あらすじ
スカート 澤部渡さん共鳴!!
「あの頃のぼくらの頭上に広がっていた星座もまた、群像だったのでしょう」
歌人 伊波真人 × イラストレーター 丸紅 茜
短歌とイラストが呼応する、切なくどこか懐かしい両片想いの物語。
高校生活も最後の一年を残すこととなった暁彦と沙織。
教室でも、天文部でも、両片想いのふたりは互いの姿を目で追う。
駆け抜け、しかし彷徨い、ふいに切り取られる永遠の一瞬。
黒板とチョーク、夏雲と星座、堂々めぐりと本心、
誰もが胸に秘める高鳴りと痛みを呼び覚ます青春物語。
この恋を終わらせない限り、僕らの青春は何度でも繰り返す――。
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Posted by ブクログ
僕と君の、付かず離れずな感じ。
青春真っ只中だ~。
伊波真人さんの瑞々しい短歌と、丸紅茜さんのポップなイラストのコラボレーションが素敵。
挿絵のある歌集、ではなく、まるでイラストの一部のように配置された短歌が効果的。
舞台は公立高校。
季節は夏から始まり、卒業の春まで。
歌われてゆくのは、暁彦の気持ちであり、沙織の気持ちでもあり。。。いつかの私たちの気持ちでもあるような気がする。
暁彦が見つめているのは、星と、同じ天文部の沙織だ。
沙織もまた同じように暁彦を意識している。
でも、何も始まらない。
始まらなくても、星々のキラキラと青春のキラキラが相まって、美しく爽やかだ。
歌われる心情たちは私には懐かしいもので、その懐かしさもキラキラしていた。
「星座にはなれないほどに離れてるきみの机とぼくの机は」
「走ってはダメな廊下を夏風が駆けぬけたのを誰も見てない」
「数学の記号が魚に見えてきて教室という海へと放つ」
「でたらめな星の名前を言いあった伝えられないことの代わりに」
「アルファルドが心臓ならば学ランのボタンはどんな星座だろうか」
「あなたとの残りの時間を測るようオリオンは砂をこぼしつづける」
「退屈な風景だった教室の影を濃くする三月の窓」