著者畠山重篤さんを初めて知ったのはNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」。
津波で壊滅的な被害を受けた気仙沼唐桑で牡蠣養殖の復興に奔走する姿が取り上げられていた。
畠山さんは、以前、気仙沼の養殖業界が赤潮により大きな損害を受けていた当時、森を豊かにすること(植林)で海も養殖に適う水質になることを
...続きを読む世に明らかにし、それを具体的な活動に落とし込んだ功労者。
そして、その活動が評価され国連よりフォレストヒーローとして受賞されている。
昔からの海と森は共存してきた。
自然の摂理、生物循環に逆らわず、それと共に生きていくこと。共存共栄。
それが人間にとっても真に豊かな生活になるのではないかと実感した。
そして、その発想が三陸復興へのヒントであり、全国的にも地方活性化のヒントでもあったりする。
牡蠣と性格が似ている人が牡蠣士の称号を得ている、と表現するところも面白い。性格がゆったりとしていること、瞬発力があること。
牡蠣の生育について学ぶにつれ、これ程までに多くの人が牡蠣に魅了される所以も理解できたような気がする。
2年前に室根山の山頂から気仙沼の花火を見たことを想い出した。
室根神社は千年以上も前に建てられ、それ以降、海の民からも崇め祀られていたようだ。
「森は海の恋人」であることは古よりの教えでもあるのだ。
津波で壊滅的な被害を受けたにもかかわらず、今でも牡蠣養殖を続けている畠山さん。ぜひ、その奮闘記の筆も執っていただきたい。