風来堂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルからちょっと勘違いしてた。
スピリッチュアルとか霊界とか、そんな世界を教えてくれる本かと思ってた。
しかし考えてみたら宮台真司氏が執筆。そんなわけはなかった。
松代大本営、アブチラガマ、新宿ゴールデン街、飛田新地、福島第一原発、
香川・豊島、軍艦島、成田空港、東京・山谷、釜ヶ崎、長島愛生園
日常ではない土地、場所のことだった。
ワクワクする場所だったり、子供が足を踏み込んではいけない遊郭だったり、、
ハンセン病の隔離病棟のような、時の政府の負の遺産の場所もある。
楽しい。
いまそういう場所がどんどん減っている。
下北沢の駅前の市場も消滅しつつある。自由が丘もしかり。
吉祥寺には -
Posted by ブクログ
大変興味深く読んだ
アウシュビッツ、イスラエル、グラウンドゼロ等、死ぬまでに一度は行ってみたいが、共感性を発動してかなりしんどい状態になってしまわないか心配
ケア職でもそうだと思うが、自分と切り離して考える、感じることが大事だと思う
また、「日本人だから」「○○人だから」といったアイデンティティが暴走しがちだったり、人種や国籍、考え方が自分と異なる人々への偏見があるような人には向いていないのだろうなと思った
どの人種にも、国家にも、暗い歴史がある
罪を犯し、同時に悲劇を被っている
歴史をまずは知ること、フラットな目線で見ること
その行為自体が戦争や差別をなくし、ひいては世界の安定や平和 -
Posted by ブクログ
そもそもダークツーリズムというもの自体が、人間の暗部、悲劇にわざわざスポットライトを当てる悪趣味なものだとして敬遠される見方が日本にはまだありますが、欧米では近年盛んに研究されているんですね。これはまず欧米人の根底にある考え方、キリスト教の原罪「人間はそもそも罪深きもの」があるのではないかと、そして反対に日本ではルーズベネディクトが「菊と刀」で示したように「恥の文化」があるからこそ流行らないのではないか、と考えました。
個人としてはこういう人間の負の遺産というべきものは文化的価値があると思いますので、いずれ機会があればこの本で紹介されていたいくつかには行ってみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
「ダークツーリズム」。思わずタイトルの響きに引き寄せられ、本を手に取りました。
戦争跡地や自然災害被災地など、天災・戦争・暴力などの歴史的跡地を巡る旅の事を指すそう。
これまで、広島の原爆ドームや福島の震災跡地などを訪れていたけれど、その旅自体に名前がついている事は知らなかった。名前がついた事で、なぜ自分がその場所に惹かれるのかを意識する事ができ、過去の歴史を追体験する事で人々の悲しみや痛みを学びたかったのだと気づく事が出来た。
本書では国内・国外におけるダークツーリズムスポットが紹介されており、どの場所も訪れてみたい場所ばかり。旅先を選ぶ要素の1つとして、世界に散らばる「影」を見つけに行くの -
Posted by ブクログ
法外を知らない御仁が安全や「社会は~こうあるべき」と主張すると、もともと法外と法内の円環で回っている社会が崩壊する。これには大賛成。
しかし宮台氏のいう、「眩暈や異界を知らない若者像」については一若者として間違っていると主張する(せざるを得ない)。私自身の経験からすれば、眩暈や異界なるものは、神への信仰に目覚めた経験と言い換えれられる。もちろん目覚めたというほど大げさなものではない、神の気配といった方が適切である。信仰による回復と治療によって法内で生きて行ける。
眩暈、異界、法外による連帯がすべて同じ意味を示すとすれば、これらは何も特別なものでもなんでもない。いわゆる「若者」であっても、意識