笠谷和比古のレビュー一覧

  • 論争 関ヶ原合戦(新潮選書)

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    ネタバレ

    今までのイメージとは違う点がいくつもある。
    小山評定にしろ、合戦後の論功行賞知行替えなど。
    小山評定の時点で豊臣恩顧の大名は「内府ちがひの条々」についてまだ知らなかったというのも見逃せません。
    そしてこの合戦が完全に東西雌雄を決する合戦とは一概には言えない。
    秀忠遅延の件も家康からすると頭の痛い問題だった。
    徳川主力の本体が不在なのである。
    遅延が無ければもっと早く雌雄が決していたかもしれないし、豊臣恩顧の大名の知行が大きく増える可能性が低かったかもしれない。
    しかしそれでもほぼ一日で雌雄が決するとは家康も三成も思っていなかったことであろう。
    この勝利により家康の天下統一が完全になったとまでは

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    2023年01月14日
  • 論争 関ヶ原合戦(新潮選書)

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    これぞ日本史のダイナミニズム。最新の知見から振り返る関ヶ原の戦い。

    講談、映画、ドラマから歴史小説など定説となっている部分も多い戦国時代。実際のところはどうだったのか、それを一次資料を基に見直していくのが歴史学。本書は三成襲撃事件の実態、直江状の真贋、三成と兼続の事前通謀の有無や最近出てきた関ヶ原合戦は瞬時に終わった説などを検証する。

    400年以上たっても覆ることの多いのが歴史の面白いところ。ただしフィクションにもそれなりの面白さがあるので、うまく割り切って楽しんでいきたい。

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    2022年11月13日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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     コマヤスカンさんによる,関ヶ原の戦いを,上から見下ろした地図上にかいたもの。
     それぞれの武将と軍が実に細かく地図上にかかれています。

     東軍総大将は,たぬき組の徳川タヌキ家康。
     西軍総大将は,さる組の石田サル三成。

     そのほか,石田三成の軍師の島ゴリラ左近,たこ組の安国寺タコ恵瓊,東軍のからす組黒田カー長政など,昨年「軍師官兵衛」にはまったオイラには思わず,そう,それ,それ(笑)という武将ラインナップ。

     とにかく,慶長5年9月15日(西暦だと,1600年10月21日)午前6時から午後3時までの,一日の戦況が見開きで事細かにかかれています。
     読み聞かせには全く向きませんが,関ヶ原

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    2015年04月19日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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    [江戸前夜、天下両分]東西両軍が激しく争い、その結果が江戸時代の幕を開けることにつながった関ヶ原の合戦。戦に至るまでの経緯からその戦闘及び戦略の特徴、そして合戦がその後の政治体制の形成に与えた影響を考察した一冊です。著者は、クラシック音楽への造詣も深い歴史学者である笠谷和比古。


    (失礼ながら)思いも寄らない傑作に出会ってしまいました。「なぜ重要な先陣に家康は豊臣系武将を配置せざるを得なかったか」、「なぜ緒戦が拮抗していたにも関わらず、家康を取り囲むようにしていた3万人もの軍勢を最後の最後まで合戦に投入できなかったか」などの問いを手がかりにしながら、合戦の全体像を描いていく様はお世辞ではなく

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    2014年10月13日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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    その後400年の歴史を決定付けた関ヶ原の真実が裏の裏までよく見える。本題ではないとはいえ、大阪の陣の記述が大変そっけないのが唯一の不満。
    征夷大将軍とその世襲という既成事実ができた。また合戦を約150年繰り返したため一度軍事衝突が生じれば、小勢力の小競り合いでなく数万単位へと合戦の大規模化が生じてしまう。すでに全国の大名は戦国の黄昏を感じていたことだろう。
    それが将来の禍根となるであろう豊臣の排除へと向かったんじゃないかな。

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    2013年04月17日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    ネタバレ

    「あれ、コウモリって西?東?青だから西なのに、なんで東の味方?」(S8)
    「このウス、なんで青いのに味方の邪魔してんの。こいつのせいで、後ろが山を下りられないんじゃん」
    「ケッロッピのやつ、サボってる。なにこれ、赤い旗も用意してるよ」
    「うっわーー、熊つええー」
    「あ、ケロッピ、とうとう赤い旗に変えた。あー!東の味方になったー!」
    「サルが負けて狸が勝っちゃった」

