【感想・ネタバレ】日本〈汽水〉紀行のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年09月30日

<汽水>とは川の河口付近で、真水と海水が
混ざり合った場所です。日本には非常に多いです。

しかも日本は地形的に山から海への距離も近いので
豊富な山の養分をその汽水地帯へ運び、豊かな漁場
を提供してくれるのです。

実は東京湾と桜島のある鹿児島湾とでは、東京の
方が漁獲量が多いのはご存知でしょうか。...続きを読む

東京湾には一定以上の流量の河川が16本も流入して
います。一方で鹿児島湾は霧島の爆発でできた湾
なので、大きな川は流入していません。栄養が少ない
のです。

「森は海の恋人」と言われます。
山の栄養があってこその川と海の繁栄なのです。
そんな豊かな日本の河口=汽水を巡る旅です。

日本は広い。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

ただのノンフィクションじゃない、中身の濃い一冊でした。
(河口堰建設にNOといえない環境系著名教授の本より100倍中身が濃い一冊だと思いました)

「豊かな海」に必要なものは「豊かな川」である。
「豊かな川」に必要なものは「豊かな森」である。
豊かな森の多くの生き物が生み出す栄養が、豊かな川を通って...続きを読む、豊かな海を生み出す!!
自然の栄養がもっとも凝縮されているのが汽水域である!
”森”から”川”へ、”川”から”海”へ、その秩序を乱せば自然の恵みは失われてしまう。

著者の畠山さん、高校卒業後ずっと牡蠣養殖を生業とする一漁師ながら文書や言葉選びが素晴らしくとても博識な方だなと思いました。

おススメの一冊です!!

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

海の恵みは川をさかのぼり森林があってこそもたらされる、という「森は海の恋人」を合言葉に、植樹をすすめている宮城の漁民、畠山さん。
地元の気仙沼湾が、海水と淡水のまじりあう海産物の宝庫「汽水域」であることに端を発し、日本各地の汽水域を訪ねた折のエッセイとしてまとめられている。
知ること多く、自分がふだ...続きを読むん食べているものに思いを馳せずにはいられない、すばらしい本だと思う。
どこへ行っても、森の存在が牡蠣やアワビ、シジミなど海の生き物を守っている・・・、先々で出会った人とのやり取りや実際に見た風景を詳細に記すことで、そのことをより身近に読み手に感じさせてくれる。

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Posted by ブクログ 2016年01月16日

著者は、気仙沼の牡蠣・帆立の養殖漁業家。現在では、「NPO法人・森は海の恋人」代表にして、エッセイストでもある。
本書は、文藝春秋の雑誌「諸君!」に2001~2003年に連載された「汽水の匂う洲(くに)」をまとめて2003年に出版され、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞(2004年)した作品である。(...続きを読む2015年文庫化)
私は本書を手に取るまで、恥ずかしながら「汽水」という言葉すら知らなかったが、本書を読んではじめて、「汽水域(=淡水と海水が混じり合う水域=河川水が注ぐ海)」がどれほどの海の生き物の宝庫で、それはなぜなのか、そしてそのために森が如何に大切なのか、更には、だからこそ日本の海の恵は世界に類がないほど豊かなのであるということを知り、新しい世界に目が開かれた思いである。
著者が1989年に始めた「森は海の恋人」の活動は、国や地方自治体からの理解も得て、今や全国に広まっており、著者は地元・気仙沼湾をはじめ、自らが訪れた陸奥湾、岩手の広田湾、宮城の舞根湾、北上川、新潟の三面川、富山湾、千葉の大原、東京湾、天竜川、諏訪湖、宍道湖、四万十川、有明海、屋久島、さらに中国の揚子江と舟山諸島の、汽水の様子や現地の取り組みなどについて綴っている。
そして、当然ながら、現地の海の幸についての記述も多く、それが本書を一層楽しめるものにしている。気仙沼のもどりガツオ、三陸の牡蠣とアワビ、東京湾のアサリと海苔、宍道湖のシジミ、富山湾の寒ブリ。。。
都会で会社勤めをする私にとって、森や川や海に関わる直接的な活動をする機会は残念ながらないが、本書を読んだことによって、今後、食する海の恵が、どのような森と川とつながった、どのような海で、どのように育ち、どのように獲られたものなのかを多少なりとも意識できるようになる気がする。
日々の(食)生活を豊かにしてくれる、優れたエッセイ集と思う。
(2015年11月了)

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Posted by ブクログ 2015年12月05日

気仙沼で養殖業を営みながら、森の保全を進めた作者のエッセイ集。「森は海の恋人」というキャッチフレーズは、生態系の複雑さと大切さを思い出させる。

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