太田康夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者太田氏のスタンスが素晴らしい!
日経記者・金融経済アカデミズム・批判的検証どれも超一流
1.澄田総裁はバブル主犯ではない
87年ブラックマンデー
89年消費税導入→これを誰も指摘しない
この国策を背負っての金融舵取り
2.三重野総裁 平成の鬼平
日本経済の根幹が崩壊に気付くも遅かった
宮沢総理と公的資金導入に動くも支持されず
3.その後の90年代
打つ手が無く、脳死状態
対処療法のオペレーションに終始「茹でカエル」
97年からの金融崩壊になすすべも無し
4.日本の中枢は危機に無能力化する
平時には優秀な組織集団だが
非常時になると一気に無能力化する
「エリート」の選 -
Posted by ブクログ
金融市場の大問題となって噴き出す懸念が大きい。LIBORは金融取引の契約においてその根幹になるものであり、その存在は空気のようでもある。空気が突然なくなって窒息することになるのか。
2021年末にLIBORが実質的になくなるという予定になっていて、あと2年半ぐらいしかないではないか。
自分自身の仕事にあまりにも直結しているのだが、その準備は実際できていない。周りも同じだと思う。
このような金融関係者の事情を、警告を発しながらまとめてくれている一冊である。2021年末にまたがる変動金利取引をスクリーニングしておかなければならない。デリバティブのポジションはもちろんのこと、変動金利の債券も -
Posted by ブクログ
世界は今、「日本化」しつつある。コロナ禍によって、景気後退、財政悪化など、この数十年、日本が陥っている状況が世界に広がりつつある。その実態と、日本の現状について説く書籍。
2020年の欧米経済界の大きなテーマは、「日本化」だった。
巨額の財政赤字を抱えつつ、ゼロ金利と量的緩和で経済を維持する。この日本化のリスクは、新型コロナウイルスの感染拡大とともに、より強く意識されるようになった。
コロナ禍による世界の日本化。それは、次のようなものだ。
・2020年の世界の経済成長率はマイナス4.4%と、厳しい落ち込みが予想されている。
・コロナ対策の景気刺激策などで、各国の財政が大幅に悪化。
・将来不 -
Posted by ブクログ
本書は、日銀の金融政策を現在から振り返って評価するとともに、政治との距離関係もわかりやすく大胆に書いている。「政治・金融の総合ストーリー」とも言える。
本書を読んで、経済と金融政策は実に奥深いものだと感じたが、そもそもヒトが経済をコントロール出来るものなのだろうかとも思った。
本書は「経済」の話とともに「人事」の機微を取り上げているために、小生のようなパンピーにも政治が見えやすい。とりわけ90年代2000年代のリアルタイムで見知っていた日銀の政策の狙いと失敗がわかりやすい解説で語られていることは実に興味深く読めた。
日銀の金融政策の歴史を、総裁ごとに検証すると、現在の黒田日銀の異様さがよくわか