    関が原の戦いを俯瞰図で観戦できる楽しい絵本。
    子供はひたすら夢中でこまごま見てる。
    大人も子供も楽しんでます。

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    2012年12月05日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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     関ヶ原合戦のことが知りたいのなら、この一冊を読めばかなり理解できると思います。1994年に刊行されたものを文庫化しており、内容としては特別真新しくはないため、最新の本と併読するとなおよいと思います。特に秀忠についての記述は『関ヶ原合戦と大坂の陣』で訂正を加えています。
     笠谷先生は他にもたくさんの関ヶ原合戦についての研究書を出されていますが、この本を併読しつつ、だとかなりわかりやすくなります。関ヶ原合戦図や、禄高の変化も書かれているので、そういった意味でも使いやすいかと。もう20年以上関ヶ原合戦の研究をなさっている方であることもあり、信頼はかなりおけると思います。

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    2011年05月29日
  • 論争 関ヶ原合戦(新潮選書)

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    関ヶ原合戦について、これまでの研究成果を踏まえ関ヶ原合戦の全体像を描き、著者の見解とそれへの異論を中心として論点が整理されている。合戦前後の複雑な事態推移が分かりやすい。ただ論拠の明示が少ないので、他とも読み比べてみたい。

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    2023年02月14日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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    関ケ原の合戦およびその前後が詳細に記述されている。
    徳川方に属する豊臣系武将の強さ、そして、その強さを認識しながらも豊臣家とは異なる公儀制を布くことで、反感を買うことなく実質的に日本を支配してしまう家康の強かさには感嘆せずにはいられない。

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    2017年02月18日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    歴史が好きな人、興味がある人、知っている人なら特に楽しめるかなと思った。関ケ原なんて知らないよといううちの3きょうだいでも、絵を見てるだけで楽しめたみたい。関ケ原の合戦ってこうだったんだなと、ざっくりわかっていいし、細かい絵もおもしろい。時々、孫悟空など東軍でも西軍でもない人たちが、こそっと居るので、探してみるのも楽しい。大人も楽しんでます。私も何度も読んでは、あっ、こんなところに鬼が!?なんて見つけてます。最初と最後の、戦国新聞もなんか好き。

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    2016年02月24日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    有名な関が原の戦いを、俯瞰図でユニークに観戦できるのが素晴らしい。
    武将が動物化されていて、猿蟹合戦のネタをひっぱってきているところにもクスッとさせられる。
    細かく描かれた兵の様子もじっくり眺めているとそれだけで楽しい。

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    2013年04月17日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    歴女でもなければ、仁と大奥のテレビドラマくらいしか興味ない戦国時代を知らない私がよんだので細かい設定がわかってないので、好きな人によんで欲しい。きっと歴史上の人物の特徴をとらえた擬人化なんだと思う。つまり人ではなく動物で関ヶ原の戦いが描かれているんだ。
    じゃぁなぜ手にしたかといえば、私はコマヤスカンさんの俯瞰でみる細かい描写が好きなのと、動物の擬人化にひかれたのだった。
    こういうゴチャゴチャっと細かく探して遊ぶ絵本が好きで、みているとただただ描きたくなってくるんだよね。

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    2013年01月06日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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     つい買ってしまった…。
     タイトルの如く、関ヶ原の合戦を、人間ではなく動物で再現(?)した内容。意外に細かい作りで、見応えあり!
     しかし、太閤と権現に仮託されている動物は、安定かつ不動の万人共通のイメージなのだが、逆に解せぬのは西軍。左近は、まあ…うん、分からなくもない(けど、分かりたくもないw)が、三成があの動物とは…(太閤の子飼いだから?)
     また、吉継に至っては物凄く頑強そう。とても目を患っているとは思えない(史実)が…まあ、絵本なので。
     あと、笑ったのは、東軍の直政と忠吉。この義父と娘婿、『猿蟹合戦』ネタの投下のせい(?)で甲殻類と栗って…甲殻類は目を瞑るとしても栗は絶対に動物じ

