丸紅茜のレビュー一覧
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短歌・伊波真人さん、イラスト・丸紅茜さんが紡ぐ青春の迷宮。
もー、おばちゃん、きゅんきゅんしちゃう。
あの白く無機質なコンクリートの箱の底(校舎)には、いったいどれくらいの、伝えられなかった思いが沈殿しているのでしょうね。
お互いを思いながらも、いや、思うからこそ、言い出せない。
出会って、仲良くなって、特別な人になって。
あー、いいなあ。
この歌集はそのふたりの最後の?一年間を描いている。
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〈星座にはなれないほどに離れてるきみの机と僕の机は〉
〈体育が終わったあとの教室をシーブリーズの舟が行きかう〉
〈野球部が空に放った白球は流星になるわけではなくて〉
〈つい君をさが -
ネタバレ 無料版購入済み
絵が凄い
丸紅茜先生はもともと好きなイラストレーターだったので、先生の絵で描かれた漫画を読めるなんて‼︎ 凄いと思います。単行本を待ってます‼︎
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購入済み
沖縄×ファンタジー×ほんのり恋
沖縄の雄大な自然と絡めつつ起こる不思議な出来事の数々、だんだん仲良くなっていく2人のやり取りに癒されます!
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ネタバレ自分の人生を改めて考え直すきっかけとなった...と言えば言い過ぎかもしれないけど、銭湯刻の湯を軸にした日常系小説かと思いきや、ものすごく深みのある小説でびっくりしました。
読み終わった後も心の中がなんだかグチャグチャとしてしまっているんだけど、今まで読んできた小説とは違った角度から自分の思考にいろいろなことを伝えてきて、今はなんだか謎の焦燥感に包まれています。
みんな何かを抱えていて、物語に登場する一人一人の口から語られる過去の出来事はとても壮絶で、、、
主役のマコもマコでそうなのだけど、マコは自分なりにその抱えているものと戦って、みんなを自分なりに助けようとしている姿はとても素敵で。
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Posted by ブクログ
ネタバレ近所の銭湯「みどり湯」(目黒区緑ヶ丘)の待合スペースにおいてあったサイン本。
「パニック障害は天才がなる病気ですよ。治らないほうがいいですよ。小説を書けなくなります。病気があなたを作家にしたんですよ」
作家宮本輝は、25歳の時から心の病と戦っていた。
仕事ができなくなり、引きこもり、文筆業を志し、31歳で芥川賞を受賞した。
その後も病は氏に襲い掛かった。
その時、担当医にかけられたのがこの言葉。
それからの氏の活躍はここに記すまでもない。
「メゾン刻の湯」の作者も、若くして心の病と戦っている。
苦しみ抜き、自分と向き合い続ける中でしか、見えないものがある。
この小説は、命を削っ -
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老舗銭湯に居候する若者達の物語。
普通の就職から離脱したマヒコは、アキラと出会い、下町の銭湯で居候達と暮らしだす。
マヒコの幼なじみで自由奔放な蝶子、セクシャルマイノリティのゴスピ、義足の龍くん、プライドの高いまっつん、銭湯主人の戸塚さんと孫のリョータ。
それぞれがいろんなbackboneを抱えながら不器用に暮らす。
しかし刻の湯の危機を発端として、歯車が狂いだす。
それぞれの運命はいかに。
作者初の小説です。
表現は少し回りくどい気もしますが、登場人物の心理を一生懸命描写しようとしている作風が伝わってきます。
自作も読みたいと思わせる作品でした。
人間完 -
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初出 2018年 ウェブサイトcakes
著者初の小説
大学を卒業しても就職先も住む場所も決まらないマヒコは、古い銭湯に住み込んで手伝うことになる。
同居人は、オーナーの戸塚老人のほかは同年代で、IT企業をやめた実質的経営者アキラ、片足が義足の美容師、トランスジェンダーのプログラマー、マレーシアとのハーフなど、社会からの疎外感をもっている。
迷い込んでくる徘徊老人を拒まず、戸塚老人の孫で母親に育児放棄されたリョータが加わると、いじめを受けていた学校に行かないという決断を尊重するが、銭湯寄席に出演させ自信をつけさせる。
メンバーはそれぞれに自分の問題に向き合い、仲間の絆を強めるが、老朽化した施 -
Posted by ブクログ
ネタバレ僕と君の、付かず離れずな感じ。
青春真っ只中だ~。
伊波真人さんの瑞々しい短歌と、丸紅茜さんのポップなイラストのコラボレーションが素敵。
挿絵のある歌集、ではなく、まるでイラストの一部のように配置された短歌が効果的。
舞台は公立高校。
季節は夏から始まり、卒業の春まで。
歌われてゆくのは、暁彦の気持ちであり、沙織の気持ちでもあり。。。いつかの私たちの気持ちでもあるような気がする。
暁彦が見つめているのは、星と、同じ天文部の沙織だ。
沙織もまた同じように暁彦を意識している。
でも、何も始まらない。
始まらなくても、星々のキラキラと青春のキラキラが相まって、美しく爽やかだ。
歌われる心情たちは私