小原克博のレビュー一覧

  • 人類の起源、宗教の誕生

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    山極先生と小原先生の対談がメイン。
    狩の現場で獲物をそのまま食べずに仲間が持ち帰った食物を分けて食べるのはホモ・サピエンスだけらしい。仲間を信頼するという能力があるからこそできる行為なんだという山極先生の主張。
    それと、長期間グループを離脱していた仲間が帰ってきて受け入れることができるのもホモ・サピエンスだけなのだが、そこには不在者に対する倫理が存在する。現在の不在者、過去の不在者、未来の不在者の倫理という小原先生の考え方も大変示唆に富んでいて面白かった。
    宗教に対してステレオタイプな見方をするだけではなく、その意味を考える機会にもなるかと思う。

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    2022年08月13日
  • 宗教は現代人を救えるか

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    仏教の佐々木先生とキリスト教の小原先生の対談。小原先生のYouTubeチャネルで紹介されていたので読みました。仏教とキリスト教の比較にとどまるのではなく、宗教の存在意義、宗教の将来というさらに高次元のテーマにも踏み込んでおり面白かった。特に、第3章のネットカルマなどは、ネット革命のその先のテーマを予感させるもので興味深かった。サピエンス全史が好きな人におすすめしたいと思う。

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    2022年06月25日
  • 一神教とは何か

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    新書ですが、内容が濃くて非常に読み応えがありました。世界の宗教人口では一神教が圧倒的多数なのに、これまでキリスト教やイスラム教、いわんやユダヤ教などについて、あまりにも表面的にしか知らなかった自分に気付かされてしまいます。

    Youtubeの小原先生のチャンネルの副読本として、動画と並行して読んでいました。おかげで動画の方の理解も深まったと思います。

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    2022年05月22日
  • 人類の起源、宗教の誕生

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    ネタバレ

     対談の中で、山極先生が、グローバルな人材としての重要な指標として、自己判断ができること、アイデンティティを持つこと、危機判断ができること、他者を感動させること、を挙げている。それに続いて、「これらはまさに、生の身体行動をしないと、できないことだと思います。」と発言している。読んでいて、なるほどそうだと感じた。
     本屋で「山極寿一」と書いてあったら、手に取ってしまう。今回も、大当たりの本でした。

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    2019年09月14日
  • 人類の起源、宗教の誕生

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    山極先生4冊目。
    山極先生サイドからは人類の起源、小原先生サイドからは宗教の誕生をめぐるエピソードや考察が提示されて、現代社会が抱える諸問題を分析していくという構成。
    山極先生が豊富なフィールドワークをもとにお話されるエピソードは、ホント、毎回毎回面白い。けど、本書はこれまでに読んだ山極先生の本よりはエピソード少な目なので星は4つ。でも、自分の考察は多方面で深められた気がする。ハラリさんの著書にも触れた部分があって、専門家の先生方の受け止め方を知ることができたのも面白かった。
    まずは、山極先生の発言から。
    ①一度グループを離れたメンバーがまた同じグループに戻れるのは人間だけだけど、それがなぜな

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    2021年01月12日
  • 人類の起源、宗教の誕生

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    人類が他の動物と異なる特質を得たのは、共感能力を獲得したとの由だが、その共感が暴発するところに暴力の根源があると述べている.共感と宗教の関連も詳しく解説してあり、非常に参考になった.スマホ中毒になっている人々に 、ラマダーンを真似てe安息日を提案していたが、面白い発想だ.人類に近いゴリラやオラウータンは群れから離れた存在は元に戻れないが、人類は不在だったものを受け入れることができる.これは人間の性質として重要だと解説してあったが、その通りだと思う.この不在に関して、過去と現在での考察だけでなく未来について考えるべきだとの論考があったが、素晴らしい視点だと感じた.

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    2020年09月25日
  • 人類の起源、宗教の誕生

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    宗教の起源は共存のための倫理っていう話。

    動物に宗教はあるのか。犬の祈り。
    ニホンザルは不公平を甘受して秩序を重んじる。


    「グローバルな人材というところにいくつか指標を掲げていて、その中で一番重要なのは自己判断が可能なこと。そして、アイデンティティを持つこと。危機判断ができること。それから他者を感動させること。この四つが必要だと思うんですね。」

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    2020年07月19日
  • 一神教とは何か

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    結局一神教って、なんすか。
    これ、タイトル編集がつけたのかな?
    そこに絞ってるわけでもなく、宗教と世俗政治との問題を扱ってて。
    一神教というものより、ユダヤ教ちょっとと、キリスト教少しと、イスラム教について喋ってる感じ。

    一神教は不寛容じゃないよ。
    いや、不寛容だから、世俗と折り合いつけてきたという内容。

    日本だって不寛容やったやん。
    いや、その一神教が日本で何したか分かって上でそれ言ってるわけ?

    偶像崇拝禁止と、貿易センタービルへのテロが、何で関係あって、仕方ないとこもあるよね的な感想になるのか、さっぱり分からない。

    結局。

    こうやって信じるものがあるから正当化できてしまうところ、

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    2023年11月15日
  • 人類の起源、宗教の誕生

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    「サル学」からみた文明論の本質のトーク本である。やはりゴリラ先生面白い。
    「宗教」が発生した(発明かも知れないが)理由を実に合理的に語っている。
    また現在の私たちがもっている「経済成長への無条件の信頼」の根源を遡って分析する会話には実に知的刺激をうけた。
    しかし「宗教」をここまで客観的に見ることができ、しかも読者が共感を覚えると言う事は私たちが同じ日本人であるからとしか思えない。「メタ認知」と言う言葉があるがまるで人類文化を上空から見下ろすような2人の対談は、読者を知的高みに押し上げてくれるように感じた。
    本書の前半は興味深く読み進めたが、後段の哲学的論考については、小生に基本的素養がないせい

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    2019年06月26日