有沢佳映のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小学校5年生の「オレ」こと孝行(ユッキー)の語りで
登校班「南雲町二班」の、
11月半ばから2学期の終わりまでの1ヶ月ちょっとが描かれる。
その5年生の語りとか、
登校班の1年生から6年生までのメンバーが、
もう見事にリアル!
それぞれ個性的なんだけど、
いるよいるよこういうヤツ、って感じ。
うざかったり、うるさかったり、
おどおどしてたり、潔癖症すぎたり、
乱暴だったり、言葉がたりなかったり、
突拍子なかったり。
唯一、6年生の班長の「かさねちゃん」だけは、
こんなにできた子は、ほんとにいるんだろうか。
(いてほしいけど)って、感じ。
最初は「これって、面白い?」
とビミョーだったんだけど、
だんだんクスッて笑っちゃったりして、
すっかり作品にはまってしまった。
確かに面白かった!
で、読み終わって思うのは、
面白かったけど、でもこれ、読者は誰?
そんなに大きな事件が起こるわけでもなく、
何かが劇的に解決されるわけでもなく、
でも、日常のちょっとしたことそれ自体が
「ドラマ」と言えば言えるかな、という感じ。
いちおう最後の場面では、さらっとではあるが、
語り手の成長が感じられるように、描かれている。
なんだけど、
小学生や中学生にとっては、ありふれた「リアル」で、
だから何?って感じかもしれない。
と考えると、「面白い!」と思うのは、
きっと「大人」なんだろうな。
親とか、先生とかが読むと、
大人が知らない子どもの世界がうかがえる、のかな?
あれ?
同じような感想を、確か前作「アナザー修学旅行」でも書いたぞ。
この読後感、ひょっとしたら恩田陸に通じるかも。
恩田陸の作品では、もっとドラマチックにいろいろ起こるけど、
物語の最後は突き放した感じで、
終わってないと思うことがママある。
それは「おばさん」の感想で、
その終わってないところが若い人にはいい、と聞いて、
なんじゃそりゃ、と昔思った覚えがある。
この「かさねちゃんにきてみな」も、
ある意味「新しい」「今風」の作品なのかも。
物語として、盛り上がって決着をつけて、
というのじゃなくて、
たんたんと描いてたんたんと終わる。
何か決着なり結論なりを見いだすのは、
それを読んだ読者の心の中。。。なのかしら。
いやいやこの作品が「新しい」んじゃなくて、
単にわたしが「古い」のかもしれないけどね‥‥(-_-;) -
Posted by ブクログ
ネタバレ間宮小学校・登校班、南雲町2班、5年のユッキーこと上原孝行はいろんな事に絶望している。
登校班で班長、6年のかさねちゃんこと深町累ちゃんが、もうあと数ヶ月で卒業してしまうからだ。
なんといっても、南雲町2班は、問題児だらけなのだ。元気すぎで先の行動が読めない1年のミツ。ほとんどしゃべらない、汚れているものが嫌いで、道路が汚れていたら動けなくなる潔癖症2年の のんたん、3年2年の太郎次郎兄弟は、忍者の修行をマジでやってはお母さんを困らせる少年だ。4年女子のマユカはアイドルとかドラマとか好きで、女おんなしてる。そしてもうひとりの4年、リュウセイは、4年なのにいろんな事がきちんと出来ない。こだわりが強く、ケンカっぱやい。
こんな賑やかで手に負えない班だけど、かさねちゃんは、ちっともうんざりすることなく、みんなをまとめている。
ユッキーは思う。オレには班長なんて、絶対ムリ!6年になるのがおっくうだ〜・・・と。
11月半ばから2学期いっぱいの、南雲町2班の登校風景がユッキーの目線で語られる。
元気すぎたり、困ったことも多いけど、子どもたちが生き生き描かれていて、ユッキーが(主に心の中での)つっこみを入れながらも、いい班なのだ。
毎朝、学校の近くの間宮様(おじぞうさん)に手を合わせて、ちょっとお願いやらするもの ほほえましい。
ほぼ、登校風景だけを描いているのだが、子どもたちの結束や成長がある。
母が出て行って帰って来なくなっていなってしまったリュウセイだが、ラストにはほっとした。