害に対応できる国ではなかった。
その事に気付いていれば、今、コロナ禍に苦しむこの現実も違っていた...続きを読むPosted by ブクログ -
いつもこの様な本を読むと如何に自分が
無知であるかを突きつけられる。
何故 本当の事を無かった事にしようとするのか。
誰かが諦めるまで根をあげて降参するまで
ただ待つだけ...
この国はそんな国ではないと信じたい。のだが...Posted by ブクログ -
昨今、多くの自然災害が起こりました。その報道の中で原発事故で避難指示が出た地域の現状に関する報道が極端に少なくなっていることを感じる人も多いのではないでしょうか。
本書は避難指示が解除されつつある福島県の原発近隣地区の現状を様々な角度からの切り口で描くノンフィクションです。
除染に使用した水は回収し...続きを読むPosted by ブクログ -
東日本大震災の復興は全然終わっていない。
釜石から南下して石巻まで、BRTから見る景色は一面の土木工事。
かさ上げされた土台は建設途中のピラミッドのようだ。
そんな、目に見えての復興事業の裏にいる、原子力発電所事故からの避難してきた人たちが表に出てくることはない。
事故が無ければ今まで普...続きを読むPosted by ブクログ -
国民の暮らしに寄り添う
きめ細かく国民の意見を聞く
国や政治家たちは、選挙のたびにレコードのようにそんな言葉を繰り返す。
しかし、彼らの繰り出す政策、行う政策は、大所高所からみた、最大多数の最大幸福であって、個々のの国民の声を聴こうともしない。
本書は、福島原発事故発生から今まで、個々の国民、個々...続きを読むPosted by ブクログ