【感想・ネタバレ】日本銀行 失策の本質のレビュー

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Posted by ブクログ

著者太田氏のスタンスが素晴らしい!
日経記者・金融経済アカデミズム・批判的検証どれも超一流

1.澄田総裁はバブル主犯ではない
 87年ブラックマンデー
 89年消費税導入→これを誰も指摘しない
 この国策を背負っての金融舵取り
2.三重野総裁 平成の鬼平
 日本経済の根幹が崩壊に気付くも遅かった
 宮沢総理と公的資金導入に動くも支持されず
3.その後の90年代
 打つ手が無く、脳死状態
 対処療法のオペレーションに終始「茹でカエル」
 97年からの金融崩壊になすすべも無し
4.日本の中枢は危機に無能力化する
 平時には優秀な組織集団だが
 非常時になると一気に無能力化する
 「エリート」の選抜・育成が間違っている
5.同じ失敗の繰り返し 戦略不在・戦略不全
 東電福島原子力発電所
 コロナ感染症
 財政・社会保障問題
皆同じで、日本国が滅びるまで突き進む タイタニック

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2020年05月01日

Posted by ブクログ

本書は、日銀の金融政策を現在から振り返って評価するとともに、政治との距離関係もわかりやすく大胆に書いている。「政治・金融の総合ストーリー」とも言える。
本書を読んで、経済と金融政策は実に奥深いものだと感じたが、そもそもヒトが経済をコントロール出来るものなのだろうかとも思った。
本書は「経済」の話とともに「人事」の機微を取り上げているために、小生のようなパンピーにも政治が見えやすい。とりわけ90年代2000年代のリアルタイムで見知っていた日銀の政策の狙いと失敗がわかりやすい解説で語られていることは実に興味深く読めた。
日銀の金融政策の歴史を、総裁ごとに検証すると、現在の黒田日銀の異様さがよくわかる。よく他の専門家が受け入れているものだと呆れてしまう。
後半の議論はちょっとわかりにくく感じた。もう少し「通訳・整理」してほしい。
しかし本書を読んで思ったのだが、「失敗を認めない組織」が「結果オーライで成功」する事はないのではないかとの懸念を持つ。日銀はかつての日本陸軍と同じ組織の宿痾の呪縛に囚われているようにも思えた。
本書は、なかなかわかりにくい日銀の金融政策の経過をやさしくコンパクトにまとめた良書である。

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2020年02月22日

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