作品一覧

  • 全校生徒ラジオ
    4.6
    1巻1,320円 (税込)
    なつみ 「夏休みに入ったので、わたしたちは前からやってみたかったポッドキャストを始めることにしました! まず、わたしたちがどんな人か自己紹介します! 名前とー、学年と好きな科目と趣味、自分を動物に例えると? っていうのと、あと、好きな四字熟語、を、言いますね! はい、では! れなどんからどうぞ!」ー中略ーこの4人で、今日からポッドキャストやります! この4人で、うちの学校の、中学校の全員です。だから『全校生徒ラジオ』って、タイトルつけました。それで、……ー中略ー なつみ 「思いついた? どんな番組にしたいか」 橘 「シンプルに行くよ。ええと、わたしたちは、良く言えば少数精鋭だけど、普通に言えば過疎の村の普通の中学生4人です。ポッドキャストで、特別なことや面白い話はできないかもしれないけど、この4人で一緒の学校で過ごせるのは来年の3月までです。だから4人がどういうふうに話していたかを残しておきたいし、それを聴いてみたいよって人がいたら、聴いてもらおうかなと思います。そういう行き当たりばったりの雑談番組です。こんな感じか」 なつみ 「そう、そういう感じ! さすがたっちー!」 モモ 「まとめ王」 れなどん 「うん、謙虚さも出ている」 橘 「ありがとう。ていうか、まとめ王とは? あとさっき、うっすら聞こえたけど、おたより募集してた?」 なつみ 「してた!」 モモ 「悩み相談と、好きな四字熟語と、聴いたよって報告を募集-------- ーーーーーーー同年代の女子がただしゃべってるだけのポッドキャスト番組を、男のオレが文字起こしするって、どうなんだろうか。 キモくね? しかも芸能人とかじゃなくて、一般人のポッドキャストだぜ。 ……やっぱキモいような気がする。だけどもうしてしまった。完成してしまった。 しかもわりと完璧じゃないか? この文字起こし。 少なくともアプリのAIがテキスト化した最初のやつより、全然サマになってるだろ。(本文より) 全校生徒4人で夏休みに始めてみたラジオがおこすいろいろな小さな奇跡を描く。
  • お庭番デイズ  逢沢学園女子寮日記 上
    3.7
    1~2巻1,320~1,430円 (税込)
    女子寮入り口の石碑に彫ってある文字は『ピープル・ヘルプ・ザ・ピープル』。人が人を助ける。人生ギブアンドテイク。それが逢沢学園女子寮のモットー! 「三バカとは世を忍ぶ仮の姿、彼女たちには重要な任務が・・・中略・・・人助けは寮生みんなでやりますが、問題解決にはまず、情報収集が大事です。偵察隊ですね。逢沢学園女子寮では代々、この役目は、お庭番と呼ばれてます。」 『アナザー修学旅行』で講談社児童文学新人賞、『かさねちゃんできいてみな』で椋鳩十児童文学賞、日本児童文学者協会新人賞をダブル受賞した、有沢佳映氏、7年ぶり待望の第3作目は上下巻、計680ページ!登場人物70人超! もくじ 1章 悪あがきの二学期デビュー 2章 恋に落ちたら 逢沢学園女子寮の朝は、鉄琴のチャイムと(BGMとしての)ラジオ体操から始まる。  六時半まで、あと十秒。 恭緒が寮内放送のスイッチに指を置いてうなずいたのを合図に、わたしは足元で体育座りのまま寝てる侑名のお尻をスリッパで押しのけて、鉄琴のバチをかまえた。 『キンコンカンコーン』  コーンの余韻のとこで息を吸いこんで、マイクに向かう。 『おはようございます。起床の時間になりました。みなさん担当の掃除場所へ向かってください。今日も一日元気に頑張りましょう』  よっし、噛まないで言えた!──本文より。
  • かさねちゃんにきいてみな
    4.2
    1巻1,265円 (税込)
    年齢も、家庭環境も、性格もてんでばらばらな小学生たち8人が、毎朝いっしょに騒がしく登校する様子がユーモラスで繊細な文章で生き生きと書かれています。小学生って、たった数ヶ月でこんな風に自分とは全然違う他人たちとの関わりあいの中でそれぞれ着実に成長していくのだ、と納得させられる圧倒的なリアリティがあり、優しくありたい、賢い大人になりたい、と前向きな気持ちになれる爽やかな感動作です。

ユーザーレビュー

  • お庭番デイズ  逢沢学園女子寮日記 下

    Posted by ブクログ

    力作。凄いわ~。
    上巻でも書いたけど、こんだけ登場人物多いのに混乱せず読めちゃうのは凄いしテンポよく進むストーリーも気持ち良い。
    タノシイオモロイダイスキーな一冊(というか上下巻)。

    0
    2024年12月28日
  • 全校生徒ラジオ

    Posted by ブクログ

    これは良い!すごく良い!!!
    みんなが個としてもグループとしても刺激しあってイキイキしてて爽快。BGMは「そばにいてラジオ」で読み終えました。
    初読みでしたが、これは要注目の作家さん。

    0
    2024年10月24日
  • 全校生徒ラジオ

    Posted by ブクログ

    装丁めっちゃかわいくないですか!?好き。
    普通の中学生って何話してるんだろう?スタバでおしゃべりしてるOLは?交通指導員のおじいさんたちは?自分とは違う「普通」が世の中には無数にあって、その違いにショックを受けることがあるけれど、逆に良いこともあるのかもと思える本でした。
    ラジオの書き起こしから始まってびっくりしたけど、どんどん4人の個性が掴めてきて、気づいたら誰の発言かすぐわかるようになりました。4人の雑談とリスナーのもだもだするところをもっと見たい、読み終わりたくなかった……。でも、作中に出てきたポッドキャストや音楽を聞くのが楽しみです!

    0
    2024年09月27日
  • 全校生徒ラジオ

    Posted by ブクログ

    読み始めてしばらく経ってから登場する不登校の少年が実は主人公なのですが、"世界を眺めている自分、オーディエンスである自分"という自意識を鮮やかに描いてる。不登校の子だけじゃなく教室にいても自分は世界の主役じゃなくて観測者だという気がするすべての脇役の人々に響く小説。しかも爽快。横書きで、普段あんまり小説読まない子にもおすすめできます。

    0
    2024年08月21日
  • 全校生徒ラジオ

    Posted by ブクログ

    『会話』を描く大天才の児童文学作家、有沢佳映さんの新作。発売前から楽しみにしていた。
    本当にこの作家さんは会話を描くのがとにかく天才(2回目)なんだけど、今作は4人の中学生がポッドキャスト配信をはじめる話なのです。
    設定だけで大優勝でしょう。
    夏休み期間、この4人のポッドキャスト配信+文字起こしリスナー視点だけで、一冊終わります。ポッドキャストの部分なんて、本気で会話文しかない。
    なのに最高に面白いの。ぜひ読んでほしい。
    あと私はラジオ好きなので、ポッドキャストにも手を出すことにしよう、と思ったり。

    児童書って、どうしても説教くさくなりがちなんだけど、そうじゃないところが良いのだろうな。伝え

    0
    2024年08月15日

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