【感想・ネタバレ】青春迷宮のレビュー

あらすじ

スカート 澤部渡さん共鳴!!
「あの頃のぼくらの頭上に広がっていた星座もまた、群像だったのでしょう」

歌人 伊波真人 × イラストレーター 丸紅 茜
短歌とイラストが呼応する、切なくどこか懐かしい両片想いの物語。

高校生活も最後の一年を残すこととなった暁彦と沙織。
教室でも、天文部でも、両片想いのふたりは互いの姿を目で追う。
駆け抜け、しかし彷徨い、ふいに切り取られる永遠の一瞬。
黒板とチョーク、夏雲と星座、堂々めぐりと本心、
誰もが胸に秘める高鳴りと痛みを呼び覚ます青春物語。

この恋を終わらせない限り、僕らの青春は何度でも繰り返す――。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

短歌・伊波真人さん、イラスト・丸紅茜さんが紡ぐ青春の迷宮。
もー、おばちゃん、きゅんきゅんしちゃう。

あの白く無機質なコンクリートの箱の底(校舎)には、いったいどれくらいの、伝えられなかった思いが沈殿しているのでしょうね。

お互いを思いながらも、いや、思うからこそ、言い出せない。

出会って、仲良くなって、特別な人になって。

あー、いいなあ。

この歌集はそのふたりの最後の?一年間を描いている。



〈星座にはなれないほどに離れてるきみの机と僕の机は〉

〈体育が終わったあとの教室をシーブリーズの舟が行きかう〉

〈野球部が空に放った白球は流星になるわけではなくて〉

〈つい君をさがしてしまう日直の二文字の下の空白にさえ〉

〈学祭の季節を告げる虫のようガムテープ切る音は響いて〉

〈売れ残りの焼きそばよりも焼けている校舎裏からみたゆうやけは〉



「恋愛は別に成就しなくていい」のだけれども、

その言葉を信じるかどうかは、

君次第。




0
2024年09月06日

Posted by ブクログ

とても良い。あの日々の中で見ていた風景が切に浮かび上がってくる。短く感じるけどずっと振り返っていられる。31文字は青春と同じ。

0
2021年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

僕と君の、付かず離れずな感じ。
青春真っ只中だ~。
伊波真人さんの瑞々しい短歌と、丸紅茜さんのポップなイラストのコラボレーションが素敵。
挿絵のある歌集、ではなく、まるでイラストの一部のように配置された短歌が効果的。

舞台は公立高校。
季節は夏から始まり、卒業の春まで。
歌われてゆくのは、暁彦の気持ちであり、沙織の気持ちでもあり。。。いつかの私たちの気持ちでもあるような気がする。
暁彦が見つめているのは、星と、同じ天文部の沙織だ。
沙織もまた同じように暁彦を意識している。
でも、何も始まらない。
始まらなくても、星々のキラキラと青春のキラキラが相まって、美しく爽やかだ。
歌われる心情たちは私には懐かしいもので、その懐かしさもキラキラしていた。

「星座にはなれないほどに離れてるきみの机とぼくの机は」

「走ってはダメな廊下を夏風が駆けぬけたのを誰も見てない」

「数学の記号が魚に見えてきて教室という海へと放つ」

「でたらめな星の名前を言いあった伝えられないことの代わりに」

「アルファルドが心臓ならば学ランのボタンはどんな星座だろうか」

「あなたとの残りの時間を測るようオリオンは砂をこぼしつづける」

「退屈な風景だった教室の影を濃くする三月の窓」

0
2024年11月07日

「趣味・実用」ランキング