野谷文昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ラテンアメリカ文学を読むぞ!と息巻いて全然手を出せていなかったのですが、ついに気になっていたマルケスを読む。
前半の、庶民のやるせなさを強く感じるリアリズム小説より、後半のザ・マジックリアリズム!という感じの、色鮮やかでファンタジー要素が含まれる小説のが好きだった。
ファンタジーと言っても、中庭で見つかった天使は年老いていて、日差しと雨にさらされる鶏小屋に入れられて放置されるし、水死体の話やら、おばあちゃんに娼婦にさせられた娘の話やらがあるし、人生の残酷さは伝わってくる。
それでもラテンアメリカの太陽が連想される、鮮やかなイメージの話が多いので、不思議とあまり暗い気持ちにはならない。なんかその感じがメキシコっぽい気がする。
「巨大な翼をもつひどく年老いた男」「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」「光は水に似る」が特に好きだった。 -
Posted by ブクログ
1977年77歳の著者が7夜にわたって行った7つの講演—こんな煽られ方されたら、レジに直行する。
と言いつつ、『砂の本』で初めてラテンアメリカ文学に触れたとき、あまり楽しめなかったと記憶している。難解というか何かノリきれないものがあったのだ。
その後のボルヘス体験は、『幻獣事典』とアレックス・コックスが監督した映画版『デス&コンパス』を観たくらい。
レビューするにあたり、試しに『砂の本』を引っぱり出してみたら、意外と平易な文章で驚いた。
マルケスにどっぷりハマり、リョサやプイグにちょっと触れ、ボルへスがデビューさせたコルタサルに幻惑されたあとだからこそ、そう感じるのかもしれない。
本書の中では「神曲」「悪夢」「千一夜物語」「カバラ」が特に面白かった。“理解する”には自分の知識が足りな過ぎるけど、それでも楽しめる。
これを機にボルへスの他作品に挑戦してみようと思う。以前から読みたかった「神曲」の方が先になりそうだけど(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ原題は「La tia Julia y el escribidor」。1977年発表。
で、映画化されたのが、ジョン・アミエル監督「ラジオタウンで恋をして」(Tune In Tomorrow...)1990年。
出演は、ピーター・フォーク、キアヌ・リーブス、バーバラ・ハーシー。
バルガス=リョサ作品は邦訳された3分の1くらい読んだか?
中では一番読みやすかった。
読みやすかったから面白かったか? と問われたら、他の作品の難しさや重厚さ自体が面白かったので、本作は正直微妙。
といっても面白くなかったわけではない、ひたすら微妙。
まずは作者の自伝を反映している、義理の叔母フリアとの恋愛模様が、その時代のその雰囲気を表しているという面白さはあるが、正直どうでもええわー。
並行して描かれるペドロ・カマーチョの様子は、スラップスティック小説としてはいい。抜群にコミカル。
偶数章で展開されるラジオ劇場も、面白いとは思う。
(ただしなぜラジオドラマではなく朗読劇なんだろうと頭にハテナ。)
でも全体としては、うーん単に好みじゃなかったのか、自分のコンディションの問題か。