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    2012年11月21日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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    関ヶ原合戦時の大名配置図やら合戦後の領地の増減、大名配置図などの資料が豊富ないい本です。私みたいな初心者からそれなりに知識のある人まで楽しめるんじゃないかな。

    個人的には地元の変遷がすごく面白かったです。
    佐竹義宣は常陸水戸54万石が出羽秋田30万石に減封・所替になったのですが、他にも『南総里見八犬伝』でおなじみの里見家が常陸鹿島→安房館山、武田信吉が下総佐倉→常陸水戸、秋田実季が出羽秋田→常陸宍戸と存外に関ヶ原合戦の余波を受けていました。
    佐竹義宣は石田光成と親交も深かったらしく、豊臣七将の光成襲撃事件の際に光成を助けて大坂を脱出させたとか、常陸の佐竹領の太閤検地の検地奉行は石田光成だった

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    2012年02月28日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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    関ヶ原合戦の知られざる側面を解説する良書。

    ポイントは

    1.徳川秀忠率いる軍勢こそが、徳川の主力軍であった。
    2.東軍の総大将である家康の名代は松平忠吉であった。
    3.西軍の誤算は大津城攻めにあった。

    上記3点だけでも、関ヶ原合戦のイメージがずいぶんと変わった。

    1.関ヶ原にいた家康軍3万とは、守備隊が主で敵に攻めかかるための軍はせいぜい6千というから、今までのイメージとは違ってさぞかし頼りない軍隊だったということがわかった。

    中山道を関ヶ原へ向けて急ぐ秀忠軍には、榊原・本多・牧野といった歴戦の将がついており、攻めるための陣容であった。

    2の関ヶ原合戦開始時に、抜け駆け一番槍を行っ

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    2012年01月18日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    関ヶ原合戦に史実をもとに、動物のキャラクターによるフィクション。
    作者の特徴である、空からの地形を活かした作品。
    私は30年くらい前に「関ヶ原ウォーランド」を訪れたことがあるが、等身大武者のコンクリート像があちこちに配置されていて不気味だったことを思い出す。

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    2022年06月17日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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    これまでの「東軍が勝って、徳川の天下ができましたとさ」みたいな考え方が、ちょっと変わるような、関ヶ原合戦の研究書。
    合戦前後の詳細な大名の動向を知るのにも、良い本だと思いました。
    序文を読むと、いつものトンデモ歴史解釈の人みたいな印象を持つかもしれませんが、本文でちゃんと考え方が示されているので、安心して読んで良いでしょう。(^^;
    同じ作者で、大阪冬夏の陣に至るまでの話も読んでみたいのですが、研究者ってそんなに幅広くは研究対象としないんだろうなぁ。(^^;

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    2016年08月24日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    関ヶ原の合戦が、この絵本を読むだけで大体分かってしまうという優れもの(?)でした。布陣や何時に何が起こったのかも、大体描かれてます。なにより、鳥瞰で見た戦場の、色んなところで色んなことが起こっているので、探し絵的に見ていくのも面白いです。

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    2014年12月11日
  • 関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制

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     初出は1994年。関ヶ原合戦における東軍の意図せざる編成に、初期の幕藩体制を規定した政治史的・国制史的意義を見出している。「家康の戦略」という副題に反して、むしろ徳川家康のリーダーシップの脆弱性と豊臣系大名の強靭さを強調しており、豊臣秀頼の再評価と初期徳川幕府の西国支配の弱さという、近年の研究潮流に影響を与えたと言えよう。

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    2014年10月29日
  • 決戦! どうぶつ関ヶ原

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    これは楽しい本でした。関が原の戦いを、武将を動物にして描く。タヌキ家康、サル光成、など。戦いはケロッパ秀明の裏切りによりタヌキ家康率いる東軍の勝利となります。細かい絵が楽しい本で、年長の子供がとても気に入ってます。このシリーズ、続刊を期待。川中島の戦い、長篠の戦い、とかいいですね。義経の崖から奇襲する一ノ谷の戦いなんかも良さそう。

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    2013年04月27日