野谷文昭のレビュー一覧

  • ガルシア=マルケス中短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    ラテンアメリカ文学を読むぞ!と息巻いて全然手を出せていなかったのですが、ついに気になっていたマルケスを読む。
    前半の、庶民のやるせなさを強く感じるリアリズム小説より、後半のザ・マジックリアリズム!という感じの、色鮮やかでファンタジー要素が含まれる小説のが好きだった。
    ファンタジーと言っても、中庭で見つかった天使は年老いていて、日差しと雨にさらされる鶏小屋に入れられて放置されるし、水死体の話やら、おばあちゃんに娼婦にさせられた娘の話やらがあるし、人生の残酷さは伝わってくる。
    それでもラテンアメリカの太陽が連想される、鮮やかなイメージの話が多いので、不思議とあまり暗い気持ちにはならない。なんかその感じがメキシコっぽい気がする。
    「巨大な翼をもつひどく年老いた男」「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」「光は水に似る」が特に好きだった。

    0
    2023年09月23日
  • ガルシア=マルケス中短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    なんだか癖になる文体。
    読んでいて映画のようだと思った。

    この光景を映像で見たいと思わせるような描写が沢山あった。

    シュールな要素もあり。

    0
    2022年08月17日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    1977年に77歳のボルヘスが語った、7つの主題についての講演録。圧倒的な知性と芳醇な感性が、丁寧な口調から滲み出ているその語り口がまずは心地よい。神曲や千一夜物語の楽しみ方を解説し、仏教やカバラといった非キリスト教を紹介しつつ悪夢や詩、盲目について語るそれは主題が相互に絡み合い、ボルヘスという一つの書物を形成する。書痴とは即ち書知の快楽を求める者を指すのだと言わんばかりに、晩年の肯定感に満ちた姿は何より魅力的である。ちなみに、彼の仏教観は鈴木大拙氏の言う「即非の論理」をかなり正確に理解したものだと思う。

    0
    2013年07月06日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    1977年77歳の著者が7夜にわたって行った7つの講演—こんな煽られ方されたら、レジに直行する。

    と言いつつ、『砂の本』で初めてラテンアメリカ文学に触れたとき、あまり楽しめなかったと記憶している。難解というか何かノリきれないものがあったのだ。
    その後のボルヘス体験は、『幻獣事典』とアレックス・コックスが監督した映画版『デス&コンパス』を観たくらい。
    レビューするにあたり、試しに『砂の本』を引っぱり出してみたら、意外と平易な文章で驚いた。
    マルケスにどっぷりハマり、リョサやプイグにちょっと触れ、ボルへスがデビューさせたコルタサルに幻惑されたあとだからこそ、そう感じるのかもしれない。

    本書の中では「神曲」「悪夢」「千一夜物語」「カバラ」が特に面白かった。“理解する”には自分の知識が足りな過ぎるけど、それでも楽しめる。
    これを機にボルへスの他作品に挑戦してみようと思う。以前から読みたかった「神曲」の方が先になりそうだけど(笑)

    0
    2012年05月30日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    7つの夜。神曲、悪夢、千一夜物語、仏教、詩について、カバラ、盲目について。この並びを見ただけでヨダレが出そうだと、思わず買ってしまった。

    中でも、「神曲」の夜は群を抜いていると思った。必ずいつか読もうと決意させるほどの、もうなんというか魔術的な魅力があって、それは例えば「仏教」の夜にはないものだ。ボルヘスという人の住処を感じる本だった。

    0
    2011年12月17日
  • ガルシア=マルケス中短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    読み切るにはなかなか精神力が必要。
    個人的には気持ちが暗い方に引っ張られる。ちょっと安部公房を読んだときと似たような感覚になる。
    百年の孤独は、もう少し寝かせよう。

    0
    2025年03月07日
  • ガルシア=マルケス中短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    貧しさのなかにきらりと閃くものは、はたして高潔さなのか、狂気なのか。
    語りの変化が味わえて、よい配置。

    0
    2024年07月18日
  • フリアとシナリオライター

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    原題は「La tia Julia y el escribidor」。1977年発表。
    で、映画化されたのが、ジョン・アミエル監督「ラジオタウンで恋をして」(Tune In Tomorrow...)1990年。
    出演は、ピーター・フォーク、キアヌ・リーブス、バーバラ・ハーシー。

    バルガス=リョサ作品は邦訳された3分の1くらい読んだか?
    中では一番読みやすかった。
    読みやすかったから面白かったか? と問われたら、他の作品の難しさや重厚さ自体が面白かったので、本作は正直微妙。
    といっても面白くなかったわけではない、ひたすら微妙。
    まずは作者の自伝を反映している、義理の叔母フリアとの恋愛模様が、その時代のその雰囲気を表しているという面白さはあるが、正直どうでもええわー。
    並行して描かれるペドロ・カマーチョの様子は、スラップスティック小説としてはいい。抜群にコミカル。
    偶数章で展開されるラジオ劇場も、面白いとは思う。
    (ただしなぜラジオドラマではなく朗読劇なんだろうと頭にハテナ。)
    でも全体としては、うーん単に好みじゃなかったのか、自分のコンディションの問題か。

    0
    2024年01月23日
  • ガルシア=マルケス中短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    救いのない話が多いな。あとこの本に限らず、ガルシア=マルケスさんの作品の中には、気長に待ち続けるひとが多く登場する気がする。何を待っているのだろう。

    0
    2022年11月16日